この記事だけで「有(yǒu)」と「在(zài)」の全体がちゃんと分かるように、動詞以外の使い方も含めて網羅的に説明をしていきます。一緒に「有(yǒu)」と「在(zài)」を学んでいきましょう!
この記事の内容は動画でも解説しているので、ぜひこちらの動画でも確認してみてください。
「有」の使い方
まずは「有(yǒu)」の使い方から説明していきます。ここでは「有(yǒu)」の使い方・ポイント6つを紹介します。
- 基本の意味「持ってる」
- 場所を主語にして存在を表す
- 否定はいつでも「没」を使う
- 「有」を使った疑問文(吗、反復疑問文、疑問詞疑問文)
- 名詞とセットで形容詞を作ることもある
- 「有(一)点儿」とは
基本の意味「持ってる」
まず基本の意味として、「有(yǒu)」は所有の意味を表すことができる動詞として、「A+有(yǒu)+B 」で「AはBを持っている」という文を作ることができます。

例文
我有10块钱。(wǒ yǒu shí kuài qián)
私は10元のお金を持ってます。
目的語、つまり「B」のところにはモノだけじゃなくて、家族や友人などを入れることもできます。
我有三个哥哥。(wǒ yǒu sān ge gē ge)
私は3人の兄を持ってます。(私には3人の兄がいます。)
これが「有(yǒu)」の一番基本になる使い方なので、必ず覚えておきましょう。
場所を主語にして存在を表す
「有(yǒu)」は主語を場所にすることで「その場所が人やモノを持っている」、つまり「その場所に人やものがいる/ある」という意味を表すことができます。

例文
教室里有3个学生。(jiào shì lǐ yǒu sān ge xué sheng)
教室の中が3人の学生を持っています。
(教室の中に3人の学生がいます。)
桌子上有一本书。(zhuō zi shang yǒu yì běn shū)
テーブルの上が一冊の本を持っています。
(テーブルの上に一冊の本があります。)
場所が「持ってる」というと、なんだか擬人化してるような感じですが、場所がそれを持ってるということ=その場所にそれらがあるということですね。
否定はいつでも「没(méi)」を使う
今度は「有(yǒu)」の否定形についてです。基本的に動詞を否定する時には「不(bù)」や「没(méi)」を使いました。これらの使い分けについては「不(bù)」と「没(méi)」の記事でこまかく解説してるので、ぜひ見てみてください。
「有(yǒu)」も動詞なのですが、「有(yǒu)」を否定する時は他の動詞と違い、必ず「没(méi)」を使い、「没有(méi yǒu)」にします。

また、カジュアルな日常会話では、「没有(méi yǒu)」は「没(méi)」と省略することが多いです。
我没有钱(wǒ méi yǒu qián)
⇒我没钱(wǒ méi qián)
有を使った疑問文(吗、反復疑問文、疑問詞疑問文)
疑問文の作り方は3つの方法があります。
- 吗疑問文(文末に「吗(ma)」をつける)
- 反復疑問文(述語の肯定と否定を並べる)
- 疑問詞疑問文(知りたいところに疑問詞を置く)
吗疑問文(文末に「吗(ma)」をつける)
まずは吗疑問文ですが、シンプルに文末に吗をつければOKです。

反復疑問文(述語の肯定と否定を並べる)
反復疑問文は少しだけ注意が必要です。反復疑問文は、述語の肯定と否定を並べて言うのですが、「有(yǒu)」の否定は必ず「没有(méi yǒu)」を使うので、肯定の「有(yǒu)」と否定の「没有(méi yǒu)」を連続で言って「有没有(yǒu méi yǒu)」とします。

「有不有(yǒu bù yǒu)」とは言えないので注意しましょう。
疑問詞疑問文(知りたいところに疑問詞を置く)
你有苹果。(nǐ yǒu píng guǒ)
あなたはリンゴを持っています。
リンゴの部分がわからずに、「あなたは何を持ってるの?」と聞きたい時には、「何」という意味の疑問詞「什么(shén me)」を置きます。

他にも少し応用で、数の部分を聞きたければ、数を聞く時の疑問詞「几(jǐ)」を使って聞くことができます。
你有三个苹果。(nǐ yǒu sān ge píng guǒ)
あなたは3つのリンゴを持っています。
⇒你有几个苹果?(nǐ yǒu jǐ ge píng guǒ)
あなたは何個リンゴを持ってますか?
名詞とセットで形容詞を作ることもある
「有(yǒu)」は名詞と組み合わせて、性質や特徴を表す形容詞のように使うことがあります。

