中国語の声調(四声)の覚え方と練習方法を音声付きで解説|覚えられない原因と、やっても意味がない練習

中国語の声調がなかなか覚えられない、覚えたつもりでも正しく発音できない、という悩みをよく聞きます。

伊地知

この記事では、1,000名以上を指導してきた経験から、声調の覚え方と練習方法を説明します。読み終わるころには、「今日から何を、どうやって練習すればよいか」がはっきりしているはずです。

この記事のポイント
  • 声調とは、1音の中で高さがどう動くかを表すものです。第一声から第四声は、音声で確かめながら読み進められます
  • 覚えるときは、4つの声調のイメージと、自信を持って言える「軸単語」を手がかりにします
  • 正しく出せるようになるには、大げさに高低差をつけること、2音節の組み合わせで練習すること、録音して直すことが効果的です
  • 身体の動きと声調を結びつける練習は、続けるうちにずれてしまうので、おすすめしません

中国語の声調(四声)とは

声調とは、1つの音の中での高さの動き(高低差)のことです。この動き方のパターンが4つあるため、四声(しせい)とも呼ばれます。

声調は第一声から第四声の4つ

動き方が違うと、同じ「ma」でも別の言葉になります。第一声の妈 mā(お母さん)、第二声の麻 má(麻、しびれる)、第三声の马 mǎ(馬)、第四声の骂 mà(ののしる)は、どれも意味が違います。买 mǎi(買う)と卖 mài(売る)のように、声調を間違えると反対の意味で伝わってしまう組み合わせもあります。

四声の音の高さの動き方を、mā・má・mǎ・mà(妈・麻・马・骂)で示した図

1つずつ、どんな音として覚えればよいかを確認していきましょう。それぞれの音声もついているので、聞きながら声に出してみてください。

第一声

一声(いっせい)と呼ばれる音で、高い音のまま、まっすぐ伸ばして発音します。

第二声

二声(にせい)と呼ばれる音で、下から上に突き上げるような音です。ものすごく怒って聞き返すときの「ぁあっ?」という音をイメージしてください。

高低差がポイントなので、低いところから高いところへ一気に持っていきましょう。

第三声

三声(さんせい)と呼ばれる音で、ただただグッと低く出す音です。後ろに他の音が続かないときは、最後にフワッと余韻で上がります。

第四声

第四声は、四声(よんせい)とも呼ばれる音で、高いところから低いところへ叩き落とすような音です。こちらも二声と同じように、高低差がポイントです。

英語でピシャリと「NO!」と言うような感覚で発声しましょう。

4つの声調に加えて軽声もある

四声に加えて、もう1つ、軽く短く発音する軽声(けいせい)という音もあります。軽声は単独で使ったり、言葉の最初に来たりすることはなく、前の音に軽く添えるだけの音と考えてください。たとえば、妈妈 māma(お母さん)や朋友 péngyou(友だち)では、2つ目の音が軽声です。

どんな言葉が軽声で読まれるのかは、軽声化の種類と具体例の記事で紹介しています。

日本語のイントネーションとの違い

日本語にも、音の高低差で意味が変わる言葉があります。辞書では「アクセント」と説明されるもので、イントネーションと呼ぶ人もいます。ただ、同じ音の高低差でも、中国語の声調とは別物です。

「雨」と「飴」や、「橋」と「箸」の違いがその例ですが、これらは「あ」と「め」、「は」と「し」の間の高低差、つまり複数の音にまたがる高低差のことを指します。

中国語の声調は、あくまでも1音の中での高低差です。ここを理解して、一息のうちにしっかり高低差を出すことを意識しましょう。

声調が覚えられない・身につかない原因

声調の悩みは、大きく2つに分かれます。1つは「この単語が何声だったか覚えられない」という悩み、もう1つは「何声かは分かっているのに、正しく出せない、すぐに崩れる」という悩みです。どちらにも、よく見られる原因があります。

よくある原因起きやすいことこの記事での対策
単語を、漢字と意味だけで覚えているあとになって声調が思い出せない声調の覚え方(軸単語、単語とセットで覚える)
高低差が小さい日本語を話すときの感覚のまま、控えめな高さで話してしまう大げさに高低差をつける
1つの音でしか練習していない単語や文になると、前後の音に引っぱられて崩れる2音節以上の単語・フレーズで練習する
自分の声を客観的に聞いていない間違った声調のまま慣れてしまう自分の声を録音して修正する
なんとなく、ごまかして話している通じない発音がくせになる少し長くハッキリ発音する

