中国語の「ものの数え方」を学ぼう!

伊地知

この記事では中国語の「ものの数え方」を学んでいきます。
例えば「3個のリンゴ」と言うときの「3個の」という部分です。この記事で細かいこともちゃんと理解できるようになるので、最後まで一緒に頑張りましょう。

基本は「数詞+量詞」

まず、中国語で数を数える基本のルールを覚えましょう。

中国語では「数詞」と「量詞」を組み合わせて数を数えます。「数詞」は「1、2、3、4」のように数を表す言葉で、簡単に言うと数字だと思ってOKです。

そして、「量詞」は日本語でいう「個(こ)」「冊(さつ)」「匹(ひき)」など、数を数えるときの単位のようなものだと思ってください。助数詞と言ったりしますね。

「個」「冊」「匹」はそれぞれ中国語で「个」「本」「只」と言うので、例えば「一個」「二冊」「三匹」だったら、それぞれ「一个」「两本」「三只」と言います。

ここで気づいた人もいるかも知れませんが、「二冊(にさつ)」は「二本」ではなくて「两本」と言います。量を表すときは「二」ではなくて「两」を使うので、「两本」です!

ただ、例外があります。長さ・重さ・温度・貨幣単位など、つまり「メートル」「グラム」「度」の場合(「度量衡を表す量詞」と言います)です。

「度量衡を表す量詞」は「二」と「两」のどちらを使っても良いとされており、カジュアルな場面では「两」、フォーマルな場面では「二」と使い分けるのが一般的です。

「数詞+量詞+もの」

「1個のリンゴ」「2冊の本」のように、「数詞+量詞」に「もの」までつけて言う場合、そのまま「数詞+量詞+もの」で表現します。

日本語の「1個の~」「2冊の~」の「の」は中国語で「~的」なので、「一个的苹果」「两本的书」「三只的狗」と言いたくなるかもしれませんが、通常は「的」はつけないので、注意しましょう!

「この2つの◯◯」「あの2つの◯◯」という言い方

ここからは「2つのリンゴ」「3冊の本」のように「この~」「あの~」をつけて、「この2つのリンゴ」「あの3冊の本」という表現を学びましょう。

ここまで学んだ「数詞+量詞+もの」、つまり「2冊の本」「两本书」の最初に「这/那」をつけます。「这」は日本語の「これ」、「那」は「あれ」「それ」にあたります。

ここまでは割と理解しやすいですよね。ただ、特殊なケースもあります!「この本」「あの犬」のように数字が入ってない表現がありますよね?

この場合、多くは「この一冊の本」「あの一匹の犬」のように1つのものを指すので、「这一本书」「那一只狗」と言えばOKです。ただ、実際に話すときは「一」を省略して「这本书」「那只狗」と言うことが多いです。

もし本当に「1つの」というのを言いたい時には「一」を省略することはできません。日本語でも「この一個の~」「この一冊の~」のように、数量を強調する場面がありますよね?このような場面では中国語でも必ず「一」を省略せずに「这一个~」「这一本~」という言い方になります。

この只(zhǐ)は「~だけ」という意味の副詞で、動詞の前に置いてます。

伊地知

念の為、犬を数える「匹(ひき)」は同じ漢字を使いますが、只(zhī)と声調も違っていて関係はないです。

もし「我只买了这一本书。」ではなく「我只买了这本书。」というと、「私はこの本だけ買った」というように、「一冊の」という意味はなくなります。

また、これらを疑問文にして「どの本?」と尋ねたい時には「どれ」という意味の疑問詞「哪」を使います。例えば「どの本?」だったら「哪一本书?」あるいは「一」を省略して「哪本书?」と言います。量詞をちゃんと入れようねというのがポイントです!

ちなみに、「这(zhè)」「那(nà)」「哪(nǎ)」はよく「zhèi」 「nèi」「něi」と発音されます。

例えば「这本书(zhè běn shū)」は「zhèi běn shū」と読まれることもよくあるんですね。

これは「这(zhè)」と「一(yī)」がくっついて「zhèi」になっています。2つの発音があって、口語ではよく「zhèi」 「nèi」「něi」と発音されると覚えておけばOKです。意味に変化はありません。

複数を表す「些」の使い方

ここまでは「1つの」という話をしてきましたが、「これらの本」「あれらの犬」のように、1つではなく、いくつかのという複数を表したいときには複数を表す量詞の「些」を使います。

「これらの本」は「这些书」で、「あれらの犬」は「那些狗」といいます。

日本語の場合は何冊かある本を指しながら、ざっくりと「この本どうする?」と言うこともあるかと思いますが、中国語の場合はそういう時に「这本书」とは言えないです。これはあくまでも特定の「一冊」を指すことになります。

理解度チェック

以下の単語を使って指定された文を作ってみましょう。全部で6問出題します。

使用する単語
  • 狗(gǒu):犬
  • 书(shū):本
  • 本(běn):~冊
  • 只(zhī):~匹
  • 些(xiē):複数を表す
  • 这(zhè):これ
  • 那(nà):あれ、それ
  • 一 (yī):1
  • 二 (èr):2
  • 三 (sān):3
  • 两 (liǎng):2