こうしたフレーズは形容詞のように使えるので、「今天很热(jīn tiān hěn rè)」などの形容詞述語文のように前に「很(hěn)」をつけることもできます。
例文
「彼はかなりの金持ちだ」
他很有钱(tā hěn yǒu qián)
「とても我慢強い人」
很有耐心的人(hěn yǒu nài xīn de rén)
有一点儿とは
最後に少しおまけのような内容ですが、「少しの」を意味する「一点儿(yì diǎn er)」と組み合わせて「有一点儿(yǒu yì diǎn er)」という表現ができます。会話では「一(yì)」が省略されて「有点儿(yǒu diǎn er)」の形になることが多いです。

使い方は大きく2つで、1つ目が「有(一)点儿(yǒu (yì)diǎn er)+名詞」で「少しの◯◯がある」の意味になります。
例文
这里有(一)点儿钱。(zhè lǐ yǒu (yì)diǎn er qián)
ここに少しのお金がある。
2つ目は「有(一)点儿(yǒu (yì) diǎn er)+形容詞」で「少し~だ」「ちょっと~だ」という意味です。多くの場合、その状態が望ましくないというネガティブな意味合いを含みます。
例文
这件衣服有(一)点儿贵。(zhè jiàn yī fu yǒu (yì) diǎn er guì)
この服はちょっと高い。
ネガティブな意味合いと言いましたが、場合によっては必ずしもネガティブではないケースで使うこともあります。例えば、自分の期待値や他の何かなど、ある基準に対してそれよりは「少し◯◯だ」というような時にはポジティブな言葉とセットで使われることもあります。あくまでもネガティブな意味合いが含まれることが多いんだと覚えておきましょう。
理解度チェック
以下の単語を使って指定された文を作ってみましょう。全部で4問出題します。
- 我(wǒ):私
- 这里(zhè li):ここ
- 教室(jiào shì):教室
- 里(lǐ):(~の)中
- 书(shū):本
- 兄弟姐妹(xiōng dì jiě mèi):兄弟と姉妹
- 学生(xué sheng):学生、生徒
- 有(yǒu):持っている、ある、いる
- 没有(méi yǒu):持っていない、ない、いない
- 两本(liǎng běn):2冊
- 三个(sān ge):3個/3人
- 吗(ma):疑問を表す
問題①
「私は2冊の本を持っています。」
「我有两本书。」
問題②
「ここに3人の学生がいます。」
「这里有三个学生。」
問題③
「教室の中に学生はいません。」
「教室里没有学生。」or「(カジュアルな会話で)教室里没学生。」
問題④
「あなたは兄弟はいますか?」
「你有兄弟姐妹吗?」or「你有没有兄弟姐妹?」
「在」の使い方
ここまで「有(yǒu)」という動詞について解説してきましたが、ここからは「在(zài)」について大きく5つのポイントを解説していきます。
- 基本の意味は「いる」「ある」という所在
- 前置詞として「~で」という場所を表す
- 副詞として動作の進行を表す
- 在(zài)の否定形
- 在(zài)の疑問文(吗疑問文、反復疑問文、疑問詞疑問文)
では早速みていきましょう。
基本の意味は「いる」「ある」という所在
「在(zài)」は所在の意味を表すことができる動詞として、「A+在(zài)+B 」で「AはBという場所ににいる/ある」という文を作ることができます。

主語であるAが「どこに存在するのか」に注目した表現です。
例えば、「我在公司(wǒ zài gōng sī)(私は会社にいる)」というのは、「我(wǒ)」つまり「私」の存在する場所に注目していて、それが「公司(gōng sī)(会社)」という文です。
前置詞として「~で」という場所を表す
続いて「在(zài)」は前置詞として、動作が行われる場所を表すこともできます。

この場合「在(zài)」は動詞ではなく「前置詞」に分類されるので、英語でいうと「at」「in」と考えるとわかりやすいかもしれません。ただ場所が違いますね。「at」「in」は全部文末ですが、「在(zài)+場所」は動詞の前に置きます。
例文
我 在教室里 学习。(wǒ zài jiào shì lǐ xué xí)
私は教室の中で勉強する。
我 在公司里 工作。(wǒ zài gōng sī lǐ gōng zuò)
私は会社の中で仕事をする。
ただ、前置詞と言っても、元動詞が今は前置詞になっているというものなので、動詞のように考え「私は教室の中にいて、そして勉強する。」「私は会社の中にいて、そして仕事をする。」のように考えることもできます。
副詞として動作の進行を表す
「在(zài)」は動詞の前に置いて、副詞としてその動作が今まさに行われているということを表せます。