原因は1つとは限りません。当てはまるものから、1つずつ手をつけてみてください。

声調(四声)の覚え方とコツ

声調を覚えるときの手がかりは、大きく3つあります。

4つの声調をイメージで覚える

1つ目は、前半で紹介したイメージで覚える方法です。音の動きを、身近な場面と結びつけておくと思い出しやすくなります。

声調覚え方のイメージ
第一声高い音のまま、まっすぐ伸ばす
第二声怒って聞き返す「ぁあっ?」
第三声グッと低く抑える
第四声ピシャリと「NO!」

軸単語を持っておく

2つ目は、軸単語を持っておくことです。「この単語の声調は確実に覚えた、ちゃんと再現できる」という単語を声調ごとに持っておくと、その単語を発音することで、正しい声調を思い出せます。

例えば、一声は「他(tā)」、二声は「拿(ná)」、三声は「我(wǒ)」、四声は「辣(là)」などです。迷ったときは、まず軸単語を言ってみて、そのすぐあとに覚えたい単語を同じ高さの動きで言ってみましょう。

新しい単語は声調とセットで覚える

3つ目は、単語を覚える段階で、声調も一緒に覚えてしまうことです。漢字と意味だけを先に覚えると、声調はあとから思い出せなくなりがちです。単語帳で覚えるときも、ピンインの声調記号まで目で確かめ、声に出して言ってから次の単語に進みましょう。

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声調をマスターするためのコツ・練習方法

ここからは、声調を正しく出せるようになるためのコツと練習方法を説明します。

大げさに高低差をつける

改めて、声調は音の高低差を表します。特に、突き上げる二声と、叩き落とす四声は、この高低差を大げさに出すようにしましょう。

最初は多少自然でなくても、伝わることを優先して、大げさにやることがポイントです。量をこなすうちに、徐々に自然にしていけば十分です。

少し長くハッキリ発音する

こちらも「大げさに」とつながりますが、高低差だけでなく、少し長くハッキリと発音することもポイントです。目的は「ごまかさない」ことです。

「我是日本人(Wǒ shì Rìběnrén)」を、ゆっくり丁寧に発音してみましょう。

「我是日本人」ゆっくり発話

たまに「適当に言えば、意外と声調なんて気にならないよ」という人がいます。それは、基礎が丁寧にでき上がっている、あるいはネイティブの環境で身についたうえでの「適当」です。本当に適当に話してしまうと、いつまでも通じない中国語から抜け出せなくなるので、気をつけましょう。

2音節以上の単語・フレーズで練習する

一つひとつの音で正しい声調が出せたとしても、会話の中で1音だけを発音する場面は、めったにありません。いくつもの音が続く中で、正しい声調を出し続けられる必要があります。

声調の組み合わせは、2音節(2文字)の単語なら「4つの声調×4つの声調」の16通りに、2つ目が軽声になる4通りを加えた20通りです。まずはこの20通りを、1つずつ言えるようにしましょう。

前の音\後ろの音第一声第二声第三声第四声軽声
第一声今天 jīntiān中国 Zhōngguó开始 kāishǐ工作 gōngzuò妈妈 māma
第二声明天 míngtiān学习 xuéxí苹果 píngguǒ学校 xuéxiào朋友 péngyou
第三声老师 lǎoshī有名 yǒumíng水果 shuǐguǒ ※考试 kǎoshì你们 nǐmen
第四声汽车 qìchē问题 wèntí电脑 diànnǎo再见 zàijiàn谢谢 xièxie

※三声+三声は、読み方が変わります(→「声調が変わるルール」)。

単語での練習ができるようになったら、短文(フレーズ)での練習に進み、それもできるようになったら、シャドーイングなど長い文の練習に進みましょう。

練習の順番に注意

気をつけたいのは、この順番です。単語だけで正しい声調が出せないのに、長い文になったとたんに正しくなることはありません。焦らず、丁寧に、妥協なく進めていきましょう。

