【TOEICの勉強する順番】初心者はどのパートから対策する?

【TOEICの勉強する順番】初心者はどのパートから対策する?

Taku

初めてTOEICに取り組む場合、どんな順番で対策を進めればいいのか、どこまでやり込めばいいのかなど、わからないことも多いと思います。本記事ではそんな方を対象に、初めて受けるTOEICの対策について、解説していきます。

【初心者向け】TOEICを勉強する順番

【初心者向け】TOEICを勉強する順番

はじめに、TOEICに向けて今から勉強していくという方のために、典型的な勉強の順番を解説していきます。

TOEICは点数が取れればすぐ就職や進学に使えるので、点数を求めがちです。ですが、根本的に語学能力のテストは、英語力そのものが高ければ高いほどいい結果が得られるものなので、一番重要なのは、TOEIC対策のためのテストの解き方やコツを学ぶことではなく、英語力をあげるための地道な学習をコツコツ続けていくことです。この点は、最初に強調しておきたいと思います。

その上で、英語力を伸ばしてTOEICで結果を出すための学習方法として、基礎学習、パートごとの学習、問題演習の順番に解説していきます。

基礎学習

TOEICに限らず、日常会話、ビジネスなど英語によるあらゆる活動において、単語、文法、発音の基礎力が根幹になります。中学校までの内容ならどんなものでも精読できる、基本的な英語の音の仕組みがわかると自信をもって言い切れるまでは、基礎の練習はおろそかにしないほうがいいでしょう。

単語の基礎学習

まず単語についてですが、まず3000語の習得を急ぎましょう。TOEICで使われる単語も3000語あれば、かなりの範囲がカバーできます。

一冊の単語帳を何周もして、まずはやり切るのがおすすめです。アプリなどで覚えた単語がパーセントで表示できるものや、忘却曲線を利用した復習タイミングを提示してくれるものもありますので、うまく活用できると良いでしょう。

▼単語に関しての詳しい学習方法はこちら!

文法の基礎学習

文の骨格を担う文型の知識と、中学校の文法の知識がすべての文法の基礎となります。

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医療、芸術、ビジネス、教育、など専門分野に入っていけばいくほど、文が難しくなるイメージがあるかもしれません。しかし、どんなに難しい文章でも、難しくなるのは専門の語彙であり、文法ではありません。

文構造が複雑化することももちろんありますが、英語の文法の数には限りがあるため、ありとあらゆるジャンルの英語が、中高の文法の組み合わせでほぼ理解できます。中学校までの文法を徹底的に学ぶことは、TOEICだけでなく、その後の英語学習の基盤になるため、まずは中学校の文法から手をつけましょう。

TOEIC専門の問題集ももちろん有効ですが、選択肢から正解を選ぶ形式の問題だけを触っていると空欄の前後だけをみて読んだつもりになってしまう危険性があり、よっぽどの事情がないと学習初期の段階ではおすすめできません。

空欄補充だけでは、文構造を理解して自ら文法を使って文を作り出す能力の育成が遅れてしまう場合があります。この観点から、中学文法から学んでいく場合は、空所補充だけでなく並び替え、作文など色々な問題形式が入っている問題集から触ってみるのが理想的です。

▼文法に関しての詳しい学習方法はこちら!

発音の基礎学習

発音はおろそかにしがちな分野ですが、日本語と英語はそもそも違う言語なので、使われている音も全然違います。日本語の音声体系で英語を使おうとするのは、将棋のコマでチェスをするようなもの。

初めから英語で使われる音を知っているのといないのでは、伸び方にも大きな差が現れます。例えば、日本語には母音が5つ存在しますが、英語では15個の母音が使われています。日本語の音で英語を処理しようとすると、15個の母音の判別ができず、5つの母音で代用することになるので、当然難しさが変わってきます。

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TOEICを最終目標とせず、英語を使って仕事をしたり情報収集をしたいと考える場合は、発音の練習はとても重要になります。時間はかかるかもしれませんが、四技能に確実に効果が出てくるので、ぜひ触っておきたい分野です。

