ビジネスでもプライベートでも役に立つ中国の食事マナー!

えむむん

私は中国に来てから、日本と食事の仕方に違う点があるということ、細かい点に注意しなければ相手に誤解を与えてしまうということがあるということに気付きました。日本人として恥のないよう、相手に良い印象を与えられるよう、体験の中で1つ1つ学んでいきました。

今回は、私が実際に体験したことをもとに

  • 中国の食事における基本的なマナー
  • 乾杯やお酒におけるマナー
  • ビジネスシーンにおける食事のマナー

について紹介していきます。

中国の食事における基本的なマナー

目上の人から食事を始める

中国の会食などは、ほとんどが円テーブルで行います。たとえ自分の目の前に食事が置かれたとしても、先に手をつけないようにします。

【テーブルの上になにも料理が乗っていなく、最初に前菜が出された場合】

自分の目の前に食事が置かれたら、1番偉い人の目の前に食事が行くように円テーブルを回します。もし、テーブルが自動で回転するタイプの場合は、テーブルが回らないように手でおさえて、相手が料理を取りやすいようにします。

【既にテーブルの上に料理が置いてある場合】

この場合が多いのですが、1番目上の人が料理に手をつけるまで待つのが良いです。相手がどれか1つでも手をつけたら食べ始めても良いですが、ベストな方法は1番目上の人から「どうぞ、食べて下さい」などといった一言があってから食べ始めることです。そうすることでいい印象を与える事ができます。

料理は少し残す?

中国では、おもてなしをする際は食べきれないくらい沢山料理を用意するという文化があります。用意された料理を全て食べきってしまうと、おもてなしをしている側は「お腹いっぱい食べられていない」と解釈してしまいます。なので、無理をして全て食べ切るのではなく、少し残す事が相手への配慮になります。

ただ、2021年4月29日に食べ残しを禁止する法律「反食品浪費法」が可決されたことにより、中国の文化も変わりつつあります。

この法律は、過剰な量の食べ残しをした客に対して、飲食店側は食べ残した分の処分費用を請求できるというものです。飲食店に対しても、店員は客が適量を注文するよう促す必要があり、大量に注文させた場合は最大で1万元(約16万円)の罰金となるとのことです。

割り勘の概念はない

中国では「面子(メンツ)文化」があるので、割り勘という概念がほとんどありません。会食の場合は主催者が支払いをするのはもちろん、友人との食事やカフェなども割り勘がないという印象です。

えむむん

中国に来て、レジ前で「私が(払う)!私が(払う)!」と言い合っている姿や、電子決済のQRコードをかざす奪い合いなどを見かけることがよくあります(笑)

ですが、ここ最近は、お互いの負担の軽減の意味があるのか、関係性や状況によって割り勘のパターンもあるなぁという印象です。

乾杯やお酒におけるマナー

乾杯の音頭のあとは一人一人乾杯

まず、食事の最初に乾杯の音頭があります。この乾杯の音頭は、会の主催者から行います。

今回の食事の趣旨を話してから乾杯をするので、何かのお祝いや慰労などの意味がある場合は、主催者からその旨の挨拶をします。そして、みんなで乾杯をします。(立って行う場合もあれば、座って行う場合もあるので、状況を見て判断します。)

その後は、それぞれ食事をしながら会話をするのですが、ある程度時間が経ったらまた乾杯の時間になります。この時の乾杯は、偉い人が順番に1人1人に乾杯をしていきます。自分が行くタイミングは、自分の立場によって動き、上司より先にいかないよう気をつけなければいけません。

乾杯をするときのポイントは?

乾杯は大きく分けて2つあります。1つ目は全員で乾杯、2つ目は1対1での乾杯で、それぞれポイントがあります。

【全員で乾杯をするとき】

全員で行う場合は、人数にもよりますが基本的に全員とグラスを合わせることが難しいと思います。特に大きな円テーブルでの食事は、人と人との距離があります。その時は、グラスをテーブルに当てて乾杯を表します。このやり方をよく目の当たりにするのですが、まずは目上の人がどのような動きをするかを見て真似するのが良いかと思います。

もし、人数が少ない、人と人との距離も近い場合は、グラスを合わせて乾杯をします。この時、日本と同じく自分のグラスが上にならないように行います。必ず自分のグラスが下になるようにするために、相手のグラスの底を手であてて、相手のグラスが下がらないようにするやり方をしているのを見かけたりします。