日本人がつまずきやすい声調の組み合わせ

伊地知

特に日本人は、「有名(yǒumíng)」「导游(dǎoyóu)」などの三声+二声の組み合わせや、同じ声調が続く単語が苦手なことが多いです。

  • 三声+二声(有名 yǒumíng、导游 dǎoyóu):後ろに音が続くときの三声は、低く抑えるだけで上がりません。三声を十分に低く出し、そこから二声で一気に高く上げると、2つの音の違いがはっきりします
  • 一声+一声(今天 jīntiān、飞机 fēijī):2つの音を、同じ高さのまま並べます。2つ目で力が抜けて、高さが下がってしまわないよう注意します
  • 二声+二声(学习 xuéxí、银行 yínháng):1つ目で上がりきったあと、2つ目でもう一度、低いところから上げ直します
  • 四声+四声(再见 zàijiàn、电视 diànshì):1つ目は高いところから途中まで下げる程度にして、2つ目でしっかり下まで落とすと、自然に聞こえます

苦手な組み合わせが分かったら、その組み合わせの単語だけを集めて、くり返し練習するのが効果的です。仕事で中国語を使う方は、公司 gōngsī(一声+一声)、开会 kāihuì(一声+四声)、客户 kèhù(四声+四声)のように、毎日口にする言葉を選ぶと、練習した声調がそのまま会話で使えます。

妥協せずに何度も繰り返す

これが一番大切です。妥協せずに、何度も繰り返し練習しましょう。

途中で「誰もこんなに丁寧に練習してないんじゃないか?」「もっとラクに身につける方法があるんじゃないか?」という悪魔の声が聞こえてくるかもしれません。それでも、練習せずに身につけられることはないので、妥協なく修正を続けるようにしましょう。

これを繰り返すと、変な声調の中国語を聞いたときに「気持ち悪い」と感じられるようになります。

自分の声を録音して修正する

コーチがついて発音・声調を確かめてくれるのが理想ですが、コーチがいつもそばにいられるわけではありません。だからこそ、一人で練習する時間の質をいかに高めるかが大切になります。

そのためには、録音した自分の声を、客観的に聞き直す必要があります。自分の発音を録音して聞き、正しい音源との違いを確かめたら、修正してまた録音する、という流れを繰り返してください。

STEP

お手本を聞く

練習したい単語か短い文を1つ選び、お手本の音声を聞きます

STEP

自分の声を録音する

お手本と同じ速さで言って、スマホなどで録音します

STEP

並べて聞き比べる

お手本と自分の録音を続けて聞き、高さの動きが違う音に印をつけます

STEP

印をつけた音だけ言い直す

直ったら、もう一度単語や文の全体を録音して確かめます

伊地知

私が「発音が良くなったな」と実感したのも、中国語のスピーチコンテストに出るために、何度も自分の声を録音して、ネイティブと比べて違和感のあるところを直し続けたときでした。

やっても意味がない練習方法

身体の動きと声調を結びつけて練習する方法は、私の経験では、ほとんど意味がありません。やること自体は問題ありませんが、効果が期待できないのです。

私だけでなく、多くの中国語学習者が、練習するうちに身体の動きと発音している声調がずれてきて、結局、意味がなくなってしまいます。

練習中に自然と身体が動いてしまうことはあると思うので、それをわざわざやめる必要はありません。ただ、効果的な練習方法として取り入れなくても大丈夫です。身体の動きを確かめる時間があるなら、その分を録音して聞き比べる練習に回しましょう。

伊地知

身体の動きは下から上に突き上げているのに、発音しているのは上から下に突き落とす四声、なんてことがしょっちゅう起こります(泣)

声調が変わるルール(三声・不・一)

声調には、前後の音によって変わるルールがあります。ここでは要点だけをまとめ、くわしい説明は、それぞれの記事で紹介しています。

  • 三声が2つ続くと、前の三声は二声に変わります(你好 nǐ hǎo → ní hǎo、水果 shuǐguǒ → shuíguǒ)。ピンインは三声の記号のまま書くので、読むときに自分で変える必要があります。3つ以上並ぶときにどうなるかも、三声が3つ以上続く場合はどうなるの?で説明しています
  • 「不」は、後ろが四声のときに二声に変わります(不是 bú shì)。「一」は、後ろの声調によって四声か二声に変わります(一天 yì tiān、一个 yí ge)。くわしくは「不」と「一」の声調変化をご覧ください
  • 声調記号をピンインのどの母音の上に付けるかは、ピンインの声調記号はどこに付けるかの記事で確かめられます

声調はどれくらいで身につく?