具体的には、英語の代表的な発音を確認することから始めましょう。発音の学習は、知識の学習ではなく口の運動の習得なので、必ず口を動かして自分でも真似することを忘れずに。口を動かしながら練習しないと、発音について知っているけど口は動かせない状態になり、リスニングも伸びていきません。

ピアノについて詳しいけど弾けない人よりも、詳しくて、上手に弾ける人の方がピアノがうまいというものです。知識と運用の両立を目指しましょう。発音について気軽にしっかりとした知識をつけたい方は、あいうえおフォニックスというYoutubeチャンネルおすすめです。

パート別の対策

TOEICを数ヶ月後に予定している場合は、基礎の練習が軌道に乗り始めたら、並行してパートごとの対策をしていくのが良いでしょう。

独学で進める場合は、パートごとの問題集を解いて解説を読み、使われている英文についての理解を深めるとともに、パートごとの解法について学んでいくのが効率的です。パートごとの解き方について言及しているオススメの教材は、本記事の一番後ろで紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

リスニングパートの対策

リスニングパートの対策として独学でも有効に実施できるのは、発音の学習、ディクテーション、シャドーイングです。発音の学習については上のセクションで解説したので、ディクテーションと音読、シャドーイングについて解説していきます。

ディクテーションの効果と手順

ディクテーションの効果は、細かい聞き取り能力の強化にあります。coffeeとcopy, sheetとseatなど似ている発音、また、all of us(”オーロヴァス”)などの連結部などを瞬時に聞き分ける能力の向上にディクテーションは有効です。

TOEIC Part2では、短い文が文脈なしに流れてくるので、coffeeとcopyなど文脈があれば聞き間違えなさそうなものも、細かい音から聞き分けをする必要があり、TOEIC対策としてディクテーションは有効だと言えるでしょう。

ディクテーションの効果と手順

ディクテーションの手順ですが、難易度が難しすぎない文(初見で読んで8,9割内容がわかるもの)を、一文ずつ流し、書き出しをしていきます。同じ文を5回くらいまで聞いて修正を重ねていきましょう。

修正をしていく際に、「なぜ聞けなかったか」を自分なりに考えて分析します。これによって、自分の能力を客観的に把握し、傾向と対策を立てることができるようになります。

これ以上聞いても耳だけでは判断できないと思ったら聞くのを辞め、自分の書いたものと答えを確認しましょう。

聞き取れなかった部分がどのように発音されるかに特に着目し、自分も同じ音が出せるようになるまで発音練習をして終了です。

聞こえなかった部分を発音できるように練習することで、英語の本来の聞こえ方がインプットされ、リスニング能力の向上に繋がります。

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語彙の勉強もかねて少し難し目のものにチャレンジしたくなる場合もあると思いますが、知らない表現や単語はどんなに頑張っても聞こえないままになり、音声のトレーニングとしては効果が薄まってしまうので、文字で読んだらよくわかるレベルの教材が効果的です。

シャドーイングの効果と手順

シャドーイングの効果ですが、スピードや内容理解ではありません。シャドーイングは、リスニングにおいてスピーカーの意図や感情が現れるイントネーションやポーズ、強勢を聞いていく力を鍛えるものです。ディクテーションが、細かい視点でリスニングを鍛えるトレーニングだとしたら、シャドーイングは文単位の広い視野でリスニングを捉えて鍛えるトレーニングです。

シャドーイングに関しては、問題として解いて解説も読んで内容が完璧に理解されているスクリプトなど、わからない部分が全くないくらい内容が易しいものを選ぶことが重要です。

これには理由が二つあり、一つは内容がよくわかるからこそイントネーションなどの要素に着目し続けられるという点、そして内容がわかるからこそ、気づいたイントネーションと意味の結びつきに意識が向けられる点です。シャドーイングで鍛えたいイントネーションなどの要素は、話者の意図や伝えたい意味に密接に結びついています。意味が十分わかるものを使うことが非常に重要になります。

シャドーイングの効果と手順

手順ですが、問題を解いて解説を読んだ後、まずはイントネーションに着目してリスニングをしてみましょう。ここが強調されている、ここで息継ぎをしている、などの要素に耳を澄ませましょう。

