この是(shì)を使った文を理解できると
・私は日本人です(我是日本人)
・これ何ですか?(这是什么?)
・これはコーヒーじゃないですよ(这不是咖啡)
のような文を正確に理解して、伝えることができるようになります。
この記事では是(shì)を使った文の
- 肯定
- 否定
- 疑問文の作り方3パターン
- 疑問文への答え方
まで全てお伝えしていきます。
いろんなテキストで最初に学ぶことが多い中国語の文の基本中の基本なので、この記事を最後まで読んでしっかり理解しましょう。動画でも説明しているので、この動画を使って授業を受けてるように理解することもできます。
もし「主語」「述語」などの用語の意味が実はあまり分かっていないという方はこちらの記事も確認いただくとより理解を深めることができます。
1度では理解が難しいということもあると思いますので、その場合は繰り返し読み直してみて下さい。では早速是を使った肯定文にいきましょう!
肯定文
まず、この“是(shì)”はちょっと特殊な動詞で
A是Bの形で、A=B
というように前後がイコールだという関係を作ります。
ですので、「私は日本人です」と言いたい時には
私:我(wǒ)
日本人:日本人(rìběnrén)
この2つを是の前後に並べます。
我 是 日本人
これで 我(私)=日本人(日本人)、つまり「私は日本人です」という文になります。
この“是”は一応動詞扱いなのですが、“是”そのものに動きがあるという動詞ではないので、英語で言うbe動詞のようなものだと思っても良いです。
ただ、英語ですと主語が I だったら am になって、You だったら are になったり、過去形の場合は am が was に変わったりと、実はけっこう複雑です。でも、中国語の場合はそういう変化が無いので、その意味では英語のbe動詞よりも簡単に感じるかもしれません。
では改めて、「A是B」で「AはBです」
ここまでは大丈夫ですね。
本当に大丈夫かどうか、理解度チェックの問題を準備してるので、ちょっと問題を解いてみてください。それから否定文の作り方にいきましょう。
💡理解度チェック
以下の単語を使って指定された文を作ってみてください。全部で3問出題します。
- 我(wǒ):私
- 这(zhè):これ
- 那(nà):あれ
- 日本人(Rìběn rén):日本人
- 西瓜(xīguā):スイカ
- 咖啡(kāfēi):コーヒー
- 是(shì):前後がイコールであることを表す動詞
問題①
「私は日本人です」
「我是日本人」
問題②
「これはスイカです」
「这是西瓜」
問題③
「あれはコーヒーです」
「那是咖啡」
否定文
ここからは“是”を使った文(“是”述語文)の否定形を作ってみましょう。
否定の作り方は意外とシンプルで、“是”という動詞の話をしましたが、“是”の前に否定の副詞である“不”をくっつけます。
つまり、「私は日本人ではありません」と言いたい時は
我 是 日本人
の是の前に不をくっつけて
我 不是 日本人
にします。
この“不”を前に置くことで否定の形にするというのは、“是”以外の他の動詞の時も同じなので、ここで覚えてしまいましょう。語順は大事で、動詞の前に置くということがポイントです。
動詞を否定する時は、その動詞の前に“不”をつける!
