ピンインには声調符号といって、声調を表す記号(ˉˊˇˋ)がついてますよね。
この声調記号はピンインのどこに付けるのでしょうか?
いつも真ん中というわけではなさそうだし…混乱してしまうという方もいるかと思いますので、この記事では声調符号をどこにつけるのかについて説明します。
まず中国語の音節構成を再確認
結論としては、声調符号は原則、音節の中で口を一番大きく開く母音の上に付けるのですが、その前に中国語の音節構造を確認しておきましょう。
中国語の音節は「子音と母音(or母音+鼻音)」で成り立っています。
更に、その母音は以下の表のように「介音・主母音・尾音」の3パーツで成り立っています。
パターン | 例 (漢字) | 子音 | 介音 | 主母音 | 尾音 |
---|---|---|---|---|---|
子音なし | 要 | i | a | o | |
介音なし | 考 | k | a | o | |
尾音なし | 家 | j | i | a | |
介音 尾音なし | 拿 | n | a | ||
主母音 尾音なし | 几 | j | i |
声調は音節全体にかかるものですが、表記する際には声調符号を1つの場所に決めて付けることになります。
具体的に声調符号はどこにつけるの?
では具体的に声調符号はどこにつけるのかというと、子音+母音(介音・主母音・尾音)のうち、原則として主母音はどの音節にもあるので、音節の中から主母音、つまり、その音節の中で口を一番大きく開く母音に声調符号をつけます。
そうなると主母音を探し出す力が必要になりますよね。
なので、ここからは声調符号をつける位置、つまり主母音になる音のルールを説明します。以下のとおりなので、これを覚えてしまいましょう。
母音が1つの場合
母音が1つということは、それが主母音なので、迷わずその母音に声調符号を付ければ良いです!
[ na ]であれば[ a ]につけるとし、[ ji ]であれば[ i ]につけるいうことですね。これはそれほど難しくないかと思います。
※[ i ]に声調符号をつけるときは上の点は外します
母音が2つ以上ある場合
これが問題ですね。母音が2つ以上ある場合、どれが主母音かというのは、以下のルールで決まります。そして、その主母音に声調符号を付けることになります。(テキトーじゃないんですね)
- [ a ]があれば[ a ]につける(例:jiā)
- [ a ]がなければ[ o ]か[ e ]につける(例:·gǒu、jiè)
※[ o ]と[ e ]が一緒に出てくる音節はありません - [ iu ]もしくは[ ui ]の場合は後ろにつける(例:jiǔ、suì)
単母音の練習をするとき、一般的には[ a ]→[ o ]→[ e ]→[ i ]→[ u ]→[ ü ]という順番で練習をすると思いますが、実はこの順番が主母音を決める優先順なんです。
何で[ i ]と[ u ]が並んだ時は後ろにある方に声調符号を付けるの?
これはルールを覚えてしまえば必要のないことかもしれませんが、なぜ[ iu ]もしくは[ ui ]の場合は後ろにつけるのかということを念の為説明しておきます。
[ jiu ]という表記を例にとると、これは本来[ jiou ]というように、間に[ o ]が入っているのですが、子音が付くと[ o ]の音は聞こえにくくなり、表記としても[ jiu ]という表記になります。上述した声調符号を付けるルールに基づくと、本当は[ jiou ]であれば主母音にあたる[ o ]につけたいのですが、その表記が消えてしまうので、後ろの[ u ]につけます。
[ sui ]も同じで、本当は[ suei ]というように、間に[ e ]が入っているのですが、子音がつくことで[ e ]の音は聞こえにくくなり、[ sui ]という表記になるので、後ろにある[ i ]につけます。こうした実は実際の音と表記が違うんだよということは、まとめて知っておくと、今後の発音練習でも役に立つので、こちらの記事も確認しておくと良いです。
最後に
たかがピンイン表記、されどピンイン表記で、こうしたことが気になってしまうと集中できないという方もいるかと思います(全く気にならない人は、それはそれで良いと思うのですが)。その場合は、暗記までしなくても、一度ルールを知っておくだけでも次に進みやすくなるので、また迷ったら戻ってくるくらいの気持ちでどんどん進んでいただければと思います。
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