中国語を勉強していると同じ「de」なのにそれぞれ漢字の異なる「的、地、得」という3つの助詞が出てきます。これらはどう違って、どう使い分けるのか、混乱してしまいがちなので、この記事を最後まで読んでポイントを整理しておきましょう。
“的”〜名詞の前に置いて名詞を説明〜
“的”のメインで覚えておくべき使い方としては「名詞と、その名詞を説明する言葉を繋ぐ役割をする」ということです。(連体修飾語と被修飾語を結ぶ働きをするなんて言います。)
つまり、ものや人について「〜〜的」で説明しているフレーズです。
以下のように4つのパターンがあります。
- 名詞A+的+名詞B
- 動詞+的+名詞
- 形容詞+的+名詞
- フレーズ+的+名詞
1つずつ見て行きましょう。
名詞A+的+名詞B(〇〇の人・もの)
例)小李的手机(Xiǎo lǐ de shǒu jī)/李さんの携帯
手机(=携帯)について、誰のものかというと「小李(=李さん)のだよ」というのを「小李的」で表しています。このように「人+的+もの」となる場合はその人が所有しているものという意味になります。
「俺の金だぁ!」だったら「我的钱!」ですね。
この他、所有ではないですが「私の先生」というように「〜の」という説明をすることもできます。
例)我的老师(wǒ de lǎo shī)/私の先生
そして、家族や知人、所属機関などを表すときにはこの「的」は省略が可能です。
例)我哥哥(私の兄)、爸爸公司(父の会社)、你朋友(あなたの友達)など
動詞+的+名詞(〇〇した人・もの)
例)买的东西(mǎi de dōng xi)/買ったもの
东西(=もの)について、どんなものかというと「买(=買う、買った)やつなんだよ」というのを「买的」で表しています。
形容詞+的+名詞(〇〇な人・もの)
例)很大的房子(hěn dà de fáng zi)/大きな建物
房子(=建物)について、どんな建物かというと「很大(=大きな)やつなんだよ」というのを「很大的」で表しています。
フレーズ+的+名詞(〇〇××の/な/した人・もの)
例)还没成功的事业(hái méi chéng gōng de shìyè)/まだ成功していない事業
事业(=事業)について、どんな事業かというと「还没成功(=まだ成功していない)やつなんだよ」というのを「还没成功的」で表しています。
よく中国語の「的」は日本語の「〜の」だよと説明されることがありますが、これは一部で、上の例では①の「名詞A+的+名詞B」の場合だけで、その他のパターンでは「〜の」とは訳さずに、「的」の前の言葉で「的」の後の名詞がどんな名詞なのかを説明しているだけです。
複雑そうな、長い文章でも、この「的」の後は名詞だ!という視点をしっかり持っているとすごく読みやすくなります。
例えばですが、以下の文を見てみましょう。
例)屏幕上只有一个满脸络腮胡的中年男人。
なんか難しそうでやだなあと思っても、しっかりと”的”を見つけると、その後には名詞(人やもの)があって、その前には説明があるはずです。なので、この文はシンプルに言うと
屏幕上只有(一个满脸络腮胡的)中年男人。
つまり「屏幕上只有中年男人。」=「スクリーンには中年男だけがいる。」
で、どんな中年男かと言うと「一个满脸络腮胡的」=「1人の顔中もじゃヒゲの」
とわかるので、文章の意味をしっかりとつかむことができます。
長い文章で混乱しそうになったら、この”的”を見つけて後ろが人やものだと言う視点を忘れないようにしてみてください。
“的”の後ろの名詞は省略されることもある
“的”の後ろは名詞だとしつこく伝えてきましたが、この名詞部分は省略されることもあります。
例)这是我的。これは俺のだ。
これは本当は「俺のものだ。」と言いたいので、「这是我的东西。」と言うべきところですが、日本語同様に、文脈でわかる場合は省略されます。なので、もし”的”の後ろに名詞が無い場合は、何か省略されてないかな?と疑ってみてください。
“地”〜動詞の前に置いて動詞を説明〜
“地”は動詞と、その動詞を説明する言葉を繋ぐ役割をします。(ごく稀に非常地好など例外的に形容詞につくこともありますが、例外と考えて良いです。)
以下の例文では、動詞は”服务”(fúwù)=「サービスする、尽くす」ですが、それをどのように?ということを「非常热心地」=「とても一生懸命に」で説明しています。
