形容詞文でも「是」を入れることがある?中国語の形容詞文でたまに見る「是」の意味と使い方を解説

形容詞文は「是」を入れちゃダメ!と習った記憶がありますが、過去問に「今天是很热」のように形容詞文なのに「是」が入っている文章をたまに見かけて、混乱してしまいます。
形容詞文にも「是」を入れる場合があるのでしょうか?

ニャース

確かに形容詞文は「今天很热。」のように「是」を入れずに作れと習っているのに、「今天是很热」と使っているのを見ると訳が分からなくなりますよね。

でも、形容詞文にも「是」を入れる場合がいくつかあって、例えば「今天是很热」は「今日は確かに暑いが、でも…」という含みを持たせた文になります。

今回の記事では、形容詞文に入れる「是」の種類と意味、使い方を解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

形容詞文に入れる「是」の種類

以下は「是」が使われる形容詞文の一覧です。

解説に入る前に、まずご自身で「是」の意味がわかるかどうかチェックしてみてくださいね。

①今天很热,但是没办法。
②这件衣服贵贵,但是很适合我。
③这样做不对的。
④盐咸的,糖甜的,醋酸的。
⑤我真太幸福了。
⑥这片土地这样广阔,这样美丽。
⑦她这样年轻,这样坚强。
这本书好,还是那本书好?
⑨你说得很

以下のように、形容詞文に入れる「是」は全部で5種類あります。

逆接文で「確かに」を表す「是」:
今天很热,但是没办法。
这件衣服贵贵,但是很适合我。

強調構文「是~的」の「是」:
这样做不对的。
咸的,糖甜的,醋酸的。

口調を強める「是」:
我真太幸福了。
这片土地这样广阔,这样美丽。
这样年轻,这样坚强。

選択構文「是~还是~」の「是」:
这本书好,还是那本书好?

「是」自体が形容詞となる:
你说得很

次の章では、それぞれの「是」の意味や使い方を解説していきます。

形容詞文に入れる「是」の意味と使い方

逆接文で「確かに」を表す「是」

今天很热,但是没办法。
今日確かにとても暑いが、仕方がない。

这件衣服贵贵,但是很适合我。
この服は高いのは確かに高いが、私にとても似合っている。

この二文での「是」は「確かに」という意味です。

「確かに」というと「确实」が浮かぶ方もいると思いますが、「确实」はどこでも使える「確かに」で、「是」は「逆接文でしか使えない」という制限付きの「確かに」です。

日本でも反対意見を言う前に「確かに○○ではあるけれど」と一回相手の意見を認めて/受け止めてから反対意見を言うことがあると思いますが、まさにここの「是」と同じ使い方です。

「確かに」の「是」の使い方は形容詞を一回並べるものと、二回並べるものがあります。

①是 + 形容詞 + ,但是/就是/可是/不过~
確かに~ではあるが、でも~

②形容詞 + 是 + 形容詞 + ,但是/就是/可是/不过~
~であるのは確かに~であるが、でも~

※形容詞の前に「很」を入れることもできますが、「とても」のニュアンスが加わります。

例文の場合、「今天是很热,但是没办法」が①の使い方で、「这件衣服贵是贵,但是很适合我」が②の使い方です。

なお、①で使う場合は「是」のところを強めに発音してください(そうしなければ逆接文だとうまく伝わらない可能性があります)。

強調構文「是~的」の「是」

这样做不对的。
このやり方は間違っている。

咸的,糖甜的,醋酸的。
塩はしょっぱい、砂糖は甘い、酢は酸っぱい。

「是~的」構文を聞いたことはありますでしょうか。

この二文での「是」が正にいわゆる“強調構文”の「是~的」構文の「是」です。

「是~的」構文というのは、時間・場所・性質・判断など強調したい部分を「是」と「的」で挟むことで強調する構文です。

我是昨天来的。

私は昨日来た。

他是从东京来的。

彼は東京から来た。

「我是昨天来的」では、「私が来たのはほかの日ではなく、“昨日”だ」というニュアンスが含まれています。

「他是从东京来的」では、「彼がどこから来たのかというと、それは東京以外の場所ではなく、“東京”だ」というニュアンスが含まれています。

これらと同じように

「这样做不对的」では、「不对(間違っている)」という判断が強調されていて、

「盐咸的,糖甜的,醋酸的」では、「咸(しょっぱい)」「甜(甘い)」「酸(酸っぱい)」という性質が強調されています。

ちなみに、こちらの記事(中国語の【“是~的”構文】って何?具体的な使い方や文の作り方を例文付で解説 | courage-blog)で「是~的」構文について詳しく解説しておりますので、興味がある方はぜひこちらも読んでみてください。

口調を強める「是」

我真太幸福了。
私は本当に幸せすぎるわ!