次に、文字をみながらでいいので、イントネーションを再現するように発音を真似してみます。それを繰り返していき、最終的に文字をみないでイントネーションを完璧にできたらゴールです。

一日5回ほど繰り返して練習し、2,3日で一つのスクリプトを仕上げるくらいのペースが無理なく続く量だと思います。一説によると一日で5回以上繰り返しても改善がみられないというデータもあるので、繰り返しは5回くらいで十分でしょう。

発音の基礎を学び、ディクテーションとシャドーイングを繰り返していけば、TOEICリスニングパートは徐々にできるようになっていくことと思います。

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繰り返しになりますが、音のトレーニングは理解するだけじゃなく、必ず口を動かして自分で発音することを忘れずに実施してください。

リーディングパートの対策

リーディングパートの対策としては、文法問題の演習と長文の対策が求められます。TOEICは問題数が多く、75分で100問の問題に回答する必要があります。

一般的にTOEICでは、Part5・Part6に各10分、Part7に55分という時間配分が理想的であるとされています。これに基づくと、Part5は30問出題されるので、1問あたり20秒で正確に回答していく必要があります。文法は瞬時に判断できる正確性と瞬発性が求められ、この文法能力を持って長文の対策をしていくことが重要です。

文法も長文も対策において重要なことは、復習の解像度をあげることです。文法であれば、間違えた問題は空欄前後の構造だけでなく、文全体の構造を理解して自力で訳出できるようにすることで、複雑な文構造も理解する力が身につきます。

おすすめの文法問題の復習の手順はこちらです。

TOEICの文法問題の復習手順

手順2では、文全体の構造(SVOCM)を把握し、空欄がどの要素の一部となっているかを確認し、不安であれば訳出してみましょう。

長文に関しても、取り組んだ問題はすべて復習で丁寧に確認していきましょう。長文を読めるためには、文の構造を読めるだけでなく、情報の流れ方を把握することが重要になります。どんな情報がどこに出ているのかまで意識して復習でしっかり全体像を把握していきましょう。

長文の復習は以下の手順で進めることをお勧めします。

TOEIC長文の復習手順

問題演習(通しで解く)

問題演習は、実力の変化を確認する目的で実施しましょう。勉強を始める前のレベルチェック、しばらく勉強を続けたタイミングでの定点観測として使うのが良いでしょう。

問題演習をする時の注意点

問題演習をすることは体重計にのるのと同じ計測の効果しかないため、がむしゃらに演習だけを繰り返すことは、体重計に何度も乗るのと同じで、実力を向上する効果はあまりないということです。どうしても演習をベースにしたい場合は、前セクションで述べたように復習の解像度をあげることを重視してください。

実施に当たっては、時間を測って、本番通り実施してみましょう。試験の実施時間も本番当日と合わせてやることで、当日のその時間帯のコンディションも想定できます。

問題演習をすると、苦手な部分や実力が如実に出てきますし、リーディングでは時間制限に対する問題の量感も理解できます。時間に関してはオンラインで受ける場合など当てはまらない場合もあるので、注意しましょう。

解いたら解説を読んで、間違えた問題は復習をじっくり行ってください。

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試験の擬似体験ではなく、実力を手っ取り早く知りたいという場合は、TOEICの予想スコアを出してくれるアプリもおすすめです。例えばSantaというアプリは、数分のチェックでTOEICの予想スコアをAIが計算してくれます。

【初心者向け】対策をしていくパートの順番

さて、こちらでは少し視点を変えて、TOEICにこれから初めて取り組む方向けに、パートごとの対策をどのような順番で進めたらいいのかを紹介していきます。

英語の学習自体を始めてまもない場合は、基礎が一番大事なので、あくまで文法、単語、発音の基礎を中心として学んだ後、TOEIC対策としてはどこから対策していくかという内容になります。

Taku

これまで200名以上の方の学習の伴走をしてきましたが、基礎を飛ばしてTOEIC対策だけをするのは却って効率が悪いことばかりでした。どんなに急いでいても、基礎が一番重要であることは忘れないでください。

