【2024年】中国のネット流行語トップ10!

ニャース

こんにちは!中国南方出身、日本在住のニャースです。

先日、2024年の十大流行語をご紹介しましたが、ネット流行語も発表されているので、一緒に見ていきましょう。

2024年度の十大ネット流行語
  • 1位:新质生产力(xīnzhì shēngchǎnlì)
  • 2位:《黑神话:悟空》(Hēi Shénhuà: Wùkōng)
  • 3位:人工智能+(réngōng zhìnéng jiā)
  • 4位:含金量还在上升(hánjīnliàng hái zài shàngshēng)
  • 5位:City不City(City bù City)
  • 6位:班味儿(bān wèir)
  • 7位:偏偏你最争气(piānpiān nǐ zuì zhēngqì)
  • 8位:浓人淡人(nóng rén dàn rén)
  • 9位:松弛感(sōngchí gǎn)
  • 10位:主理人(zhǔlǐ rén)

2024年度の十大ネット流行語:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1818247457443737660&wfr=spider&for=pc

この中で、私(中国南方出身)が知っている表現は、1、2、4、5、6、9でした。一方で、3、7、8、10は今回初めて知りました。

中国北方出身のネイティブにも確認してみたところ、知らなかったのは1と3で、他は全部見たことがあり、私の知らなかった7、8、10についてはSNSの「小红书」や「微博」で何度か目にしたことがあるとのことでした。

私自身は普段これらのSNSをあまり利用していないので、知らなかったのも納得ですね。

このように、地域や文化的な背景、そして利用するプラットフォームの違いによって、ネット流行語の認知度に差が出るのは興味深いですね!

それぞれの意味と例文を以下で説明・紹介しますので、一緒に勉強していきましょう!

新质生产力(xīnzhì shēngchǎnlì)

「新しい質の生産力」を指します。2023年度の10大流行語にも登場しましたが、2024年に行われた「中央政治局第十一次集体学习」という会議で習近平氏が再度強調したことで、流行語入りしたとのことです。流行語というよりは流行させたい語と言った方が良いかもしれません。

以下の使用例は、「中央政治局第十一次集体学习」の会議で習近平氏が実際に「新质生产力」について言及した言葉です。(正直なところ…意味が入ってきません💦)

习近平:发展新质生产力是推动高质量发展的内在要求和重要着力点
(Xí Jìnpíng: Fāzhǎn xīnzhì shēngchǎnlì shì tuīdòng gāo zhìliàng fāzhǎn de nèizài yāoqiú hé zhòngyào zhuólì diǎn.)
習近平「新しい質の生産力を発展させることは、高品質な発展を推進するための内在的な要請であり、重要な取り組みのポイントです。」

《黑神话:悟空》(Hēi Shénhuà: Wùkōng)

『黑神话:悟空』は中国企業が制作したアクションRPGで、西遊記を背景にした物語です。中国文化の要素がふんだんに取り入れられ、2024年8月の発売直後から世界中で大きな話題となり、中国伝統文化を世界にアピールする重要な作品とされています。

実際に使うときはフルネームではなく、「黑悟空(Hēiwùkōng)」と言うこともあります。

你玩黑悟空了没?
(Nǐ wán HēiWùkōng le méi?)
『黒神話悟空』をプレイしましたか?

人工智能+(réngōng zhìnéng jiā)

「人工智能+」は「人工知能(AI)と他業界との融合」を指します。2024年には「人工智能+」が中国政府の活動計画に取り上げられ、産業の高品質な発展に新たな原動力を提供しているとのことです。

これも「新质生产力」と同じく「流行語」ではなく、政府の「流行させたい語」の類なので、日常生活ではまず使いませんが、ネット記事や新聞記事のタイトルなどで目にすることがあります。以下はその一例です:

事关就业、人才服务!重庆将推动“人工智能+人社”应用场景
(Shì guān jiùyè, réncái fúwù! Chóngqìng jiāng tuīdòng “rén gōng zhìnéng jiā rénlì zīyuán hé shèhuì bǎozhàng” yìngyòng chǎngjǐng)
雇用や人材サービスに関わる重要事項!重慶は「人工知能 + 人力資源と社会保障」の応用シーンを推進予定

含金量还在上升(hánjīnliàng hái zài shàngshēng)

「含金量还在上升」は「価値がまだ上昇し続けている」という意味で、物や人の価値が再評価される現象を指します。

「含金量」とは元々「金(黄金)の含有量」という意味で、ネックレスなどのアクセサリーに使われる金属の中に含まれる「黄金」の割合を指します。この表現が「含金量还在上升」で使われる場合、金属の黄金ではなく、物や人に内在する価値を比喩的に表しています。

例えば、古い映画や小説のストーリーが現実を風刺していると再評価されたり、誰かが過去に言った言葉が現在の状況にぴったり当てはまったりすることがありますよね。これがまさに「含金量还在上升」の現象です。

十几年了,这部电影的含金量还在不断上升
(Shí jǐ nián le, zhè bù diànyǐng de hánjīnliàng hái zài búduàn shàngshēng.)
十数年が経っても、この映画の価値はまだ絶え間なく上昇し続けている。

City不City(City bù City)

「City不City」は「都市っぽいですか?」や「モダンですか?」という意味です。2024年の十大流行語で詳しく解説していますので、ご興味がある方はぜひこちらをご参照ください。

上海city不city啊?
(Shànghǎi city bù city a?)
上海はモダンですか?