这片土地这样广阔,这样美丽。
この土地はこんなにも広く、こんなにも美しい。


这样年轻,这样坚强。
彼女はこんなにも若く、こんなにも強靭である。
※「坚强」は「打たれ強くて、しっかりしている」の意味。

これらの「是」は「強勢」ともいわれる用法で、口調を強める働きをしています。そのため、日本語には訳せないことが多いです。


この「是」は話し言葉で使用することは少なく、日常でもよく用いられるものは「真是太~了」「真的是太~了」「实在是太~了」ぐらいしかありません。どれも「本当に~すぎる」という意味で、大差はありません。

今天真是太
今日は本当にすぎる

这个真的是太好吃
これは本当においしすぎる

实在是太
彼は本当に意地悪すぎる

書き言葉では「○○是这样地~」や「○○是多么地~」の形で使用されることが多く、どちらも感嘆文の構文です。「地」は時々省略されます。

她今天是这样(地)美丽。
彼女は今日こんなにも美しい。

这种行为是多么(地)高尚!
この行為はなんと高尚なことだろう

選択構文「是~还是~」の「是」

这本书好,还是那本书好?
この本がいいか、それともその本がいいか。

ただ選択の語気を表しているため、この「是」を単独で日本語に訳すことは難しいです。

使い方を公式で表すと次のようになります。

是 + A + 形容詞 + ,还是 + B + 形容詞

例:
我好,还是他好?
私がいいか、それとも彼がいいか。

「是」を省略することも可能で、意味は変わりません。

我好,还是他好?
私がいいか、それとも彼がいいか。

他帅,还是我帅?
彼がかっこいいか、それとも私がかっこいいか。

「是」自体が形容詞となる

最後に「是」自体が形容詞となる場合です。

你说得很。你说得很对。
あなたが言っているのはとても正しい

この「是」は文法項目というより単語で、「正しい」という意味です。やや古めかしい表現のため現代語ではあまり用いられず、どちらかというと文学作品昔のドラマで目(耳)にすることが多いです。

また、「对」とはほぼ同じ意味ではありますが、追究すれば「是」は「筋道が通っているから、正しい」で、「对」は「事実と合致しているから、正しい」というニュアンスの違いがあります。

まとめ

今回は5種類の形容詞文に入れる「是」を解説してきました。
改めて以下の文を理解できるかチェックしてみてくださいね。

①今天是很热,但是没办法。
②这件衣服贵是贵,但是很适合我。
③这样做是不对的。
④盐是咸的,糖是甜的,醋是酸的。
⑤我真是太幸福了。
⑥这片土地是这样广阔,这样美丽。
⑦她是这样年轻,这样坚强。
⑧是这本书好,还是那本书好?
⑨你说得很是。

「日本語→中国語」の作文問題も用意しましたので、作文できるか是非チャレンジしてみてください。

①これは確かにおいしいが、高すぎる。

②今日の試験は本当に難しすぎた。

③私は昨日行ったのだ(行ったのはほかの日ではなく、“昨日”だ)

④明日がいいと思いますか、それとも今日がいいと思いますか?

(答え)

①这个是好吃,但是/就是/不过/可是太贵了。
这个好吃是好吃,但是/就是/不过/可是太贵了。
(好吃→好喝としても正解)

②今天的考试真(的)是太难了。
今天的考试实在是太难了。

③我是昨天去的。
(是を省略しても正解)

④你觉得是明天好还是今天好?
你觉得明天好还是今天好?
(觉得→认为などでも正解)


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ABOUT US
ニャース
日本語・韓国語を独学で学んだ中国語ネイティブ。語学が大好きで、某語学学習アプリ制作会社で教材開発に一年半ほど携わった後、日本で留学をするために退職。趣味は翻訳、ゲーム、将棋など。「好きなことで生き、好きなことをやって人の役に立つ」がモットー。ライターとしても、学習者の役に立つことを強く意識して執筆、活躍中。