もしかしたら気になった方がいるかもしれないので、少し発音についても触れておきます。不の発音は本当は四声で、bù と、上から下に落とすような音になります。
でも、後ろにくる音が同じ四声の時には二声のbúに変わります。今回一緒に見ている是はshìというのは四声ですね。上から下に落とすような音なので、不の発音はbúになって、不是bú shìと発音します。
この声調の変化について、もう少し知りたい方は、こちらの記事も見てみてください。
英語だと “I am Japanese” の否定形は、be動詞の ”am” の後に ”not” をつけて、“I am not Japanese” と言うけど、、、中国語では「是」の前に否定の「不」をつけるから作り方が違いますね。
では理解度チェックのための問題解いてみましょう。
💡理解度チェック
ここにある単語たちを使って、指定された文を作ってみましょう。全部で3問出題します。
- 我(wǒ):私
- 这(zhè):これ
- 那(nà):あれ
- 中国人(Zhōngguó rén):中国人
- 苹果(píngguǒ):りんご
- 咖啡(kāfēi):コーヒー
- 不(bù):否定を表す
- 是(shì):前後がイコールであることを表す動詞
問題①
「私は中国人ではありません」
「我不是中国人」
問題②
「これはリンゴではありません」
「这不是苹果」
問題③
「あれはコーヒーではありません」
「那不是咖啡」
疑問「吗?」「反復」「疑問詞」
続いて、“是”を使った文の疑問形の作り方を学んでいきましょう。疑問形は大きく3つのパターンがあります。
- 吗(ma)を使った疑問文
- 反復疑問文
- 疑問詞を使った疑問文
これら3つをひとつずつ確認していきましょう。
吗疑問文
まず一番シンプルなのが、“吗?(ma)”を使った疑問文です。
“是”を使った文の最後に“吗(ma)?”をくっつけるだけなので、「あなた(你)は日本人ですか?」という文を作りたい場合、まず「あなたは日本人です」という文を作ります。
あなたは 你(nǐ)と言うので、「あなたは日本人です」は
你 是 日本人
ここまでは大丈夫ですね?
その文の最後に“吗?(ma)”をつけて
你 是 日本人 吗?
にすると「あなたは日本人ですか?」という意味になります。
日本語で考えた時の「あなたは日本人です か?」の「か?」の部分が“吗?(ma)”のような感じだと思うと、けっこう理解しやすいですよね。
英語で “You are Japanese” の疑問形を作る場合には、主語とbe動詞を入れ替えて“Are you Japanese?”と作ることを考えると、、、中国語は簡単ですね。
反復疑問文
つづいて2つ目の疑問文の作り方、反復疑問文について説明します。
反復疑問文は何を反復しているのでしょうか?これは述語の肯定と否定を連続で言い、それによって疑問文を作るというものです。
今回は述語の箱に入れてるのは、動詞の是なので、簡単に言うと、是とその否定の不是の”是不是”を並べて疑問文にします。
「あなたは日本人です」はこうでしたね。
你 是 日本人
これを反復疑問文にすると
你 是不是 日本人 ?
これで「あなたは日本人ですか?」の意味になります。先ほどでてきた“吗”をつけて疑問文にするんですよ」ということが頭にの残っていると
✕ 你 是不是 日本人 吗?
としたくなってしまうかもしれません。
既に是不是で疑問文であることはわかるので、反復疑問文に“吗”をつけるのはNGです!注意してください。
頭ではわかってても、最初はつけてしまうこともあるかもしれませんが、その時は「あ、間違えてしまった!」というように、都度修正して身体で覚えていきましょう!
疑問詞疑問文
つづいて3つ目の疑問文、疑問詞を使った疑問文の作り方を説明していきます。
そもそも疑問詞が何かといいますと、英語でいうWhat、When、Whereなどのことです。
中国語の疑問詞疑問文の基本は「自分が知りたいところにその疑問詞を置く!」で、これがとても大切で、全てと言っても良いくらいです。なのでもう一回言っておきます!
中国語は知りたいところに疑問詞を置く!
具体的に「これはリンゴです。」という文で確認してみましょう。
まず単語として「これ」は「这(zhè)」「リンゴ」は「苹果(píngguǒ)」と言います。では、「これはリンゴです」はどういう文にすれば良いか?ですが、ここまでの知識で作れるはずです。
そう、「这是苹果」ですね!
もし「これはリンゴです」ではなく、「これは何ですか?」と聞く場合には「なに」という疑問詞である「什么(shénme)」を使う必要があります。
「这是苹果」の苹果の部分がわからなくて知りたいという状況なので、苹果の部分を什么にします。そうすると「这是什么?(これは何ですか?)」になります。
せっかくなのでもう一つ!
今回は「何=What=什么」という疑問詞を使ったのですが、もし知りたいところが人だったらどうでしょう?