班味儿(bān wèir)

「班味儿」または「班味」とは「仕事による疲労感やくたびれた雰囲気」のことを指します。2024年の十大流行語で詳しく解説していますので、ご興味がある方はぜひこちらをご参照ください。

傍晚的地铁上有很有班味儿
(Bàngwǎn de dìtiě shang hěn yǒu bānwèir.)
夕方の電車には濃厚な「仕事の匂い」が漂っている。

偏偏你最争气(piānpiān nǐ zuì zhēngqì)

「偏偏你最争气」というフレーズは、「思いがけずにあなたが一番頑張った」という意味で、期待されていなかった人や役割が見事に成功を収めたことを表す表現です。

「偏偏」は「よりによって」という意味ですが、ここでは「思いがけずに」のように意外性を強調しています。「争气」は「負けずに頑張る」「努力して結果を出す」という動詞です。

この表現は、他人に低く評価される中で何かを成し遂げたり、努力を通じて逆境を乗り越えた場面でよく使われます。例えば、周囲に「無理だ」と思われていた人が、意外にも成功を収めた際に「偏偏你最争气」と称えられることがあります。

他们都不看好你,可偏偏你最争气
(Tāmen dōu bú kànhǎo nǐ, kě piānpiān nǐ zuì zhēngqì.)
彼らはみんな、あなたは失敗するだろうと思っていたのに、意外にもあなたが一番努力して成果を出した。

このフレーズは、実際に最もよく目にする用例の一つで、周りの誰もが「失敗するだろう」と思っていた人が、意外にも成功を収めた場面で使われます。他人への称賛として使うこともあれば、自分自身を讃える「自画自賛」の文脈で使うこともあります。

浓人淡人(nóng rén dàn rén)

「浓人」「淡人」は、直訳すると「濃い人」「淡い人(薄い人)」で、性格や付き合い方の違いを表す表現です。熱心で外向的な人を「浓人(濃い人)」と、穏やかで内向的な人を「淡人(淡い人)」と呼ぶのが今年流行っていました。

你是浓人还是淡人
(Nǐ shì nóng rén háishì dàn rén?)
あなたは外向的な人ですか、それとも内向的な人ですか?

似た意味の新造語として、他にも「社牛 VS 社恐」や「e人 VS i人」が数年前から今年の初頭にかけて使われていましたので、あわせてご紹介します。

社牛 VS 社恐

「社牛」は「社交牛逼症」の略で、「非常に社交的で外向的な人」を指し、「社恐」は「社交恐惧症」の略で、「社交恐怖症」、つまり「社交が苦手で内向的な人」を意味します。

e人 VS i人

「e人」はMBTI診断における「外向型(e)」の人を指し、「i人」はその逆の「内向型(i)」の人を指す語で、やはり「外向的な人」と「内向的な人」を表しています。

「外向的な人」と「内向的な人」を普通に表現するなら「外向的人(wàixiàng de rén)」と「内向的人(nèixiàng de rén)」ですが、SNSではそのままだと少しインパクトに欠けるからか、毎年新しい言葉が生まれています。このような新造語が次々に登場しているのは、なんだか面白いですね。

松弛感(sōngchí gǎn)

「松弛感」とは、「焦らず怒らず、余裕がある様子」を指します。2024年の十大流行語で詳しく解説していますので、ご興味がある方はぜひこちらをご参照ください。

她的生活方式总是充满了松弛感,仿佛无论遇到什么困难,都能轻松解决。
(Tā de shēnghuó fāngshì zǒng shì chōngmǎn le sōngchí gǎn, fǎngfú wúlùn yùdào shénme kùnnán, dōu néng qīngsōng jiějué.)
彼女のライフスタイルはいつも余裕を持ってリラックスしていて、どんな困難に直面しても簡単に解決できるように見えます。

主理人(zhǔlǐ rén)

「主理人」は、企業やお店、ブランドにおける「主要責任者」を意味する言葉で、文脈に応じて「経営者」や「社長」「オーナー」、または「先駆者」や「専門家」などを指すことがあります。この言葉は、日本のカフェでよく使われる「マスター」という表現に似ているとも言われますが、その起源や関連性については明らかではありません。

「主理人」は単に経営者やオーナーを指すだけでなく、店の雰囲気や文化を作り出す人物を指すこともあります。そのため、従来の言い方である「总经理(社長)」「老板(経営者)」などよりも、ややカジュアルで親しみやすい印象を持たれることが多いです。

例えば、以下はカーペットの選び方に関する動画のタイトルに使われた中国語です:

史上最全地毯攻略!地毯主理人推荐!满满干货!
(Shǐshàng zuì quán dìtǎn gōnglüè! Dìtǎn zhǔlǐ rén tuījiàn! Mǎn mǎn gānhuò!)
史上最も完全なカーペットガイド!カーペットのプロがおすすめ!満載の実用情報!

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

今年のネット流行語は、十大流行語よりも実際に日常で使われているものが多く、「これは私でも知っているぐらい流行していたな~」という表現がちらほらありました。

これらの言葉を学ぶことで、単なる語彙力アップだけでなく、その背後にある文化や社会的な背景にも触れることができるので、言語学習がより楽しく、深みのあるものになると思います。

来年も新しい流行語が発表されるはずですので、また一緒に追いかけていきましょう!

それでは、皆さん、良いお年をお迎えください!



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ABOUT US
ニャース
日本語・韓国語を独学で学んだ中国語ネイティブ。語学が大好きで、某語学学習アプリ制作会社で教材開発に一年半ほど携わった後、日本で留学をするために退職。趣味は翻訳、ゲーム、将棋など。「好きなことで生き、好きなことをやって人の役に立つ」がモットー。ライターとしても、学習者の役に立つことを強く意識して執筆、活躍中。