言語能力というものは、短いものから長いもの、簡単なものから複雑なもの、というステップを踏んで成長していくもので、この成長過程に沿った適切な課題を適切なタイミングでこなしていくのが効率の決め手になります。

最初から難しいものに取り組むことは効率をさげますので、現状のレベル+1くらいを常に触り続けるのが鉄則です(この鉄則は第二言語習得研究に重大な功績を残したKrashenという学者によると”i+1”と呼ばれています)。

TOEICはリスニング、リーディングそれぞれPartが進んでいくごとに文が長くなり、難易度が上がっていきます。というわけで、基本的にはPartの番号順に学んでいくのが良いでしょう。

リスニングはPart1・2から

リスニングに関しては、Part1,2の対策から始めましょう。短い文を聞いていく課題であるため、 細かいリスニングの練習に特化できるからです。練習としても文が短く取り組みやすいですし、長くなればなるほど当然難しくなるので、まずは短文レベルのものをしっかり処理できるようにするのがポイントです。先述のディクテーションなどが有効でしょう。

発音の基本的な知識がある状態であれば、Part2のディクテーションを100問ほど実施すると、細かい部分も含めて聞こえる音がかなり増えてきます。そのくらいのレベルになったら、文全体の意味を把握していく練習として、Part3,4の練習に移りましょう。問題を解いて、シャドーイングや音読で仕上げていくようなイメージになります。

リーディングはPart5から

リーディングはPart5から対策を始めましょう。文法、語彙の力を直接測るセクションのため、Part5の対策は基礎の強化の他、TOEICで頻出の慣用句や語彙などの知識の強化に直結します。長文を読んでいくにあたって必要となる文構造を把握しながら読む力も身につくでしょう。

Part5では高難度の語彙が出題されることもあり、語彙の学習も無視できません。もし中学文法の習得にまだ自信がない場合は、初心者向けのPart5対策本も発売されているので、無理せず自分のレベルにあったものを使うのが一番です。徐々に難易度をあげていくことで、語彙に惑わされることなく文構造を分析する力がつくので、上達が早いでしょう。

Part5で鍛えることができる精読のスキルは全ての基本になります。速読術や重要な部分の把握などのテクニックは、精読をしなくても良い読み方ではなく、精読をできた上で、さらに効率的に読むためのツールという立ち位置になります。Part6, Part7の対策に突入してからも、このポイントは忘れないようにしてください。Part5で文を文として読む力がついてから、Part6,7の解き方や読むスピードを意識するようにすれば大丈夫です。Part6, Part7の対策では、ジャンルによって重要な情報が乗っている部分が違うので、ジャンルごとの読み方の確認をすることが必要です。Part7対策では、新聞、メール、チャット、商品レビューなど生活の中で出会う様々なジャンルの読み物に触れておきましょう。自分の得意なジャンルや注意が必要なジャンルの把握にも役立ちます。

【初心者向け】パート別の具体的な対策

このセクションでは、パートごとの傾向と対策をさらに細かくみていきましょう。TOEIC各パートの具体的な注意ポイントなど解説していきます。

Part1の具体的な対策

印刷された写真について流れる英文から最も適しているものを選択する問題が6問出題されます。シンプルな問題ですが、細かい時制に気を付けてリスニングしましょう。

写真の描写なので、変化の様は描かくことができません。

問題の具体例

”The lines are being painted on the ground(地面に線が引かれているところだ)”だと、写真の中で誰かが線を引いているということになります。
地面に線が描かれていても、すでにそこにあるものではれば現在進行形にはならないので、選ばないようにする必要があります。

と言うわけで、時制、受け身など動詞の細かいニュアンスを表す表現を確認し、注意しておきましょう。

Part2の具体的な対策 

短文の質問とそれに対する回答が3択でながれ、最も適切なものを選ぶ問題が25問出てきます。質問と選択肢は印刷されていないので、すべて音声だけで答えていかなくてはいけません。一発で細かく正確に聞き取る能力が求められます。