例)非常热心地为大家服务。(fēi cháng rè xīn de wèi dàjiā fúwù.)/非常に一生懸命みんなのために尽くす。
この”地”は省略されることもあるので、少しずつ自分の中での省略できるもの、できないもののケースを増やしていきましょう。
また、”地”を使う連用修飾語は、動詞を限定するものではなく、様態を描写するような役割を担うことが多く、より生き生きとした表現ができるとも言えます。
“得”〜動詞の後ろに置いて補語を作る〜
“得”には大きく2つの用法があります。
- 程度補語・様態補語を作る
- 可能補語を作る
1つずつ見て行きましょう。
程度補語・様態補語を作る
メインで覚えておきたいのはこの補語としての使い方です。補語の中でも程度補語と様態補語があるので、両方まとめて覚えておきましょう。
程度補語
形容詞や一部の心理活動を表す動詞の後に置いて、その形容詞の程度を強調する補語を「程度補語」と言い「形容詞+得+その形容詞の程度」で文を作ります。
例)高兴得不得了。(gāo xìng de bù dé liǎo)/嬉しくてたまらない
例)忙得要命。(máng de yào mìng)/忙しくてたまらない
また、この程度補語には以下のように「得」を使わずにそのまま形容詞の後ろにつけるものもあります。
例)高兴极了。(gāo xìng jí le.)/ものすごく嬉しくて
例)累死了。(lèi sǐ le.)/死ぬほど疲れた
様態補語
動詞や形容詞の後ろに“得”を置き、動作の状態などを表します。
簡単に言うと、まずしっかりと動詞を伝えて、その後「その動詞って具体的にはどんななの?」というのを解説してるイメージです。例を見て見ましょう。
例)他做菜做得很好。(Tā zuò cài zuò de hěn hǎo.)/彼は料理を作るのが上手い
まず最初に「他做菜」と言い切ります。
そしてその後に「做」についてどんななのかというと「很好」なんだ、という文になってます。
なので、日本語にするとまあまどろっこしいですが「彼は料理を作る、作るってどんな感じでかというと、すごく良い感じに作るんだよ。」ということで、スッキリ言うなら「彼は料理が上手だ」と訳せます。
また、この文の作り方だと「做」という動詞が2回出てきて、やはりまどろっこしいので、以下の例文のように最初の動詞は省略することができます。
例)他(做)菜做得很好。
否定するときは“得”のあとに不を置きます。(この時は「很」をつけません。)
例)他(做)菜做得不好。
「彼は料理を作る、作るってどんな感じでかというと、良くないんだよ。」という言い方ですね。
動詞と結果補語の間に入って可能を表す
また、”得”は動詞と補語の間に入って「可能」を表します。
例えば、見て、その結果ちゃんと理解するというのは、見るという動詞の「看」にその結果を表す結果補語として理解するという意味の「懂」をつけて「看懂」としますが。この「看」と「懂」の間に”得”を入れると「見て理解できる」という可能を表します。
例)看得懂。(kàn de dǒng)/見て理解できる(可能!)
もう1つ同じパターンの例を見ておきましょう。
買うという動作の結果ちゃんとそのものに至る。つまり買うことをトライしただけでなく、入手まですることを表すのに動詞の「买」と結果補語の「到」を使って「买到」と言いますが、これも間に”得”を入れて可能を表します。
例)买得到。(mǎi de dào)/買える、入手できる(可能!)
この否定で不可能を表す場合には、以下のように”得”の代わりに”不”を使います。
例)看不懂。(kàn bu dǒng)/見て理解できない(不可能!)
例)买不到。(mǎi bu dào)/買おうとしても入手できない(不可能!)
最後に
ここまで”-的、-地、-得”3つの助詞について、その意味や使い分けについて説明をしてきました。この記事で”理解”はしていただけたかと思いますが、これらの助詞の使い方には例外も多く存在し、明確な法則性での説明が難しい項目でもあります。今後も実際の使われ方を意識しながら、自分の中に例外のストックを増やしていきましょう。
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