お手本と聞き比べて、ずれを直しながら毎日声に出して練習していれば、1ヶ月ほどで「前より声調が安定してきた」と変化を感じられる方が多いです。意識しなくても正しい声調で話せるところまで大きく変えたいなら、3ヶ月くらいは見ておくとよいでしょう。

ただし、これは「ずれに気づいて直せている」場合の目安です。間違った声調のまま練習を重ねると、中国で長く暮らしていても、通じにくい発音のまま固まってしまう方もいます。

独学でつまずいたら

録音して聞き比べても、どこが違うのか分からない。直したつもりでも、次の日には元に戻っている。声調の練習では、こうした壁にぶつかることがよくあります。間違った声調のまま慣れてしまうと、直すのにも時間がかかります。早い段階で、誰かに聞いてもらう機会を作っておくと安心です。

私が代表コーチを務める the courage(カレッジ)の中国語コーチングでは、受講生が録音した音読やシャドーイングをチャットで受け取り、コーチが声調のずれを1か所ずつ指摘して、直し方まで伝えています。自分の耳では見落としがちなずれを早いうちに直せるので、間違った声調のまま固まるのを防げます。こうしたやりとりを毎日続けることで、声調などは2〜3ヶ月でかなり安定してくる方が多いです。

発音のフィードバックを含め、the courage の進め方は11の特徴にまとめています。

YouTube動画でも解説

声調は、動画で音を聞きながら確かめると、よりわかりやすくなります。こちらもぜひご覧ください。

よくある質問

「四声」は「しせい」と「よんせい」のどちらで読みますか?

どちらも使われます。4つの声調をまとめて呼ぶときは「四声(しせい)」、4つ目の声調(第四声)だけを指すときは「四声(よんせい)」と読み分けることが多いです。同じように、第一声から第三声も「一声(いっせい)」「二声(にせい)」「三声(さんせい)」と短く呼ばれます。

第二声と第三声を言い分けるコツはありますか?

第二声は、低めのところから一気に上がって、最後がいちばん高くなる音です。第三声は、低いところにいる時間が長い音で、後ろに音が続くときは上がりません。混ざってしまうときは、有名 yǒumíng(三声+二声)のように2つが並ぶ単語で、「低く抑える」と「一気に上げる」の差をはっきり出す練習をすると、違いがつかみやすくなります。

第三声は、いつも最後に上げるのですか?

いいえ。後ろに他の音が続くときの第三声は、低く抑えるだけで上がりません(我们 wǒmen、考试 kǎoshì など)。単独で言うときや、文の最後でゆっくり言うときに、フワッと上がる余韻がつきます。

中国語の歌で、声調の練習はできますか?

中国語の歌では、声調はメロディーに乗らないため、声調の練習にはあまり向きません。一方で、母音や子音の練習や、学習を続ける気持ちを保つことには役立ちます。くわしくは中国語の歌に声調は無いの?をご覧ください。

AIを相手に声調を練習できますか?

AIとの会話練習は、恥ずかしがらずに話す機会をたくさん作れるので、とても良い方法です。ただ、AIは発音の添削がまだ得意ではない(2026年10月時点)ので、声調を直す目的なら、録音で自分の声を確かめる方法や、人に聞いてもらう方法と組み合わせましょう。

まとめ

声調とは、1音の中の高さの動きのことです。4つの声調のイメージと軸単語で覚え、大げさに・2音節の組み合わせで・録音して直す、という練習を続けていけば、少しずつ安定していきます。母音や子音まで含めた発音の練習全体については、中国語の発音のコツと練習方法の記事で紹介しています。

声調は、一人で練習していると、ずれていても自分では気づきにくくなりがちです。直すところが見つからなくなったら、コーチに聞いてもらうのも一つの手です。

迷わず、挫折せずに中国語を学びたいという方は、自分にあった学習方法をプロの中国語学習コーチに相談することがとても有効です。無料カウンセリングを実施していますので、ぜひ一度相談してみてください。

無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。

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ABOUT US
伊地知太郎中国語コーチングスクールthe courage代表コーチ
大学在学中、中国の北京師範大学に留学し、1年で中国語力をビジネスレベルにまで高める。帰国後、三菱重工業株式会社にて海外人事・資材調達業務を経験。その後、語学コーチングスクールPRESENCEにて700名以上の受講生の語学学習をサポート、コーチの育成や中国語コースの立ち上げを経て、語学コーチングスクールthe courage(カレッジ)を設立。