例文
我吃饭。(wǒ chī fàn)
私はご飯を食べます。
この動詞「吃」(食べる)という動詞の前に「在」を置きます。
我在吃饭。(wǒ zài chī fàn)
私はご飯を食べています。食べている最中です。
他们在看电影。(tā men zài kàn diàn yǐng)
彼らは映画を見ています。見ている最中です。
これも「在(zài)」の基本のイメージである「◯◯にいる」「◯◯にある」という感覚で、今まさに「吃饭(chī fàn)」という動作状態の中にいる、今まさに「看电影(kàn diàn yǐng)」という状態にあるんだという捉え方をすると理解がしやすいかもしれません。

前置詞として使ってるのか副詞として使ってるのかということについては、「在(zài)」の位置を考え、後ろに場所がきてさらに動詞が来たら前置詞、後ろに直接動詞が来たら副詞として使っていると捉えると良いです。
在の否定形
「在(zài)」は「不(bù)」と「没(méi)」の両方で否定することができます。
「不(bù)」で否定-「その場所に存在しない」「その意思はない」
「没(méi)」で否定ー「その事実はない」という意味です。

文法的にはどちらも使うことができます、意味もすごく似てます。ただ、「我没在家(wǒ méi zài jiā)」というとその事実が無い、あるいは無かったということの強調になります。
もし警察にアリバイの確認で「你今天上午八点的时候在家吗?(nǐ jīn tiān shàng wǔ bā diǎn de shí hou zài jiā ma?)」(あなたは今日午前8時、家にいましたか?)と聞かれ、その時間家にいた事実はありませんと強調したいのであれば「没(méi)」を使います。
また、気になった人もいるかもしれませんが、この在の否定「不在(bú zài)」「没在(méi zài)」は今のことでも過去のことでも使えます。もし未来の話であれば「不在(bú zài)」のみを使います。
そして、前置詞の「在(zài)」を否定する場合は、「在(zài)」の前に「不(bù)」「没(méi)」を置くことで否定ができます。

日本語の感覚でいくと「私は今日家で食事をしない」はまず「私は今日家で…」ということで、我今天在家(wǒ jīn tiān zài jiā)とつくる、その後「食事をしない」=不吃饭(bù chī fàn)
つまり、我今天在家 不吃饭。(wǒ jīn tiān zài jiā。bù chī fàn)という文を作ってしまいたくなるかもしれません。
基本的に「不(bù)」はその後ろ全体にかかる否定です。「家でご飯を食べない」というように「家でご飯を食べる」ことを否定したい時には前置詞としての「在(zài)」の前に「不(bù)」を置きます。
もし動詞の前に「不(bù)」を置くと、その前の「家で」はしっかりいきます。
我今天在家 不吃饭,看书。(wǒ jīn tiān zài jiā bù chī fàn,kàn shū)
私は今日家で ご飯を食べずに本を読みます。
家にいることはいて、その上で家で「ご飯は食べない」「本を読む」というようなシーンであれば前置詞ではなく動詞の前に「不」を置くこともできます。ただ、ちょっと特殊なケースの応用編だと捉えると良いですね。
在を使った疑問文(吗、反復疑問文、疑問詞疑問文)
続いて疑問文の作り方ですが、これは「有(yǒu)」と同じように3つの方法があります。
- 吗疑問文(文末に「吗(ma)」をつける)
- 反復疑問文(述語の肯定と否定を並べる)
- 疑問詞疑問文(知りたいところに疑問詞を置く)
吗疑問文(文末に「吗」をつける)
あなたは家にいます。
你在家。(nǐ zài jiā)
文末に「吗」をつけます。
你在家吗?(nǐ zài jiā ma?)
「あなたは家にいますか?」

反復疑問文(述語の肯定と否定を並べる)
「在(zài)」の反復疑問文は「在不在~(zài bú zài)」と「在没在~(zài méi zài)」の両方の形をとることができます。
「在不在(zài bú zài)」は「その場所に存在するか?(所在を表す場合)」「その意思があるか?(前置詞で場所を表す場合)」「その動作をしているか?(進行を表す場合)」
「在没在(zài méi zài)」で否定する場合は全て「その事実があるか?」という意味の疑問になります。

次に前置詞として場所を表す場合は以下のようになります。

そして、動詞の前に置いてそれが今まさに行われてることを表す場合は、このようになります。

疑問詞疑問文(知りたいところに疑問詞を置く)
你在家。(nǐ zài jiā)という文の「家(jiā)」の部分がわからなくて「あなたはどこにいるの?」と聞きたい場合は、場所を聞く疑問詞「哪儿/哪里(nǎ er /nǎ lǐ)」を知りたい場所、つまりここでは「家(jiā)」に置きます。