【1対1で乾杯をするとき】

この場合は、相手から何か一言があったり、会話をしてから乾杯をするという流れがほとんどなので、グラスを持ちながら乾杯のタイミングを待ちます。また、この際は相手が自分のところに来て乾杯を行うので、相手が自分のところに来たら必ず立ちます。

その他に、乾杯する際にグラスの飲み物の量にも要注意です。量が少ない場合、相手に嫌な印象を与えてしまうので、乾杯の前は必ずグラスの飲み物がしっかりと入った状態にする事が大切です。乾杯の前にいつでも乾杯できる状態にしておくのが好ましいのですが、もし乾杯の時に気づいてしまった場合は、急いでグラスに飲み物を注げば大丈夫です。

お酒を勧められた時に断るのはNG?

中国では、「お酒なしの会食は会食ではない!」という程、お酒を勧められることが多いと感じます。しかも、度数の強いお酒だったりするので驚きです。

1杯くらいなら頑張って飲んでみようと考える人がいるかと思いますが、無理をしない方が良いです。それには理由があり、中国の場合は1度お酒を飲んだら会が終わるまでお酒を飲み続けなければいけないからです。途中で水などに変えたら、悪い印象を与えてしまうことになります。なので、飲めない場合は飲めない旨を伝えて断る事が大事です。

えむむん

ちなみに、飲めない代わりに乾杯する度に毎回水を一気するなど、違う形で気持ちを表したら相手にいい印象を与えられると感じます。

ビジネスシーンにおける食事のマナー

円テーブルの使用上の注意

円テーブルでの食事の際は、周りを見てテーブルを動かしたり止めることが大切です。冒頭でお話しした目上の人が食べ物をとりやすいようにする事もそうですし、人が料理とっている時に動かさない事も大事です。

また、遠くにある物を取ろうとしてる人がいる場合は、テーブルを回して取りやすくしてあげるなど、周りを見て行動できるといい印象を与えられます。

中国の接待は時間厳守

中国の人にとって、みんなで食事をするという事はとても大切な時間です。なので、食事の時間に遅れるということは絶対にNGです。

自分が主催者の場合は、必ず早めに到着するようにし、最低でも30分前には到着しているようにします。そして、会がスムーズに進められるよう、事前に食事の準備(お酒やお皿の用意、注文 等)を行います。

基本的に会が始まる前には食事が揃っている事が多いので、食事が冷めないよう時間になったらすぐ食べ始めます。なので、やむを得なく遅刻してしまう場合を除いて、必ず時間通りにお店に行くことが大事です。

お客様は入り口から1番遠い奥の席

席の座り方に関しては日本と同じで、一番奥の席が上座になり、ドアに一番近い席が下座になります。中国は宴テーブルなので、入口から見て1番奥の席に1番目上の人が座ります。そして、主催者はその隣に座ることがほとんどです。

もし、人数が多くて、テーブルがいくつかある場合は、入口から一番遠いテーブルの一番奥が上座になります。

また、注文を取り仕切る人は入口から1番近い席に座ります。食事中に次々と追加で料理が運ばれてくるので、その際に料理を置けるようにテーブルを整理したり、店員さんを呼んだり、追加注文、お会計等を行います。

相手の指示があるまで座らない

遅刻をしないために早めにお店に到着しますが、早めに到着した場合はどうするのが良いでしょうか?

その時の状況にもよりますが、基本的に座って待つことはしません。主催者が来る前は、必ず立って待ちます。よく見かける光景としては、集まった人たちで立ち話をして待つという形です。そして、主催者から指示があってから座るのが良いマナーになります。

マナーを理解することは相手への思いやり

 相手の文化やマナーをしっかり理解し、実行する事は相手への思いやりになると思います。読んで下さった方にとって、今回ご紹介した内容が、実際に役立ったら嬉しいです。

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ABOUT US
えむむん
IT企業で営業職を経験の後、重慶大学にて半年の語学留学をし、3ヶ月でHSK4級を取得、半年でHSK5級を取得。その後、中国に移住し、中国の国立大学で日本語講師として活躍中。 中国語学習者や中国への移住や留学を考えている方の役に立ちたいと思い、Instagramでも中国に関する情報や中国語に関して発信中。