例えば、「あなたはジローです」の「ジロー」の部分がわからなくて「あなたは誰ですか?」という文を作りたい場合。
この時は「誰=Who=谁(Shéi)」という疑問詞を使います。もし「あなたはジローです」だったら
你 是 次郎
ですが、このジローのところを知りたいので「あなたは誰ですか?」の場合は
你 是 谁?
にすればOK!この文も、既に疑問詞を使ってることで疑問文であることがわかるので、
✕ 你是谁吗?
✕ 你是不是谁?
はNGです。ギモンギモン、ギモンギモンとならないように、疑問を表すものは文の中に1つだけ使うと覚えておきましょう!
英語でもし“This is a car.” の “a car” を知りたい時は、疑問詞のWhatを文頭にもってきて、しかも主語と述語の位置を入れ替えて“What is this?”にしますよね。
中国語では単純に知りたいところに疑問詞を置きます。英語でいうと“This is What?”という感じで良いので、これまたシンプルですね!
3つも疑問文あって大変でしたね。きちんと理解できてるか、理解度チェック問題解いてみましょう。理解度のチェックができるだけでなく、知識の定着にも繋がります。
問題の後はこの疑問文を言われた時に、どう答えるのか?という答え方の説明をしていきます。
💡理解度チェック
ここにある単語たちを使って、指定された文を作ってみましょう。全部で3問出題します。
- 这(zhè):これ
- 那(nà):あれ
- 咖啡(kāfēi):コーヒー
- 苹果(píngguǒ):りんご
- 什么(shénme):何
- 不(bù):否定を表す副詞
- 是(shì):前後がイコールであることを表す動詞
- 吗(ma):疑問文を作る助詞
問題①
「これはコーヒーですか?」(吗を使って)
「这是咖啡吗?」
問題②
「これはリンゴですか?」(反復疑問文で)
「这是不是苹果?」
問題③
「あれは何ですか?」
「那是什么?」
疑問文に対しての答え方
ここからは是を使った疑問文3パターンに対して、どうやって答えるのか?その答え方を学びましょう。
これらがわかってないと質問をされても返事ができないことになってしまうので、会話には必要な知識ですね!
“吗(ma)” を使った疑問文への答え方
中国語には日本語の「はい」「いいえ」にピッタリ当てはまる言葉はありません。でも「はい」「いいえ」は伝えないといけない、、、
では、どうすれば良いのかというと、実はすごく簡単で、相手が使ってきた疑問文の述語部分を繰り返せばOKです!
例えば「你是日本人吗?(あなたは日本人ですか?)」に対して「はい」と言いたい場合、「你是日本人吗?」の述語(ここでは動詞)は「是」なので、そのままそれを使って「是」と言えば「はい」「YES」の意味で伝わります!
これが基本なので、まず「はい」と答える時は、相手の使った疑問文の述語部分を繰り返せばいい、と覚えておきましょう。
ただ「是」の場合、「是」と答えるだけですと、少しつめたくて堅苦しい印象を与えてしまうので、それをやわらげるために日常会話では「的」を入れて「是的」と答えることが多いです。せっかくなのでこれも覚えておきましょう。「是的」と答えるだけでもけっこう自然な会話になります。
では、「いいえ」「NO」と伝える場合はどうするか?