理解度チェック
以下の単語を使って指定された文を作ってみましょう。全部で6問出題します。
- 我(wǒ):私
- 你(nǐ):あなた
- 这里(zhè li):ここ
- 教室(jiào shì):教室
- 里(lǐ):(~の)中
- 学生(xué sheng):学生、生徒
- 哪里/哪儿(nǎ lǐ / nǎr):どこ
- 饭(fàn):ご飯
- 吃(chī):食べる
- 学习(xué xí):勉強する
- 在(zài):いる、ある、~ている
- 不(bù):否定を表す
- 没(mé):否定を表す
問題①
「私は教室の中にいます。」
「我在教室里。」
問題②
「教室の中で勉強する」
「在教室里学习」
問題③
「私はご飯を食べています。」
「我在吃饭。」
問題④
「私はご飯を食べていません。」
「我不在吃饭。」or「我没在吃饭。」
問題⑤
「あなたはご飯を食べていますか?」
「你在吃饭吗?」or「你在不在吃饭?」or「你在没在吃饭?」
問題⑥
「あなたはどこにいますか?」
「你在哪里?」or「你在哪儿?」
「有」構文と「在」構文との違い
ここまでの説明で、「有(yǒu)」と「在(zài)」は似てるな~と思った人もいますよね。特に、同じように場所を表す以下の二つの文はよく混乱してしまいがちです。

ただ、この二つには明確な違いがあります。
①の「有(yǒu)」構文はその場所に「何が存在するのか」という方に注目し、
②の「在(zài)」構文は特定のものが「どこに存在するのか」という場所に注目します。
例文
这里有一个钱包(zhè lǐ yǒu yí ge qián bāo)
ここに一つの財布がある
「ここに何がある?」という「何」の部分に注目していて、その答えとして「ここに一つの財布がある」という意味です。他の例文を見てみましょう。
例文
你的钱包在这里(nǐ de qián bāo zài zhè lǐ)
あなたの財布はここにある
「あなたの財布はどこにある?」という「どこ」に注目していて、その答えとして「あなたの財布はここにある」の意味です。
ですので、「有(yǒu)」の方は「何」に注目、「在(zài)」の方は「どこ」に注目した表現と言えます。
また、疑問詞の「哪儿(na er)」(どこ)を使った以下の文も同じような意味に感じられるかと思いますが、これもまた違いがあります。
例文
便利店在哪儿?(biàn lì diàn zài na er?)
コンビニはどこにありますか?
最初に「便利店」が頭に浮かんでて、それがどこにあるの?ということなので、話をしている人の頭の中に特定のコンビニがもうあるか、あるいはどこかにコンビニがあることは知っている/確信している状態で、それがどこにあるの?というニュアンスになります。
哪儿有便利店?(na er yǒu biàn lì diàn?)
どこにコンビニがありますか?
一方でこの場合、最初にきてるのは哪儿(どこ)なので、これは特定のコンビニがあったり、絶対コンビニあるはずだよね、というニュアンスがなくなります。
さらに、哪儿有便利店?(na er yǒu biàn lì diàn?)は反語的に「どこにコンビニがあるの?」「ないよ!」という意味でも使います。
シチュエーションの例として、何も無い土地で、「寒いね、でもコンビニでコーヒー買えばいいじゃん」と言われて、「ふざけないで!コンビニなんてないよ!」と怒る時にこの「哪儿有便利店?(na er yǒu biàn lì diàn?)」(どこにコンビニなんかあるんだ!ないよ!)がピッタリです!
理解度チェック
以下の単語を使って指定された文を作ってみましょう。全部で2問出題します。
- 你(nǐ):あなた
- 这里(zhè li):ここ
- 哪里/哪儿(nǎ lǐ / nǎr):どこ
- 钱包(qián bāo):財布
- 三个(sān ge):3個/3人
- 有(yǒu):持っている、ある、いる
- 在(zài):いる、ある、~ている
- 的(de):~の
問題①
「あなたの財布はどこにありますか?」
「你的钱包在哪里?」or「你的钱包在哪儿?」
問題②
「ここに3つの財布があります。」
「这里有三个钱包。」
まとめ(まずはこれだけおさえておこう!)
いったんまずはこれだけ覚えておこうというのは以下の3点です!



今回は「有(yǒu)」と「在(zài)」についてたっぷり学びました。
一回で完璧に覚えて使いこなすのはなかなか難しいので、この記事を繰り返し読んでしっかり自分のものにしていきましょう。
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今回は中国語の中でもちょっと変わった動詞「有(yǒu)」と「在(zài)」について解説します。