文脈が読めない短文を聞かなくてはならないので、簡単そうに見えて実はかなり正確なリスニング力が求められるパートです。たとえば、cofeeとcopyなど、発音が似ているけど意味が全然違う単語も、文脈があれば間違えるはずがないと思いがちですが、文脈のない中でいきなり出てくると聞き間違えてしまう可能性があります。このような発音が似ている単語は、パート2ではよくひっかけで出題されています。

パート2については、質問の最初に出てくる疑問詞を聞き逃さないようにするのが有効な手段であるとよく言われていますが、直接質問に答えないパターンも近年増えているようです。

問題の具体例

”Who is going to give a presentation today?(今日プレゼンするのって誰?)”という問に対して、正解の選択肢が”I don’t know”である場合などもあります。

このように似ている発音でのひっかけや、間接的な回答についても瞬時に対応するためには、やはりディクテーションなどで細かい音の聞き取りを鍛えておくのが着実でしょう。また、会話で使われるイディオムなども基本的なものは確実に押さえておく必要があります。

Part3の具体的な対策

2,3人の対話を聞いたあと、会話の内容についての問いが3つ流れます。会話が13個流れ、全体で39問に回答する必要があるパートです。

パート3はパート1、パート2に比べて聞く分量が長くなるため出題で問われるところを落とさないように全体の意味を把握しながら聞いていく必要があり、そのための対策としては問題を先に読んでおくことが挙げられます。

問題が流れるまでの数秒間の間に、問題の疑問詞だけでも目を通しておくことによって、少しでもどんなことが話されるのかを予測できる状態にしておきましょう。

Part4の具体的な対策

一人の話者によって話される30秒くらいの音声を聞き、内容について三つの問いに答えていく形式です。10個の独話がながれ、質問が3つずつ出題されるので、全部で30問の問題に答えていきます。

出題形式はパート3とパート4は同じなので、対策としては問題の先読みが有効です。また、パート4では出題される独話のジャンルは、スピーチ、ラジオDJ、ミーティング、留守電など限られたもので、自分が何を聞いているのかが把握できると意味も取りやすくなります。

問題を先読みするほか、各問題の音声が流れる前に”Question 74 to 77 refers to the following exerpt from a meeting / radio program / speech(問題74から77までは、…の抜粋に関するものです)”という表現で、話のジャンルが説明されます。こちらも聞いておけると、聞きやすさがいくらか変わってくるでしょう。

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パート3,4で問題の先読みをする際は、慣れないと全体を読むのは難しいです。疑問詞だけでも確認できると、気をつけて聞かないといけないポイントが絞れるので、最初のうちは全部を読もうするするのではなく、聞かないといけないポイントをチェックするつもりで目を通しておきましょう。

Part5の具体的な対策

パート5はいわゆる文法問題です。パート5は全部で30問あり、文の空欄に対して最も適切なものを選ぶ一文一答式の四択問題です。

文法の穴埋め問題を解いていくには、文法の知識が不可欠になります。特に文型や品詞の知識を持っておくことで、形の上から空欄に何詞が入るのが適切なのかを選べるようにしておきましょう。文型や品詞の知識と文法の知識を組み合わせることで、文法問題はパズルのような感覚で答えを絞り込むことができます。

さらに、単語力をつけて構造を理解した上で単語の理解も強固にできれば、意味の側面からの吟味が可能になります。文型、文法から形式の判断をすること、文の内容から意味の判断をすること、この二軸で判断できることが文法穴埋め問題の正解率を高めてくれます。

パート5は文を理解するために必要な知識が求められる重要なパートです。リーディングセクション全体に関わる重要な知識を問われるので、対策は丁寧に行いましょう。

一方、空欄と選択肢をみただけで瞬時に答えられる熟語の問題なども混ざってきます。単語や熟語の知識もおそろかにせず勉強しておくことで、パート5を得点源にしていきたいですね。

Part6の具体的な対策

パート6は、長文を読み、空欄を埋める問題です。4つの長文を読み、それぞれ文中に空欄が4つずつありますので、全部で16問に回答します。

パート5と同じように、文構造、文法知識で解ける問題もあれば、前後を読んで文脈に即した回答を求められる問題もあります。2,3文以上読まないと解決できない問題もありますので、正確かつ流暢な読みが求められます。ペースを崩さずに理解できる力を、音読などで鍛えておきましょう。