「你是日本人吗?」に対して「いいえ」と答える場合は、疑問文の述語を持ってくるというのは同じなのですが、その動詞の前に「不」をつけて答えます。
例えば、「你是日本人吗?(あなたは日本人ですか?)」に対して「いいえ」と答える場合、述語である「是」、その前に「不」をつけて「不是」とすれば良いです。
「是」の時に「的」をつけて「是的」とするとやわらかくなりますよ、という話をしましたが、「不是」の場合は「不是的」だと、逆に強く否定するニュアンスが出てしまうので、的はつけずに、今は「不是」で覚えておきましょう。
反復疑問文への答え方
反復疑問文は「你是不是日本人?」のように、述語の肯定と否定を連続で言う事で作る疑問文でした。これに対しての答え方も「吗」を使った疑問文と全く同じです。つまり、疑問文の述語を繰り返せば良いです。
例えば、「你是不是日本人?」に対して、「はい」と答えたいなら「是/是的」、「いいえ」と答えたいなら「不是」と答えます。
疑問詞を使った疑問文への答え方
疑問詞疑問文は「这是什么?これは何ですか?」「你是谁?あなたは誰ですか?」のような文なので、「はい」「いいえ」「YES」「NO」で答えることができない疑問文です。
なので、疑問詞の部分、つまり「什么」(何)や「谁」(誰)の部分を、答えになる単語に置き換えて答えます。
例えば、「这是什么?これは何ですか?」と聞かれて「これはりんごです」と答える場合。答えになるのは「りんご」なので「苹果」を「什么」の部分にあてはめ、「这是苹果」と答えます。
これが基本の答え方なので、まずは「这是什么?」と聞かれたら「这是◯◯」と答えればいいんだと覚えておきましょう。
ただ、日本語で考えた時に「これは何ですか?」と聞かれた時にいちいち丁寧に「これはりんごです」「これは梨です」と答えると、教科書の例文みたいだなって違和感を感じることもありますよね?
自然な答えとしては「これは」の部分を省略して、「りんご」「りんごだよ」「りんごです」のように答えることも多いと思います。中国語も同じで「这是」は疑問文の方で既に言っているので、省略して「苹果」だけ答えてもOKです。
このように伝えると、どちらがいいの?という疑問も出てくるかと思います。「这是苹果」は丁寧な反面、ややくどい、「苹果」はくどくないけど、ちょっとカジュアルすぎる、場合によっては失礼に聞こえる可能性もあるという感じです。
どちらがいい!というより、フォーマルな場面では「这是苹果」、カジュアルな場面では「苹果」と使い分けられるとベスト。だだ不安でしたら、最初は丁寧に「这是苹果」にしておきましょう。
またよくある質問で、教科書では「你是日本人吗?你是不是日本人?」に対して
是的,我是日本人。
不是,我不是日本人。
という答えが書かれている場合があります。こんなに丁寧に「私は日本人です」「私は日本人ではありません」まで言うのでしょうか?とよく聞かれます。
これも先ほどの这是苹果と同じで、くどい言い方になってしまうので、今回の記事では「是的」「不是」で説明しました。教科書だとなるべく丁寧にということと、A是Bという構文をたくさん使って覚えて欲しいという意図もあるのかなと思います。
ではここでも、これまでの内容の理解度チェックをしましょう。
💡理解度チェック
疑問文に対しての答えを作ってみましょう。全部で3問出題します。
問題①
「这是咖啡吗?」
「はい」・「いいえ」両方答えてみましょう。
「是的」「不是」
問題②
「这是不是苹果?」
「はい」・「いいえ」両方答えてみましょう。
「是的」「不是」
問題③
「那是什么?」
リンゴだと伝えてみてください。
「那是苹果」or「苹果」
この記事ではは述語の箱に“是(shì)”を入れる「是(shì)述語文」について説明しました。
この是(shì)を使った文の
- 肯定
- 否定
- 疑問文の作り方3パターン
- 疑問文への答え方
を全てお伝えしましたが、1回で完璧に理解できるというものでもないので、この記事を繰り返し読みながら、理解を深めていきましょう。
また、この記事では理解はできるけど、「理解すること」と「使えること」はまた別ものなので、使えるようになるために、たくさんの中国語に触れて、自分でも使ってみましょう。
迷わず、挫折せずに中国語を学びたいという方は、自分にあった学習方法をプロの中国語学習コーチに相談することがとても有効です。無料カウンセリングを実施していますので、ぜひ一度相談してみてください。
無料学習相談受付中
無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。
今日は述語の箱に“是(shì)”を入れる文、是(shì)述語文について説明します。