また、英文解釈の問題集などをこなすことで、文構造に引っかからずに意味を繋げて文を読む練習をしておくと、リーディングの基礎が鍛えられます。

Part7の具体的な対策

パート7はTOEICの中で触れる英語の量も問題数も最大です。一番時間がかかるところでもあり、しっかり解き終わりなお時間に余裕がある方は、それだけで英語力の水準が高いと言えるパートです。

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200名以上に英語コーチングを提供してきた筆者の経験からすると、part7を解き終わるという方は、800点台以上の方が多い印象です。

問題数は全部で54問、問題は、一つの文書を読むスタイルから、合計3つの文書をいっぺんに読んで情報を整理して解くもの(いわゆるトリプルパッセージ)まであり、各文章に3問から5文の設問が用意されています。

インスタントに使える対策としては、設問を先に読んでから問題に取り掛かることが挙げられます。part7の設問は、文書の中に答えが出てくる順番に並んでいることが多いので、一文ずつ設問をみて、回答を探していくという解き方も可能です。

ですが、トリプルパッセージなどになってくると全体の情報を集約して答えないといけないものも出てくるので、この解き方だけでは限界があります。最終的には正確かつ流暢なリーディングスキルを身につけるのが一番効果的です。文法、語彙から長文読解の練習まで丁寧に練習を積み重ねていきましょう。

【初心者におすすめ】TOEICの参考書

最後にTOEICに慣れていない方を対象に、問題形式への慣れや解き方まで含めて練習でくる参考書を紹介していきます。

公式問題集

TOEICのテスト開発機関であるETSが、実際のテストと同じプロセスで作成した問題を収録した公式TOEIC Listening & Reading 問題集シリーズ。実際のテストと同じ開発者が同じプロセスで作成しているので、TOEICの問題集としてのクオリティは非常に高いと言えるでしょう。

2023年11月現在全部で10冊が出ていますが、基本的に最新のものを手元に置いておくことをお勧めします。本番と同様の難易度なので自分のスコアを知るための模擬試験としても使えますし、力試しには非常に強力な教材になっています。

公式問題集5以降はPart7の長文問題も音声が聞けるようになっているので、リーディングについても音声を用いた復習が可能です。

はじめて受ける TOEICテスト パーフェクト入門

こちらはPart1からPart7までを一冊でパートごとに学習できる参考書です。テスト形式、解き方のコツ、例題などパートごとに必要なスキルや着眼点が身につけられるので、網羅的に一冊で学びたい方にお勧めです。

600点から730点くらいのレベルを目指す方の入門として人気の高い一冊です。

神速シリーズ

大人気講師・関正雄先生によるTOEIC対策のシリーズです。単語、文法、リーディング、リスニングなどのジャンルごとに、英語の解説はもちろんのこと、問題を特に当たって注意すべきポイントや解き方の解説まで非常に密度の濃い練習ができるシリーズ。

ジャンルごとにクオリティの高い問題で対策がじっくりできる点がおすすめです。

まとめ

というわけで、様々な側面からTOEICの対策について紹介してきました。ディクテーション、シャドーイング、単語、文法、音読など様々なトレーニングが出てきましたが、すべて効果と注意点があり、適材適所で適切なレベルの教材でトレーニングが積み重ねられれば、時間がかかっても英語力は確実に伸びていきます。

Taku

レベルにあったもので楽しく継続することが、長期的に見てももっとも大事だとも言えます。ぜひ目標点数を獲得して、その先に思い描いている英語を使って成し遂げたいことを叶えていってくださいね。


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ABOUT US
須藤拓
国際基督教大学 国際教養大学専門職大学院にて言語教育を専攻。オーストラリアやデンマークの教育機関でコースデザイン(カリキュラム設計)、日本語指導を経験。帰国後は2022年春まで大手英語コーチングスクールにて、90日でTOEIC490点UPなど屈指の業績を残すだけでなく、社員向けの教務研修も担当。