問題①

「一冊」

「一本」

問題②

「一冊の本」

「一本书」

問題③

「二匹の犬」

「两只狗」

問題④

「この三冊の本」

「这三本书」

問題⑤

「あの(一匹の)犬」

「那只狗」or「那一只狗」

問題⑥

「あれらの本」

「那些书」

特殊な量詞「个」

次に、特殊な量詞「个」について説明しておきます。

中国語の量詞は、ほとんどが具体的なイメージを持っています。

ただ「具体的なイメージを持たない量詞」もあり、その代表が「个」です。ちなみにこれは日本語の漢字では「個(こ)」です。

日本語の「個(こ)」も幅広く使えますが、中国語の「个」も日常生活でよく目にするものならほぼ何にでも使え、他の量詞の代わりになることができます。

例えば、「一本のバナナ」は通常は「一根香蕉」と言いますが、「一个香蕉」と言っても意味は通じます。「一本のバナナ」を「一個のバナナ」と言っても通じるということです。

もちろん「一个狗(一個の犬?)」や「一个山(一個の山?)」など、適切な量詞を使わず、「个」を使うと変に感じるものもありますが、意味は通じます。

「个」は具体的なイメージを持たないので、「文脈によってイメージが結構変わってくる」のです。

例えば1つのリンゴを指さして「这个苹果」と言ったら「この一個のリンゴ」という意味になりますが、もし箱に入っているたくさんのリンゴを指さして「这个苹果」と同じように言ったら、それは「このひと箱のリンゴ」と解釈される場合もあります。

また、八百屋さんで、特定の種類のりんごを指して「このリンゴいくらですか?」ときくとき、中国語では「这个苹果多少钱?」と言います。

これは通常「この特定の1個のリンゴ」の話じゃなくて「この種類のリンゴはいくらなの?」という意味で捉えられます。いずれにしても、「个」のイメージは文脈によって変わるということをおさえておきましょう。

量詞をつけないケース

「この本」「あのリンゴ」などは「这一本书」「那一个苹果」の「一」を省略して、「这本书」(この本)「那个苹果」(あのリンゴ)というと、説明しました。これは量詞も省略して「这书」「那苹果」という言い方もできます。

ただ、このような言い方は量詞が持つイメージが失われ、意味が曖昧になったり、乱暴・失礼になることがあります。

例えば、本当は「书」に使える量詞は「本(冊)」「捆(束になっているものを数える)」「堆(積み上げられたものを数える)」などがあり、どれを使うのかによって、相手の頭の中に具体的なイメージを投影することができます。「这书」と言うと、それがしにくくなってしまいます。

本の量詞として一番よく使われるのは「本(冊)」なので、「这书」とだけ言われたら、だいたいは「这本书(この一冊の本)」のことかな?と想像します。

「紐で束ねられている本」を指して言う場合は「这捆书(この束ねられた本)」の意味になりますし、「積み上げられた本」を指して言う場合には「这堆书(この積み上げられた本)」の意味になります。

ですので、相手に見えるものを指していう時に「这〇〇」「那〇〇」を使うのはOKですが、相手に見えないものの時はあまり使わない方が良いですね。

また、量詞を使わずに直接その名詞を指し示すと、相手にイメージを想像することを任せた言い方になり、あまり丁寧ではなくなります。「这书」「那苹果」という量詞を省略した表現も、場合によっては乱暴または失礼になることがあります。

カジュアルな場面で使用されても、さほど気にならないことも多いですが、大勢が出席するような会議やフォーマルなスピーチなど、改まった場面では使わない方が良いです。

伊地知

特に人に対して「这人」「那人」と言うのはあまり良い表現ではなく、「こいつ」「あいつ」のように軽蔑するニュアンスになることが多いです。少なくとも人に対しては「这个人」「那个人」を使いましょう。丁寧な言い方としては「这位」「那位」も良いですね。

書き言葉では量詞を使わないこともある

最後に、書き言葉やフォーマルな表現では、量詞を使わずにものを数えることもあります。

例えば、ニュースや報道記事などで以下のような表現を目にすることがあります。

これは「两个人」「三个人」ではなく、「两人」「三人」と言っています。昔の中国語の書き言葉では量詞を使わずに、数字で直接物を数えていたので、その名残りです。

四字熟語も「一石二鳥(いっせきにちょう)」という言葉がありますが、中国語でもそのまま「一石二鸟(yì shí èr niǎo)」と言います。これも量詞使ってません。昔から使われてきた四字熟語、成語なので、まさに昔の「量詞を使わない中国語」です。

日常生活ではあまりこういう言い方はしないので、もし出会ったら「古風で、フォーマルな言い方」と、認識できれば大丈夫です!

今回は「ものの数え方」についてたっぷり学びました。一回で完璧に覚えて使いこなすのはなかなか難しいので、この記事を繰り返し読んでしっかり自分のものにしていきましょう。


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ABOUT US
伊地知太郎中国語コーチングスクールthe courage代表コーチ
大学在学中、中国の北京師範大学に留学し、1年で中国語力をビジネスレベルにまで高める。帰国後、三菱重工業株式会社にて海外人事・資材調達業務を経験。その後、語学コーチングスクールPRESENCEにて700名以上の受講生の語学学習をサポート、コーチの育成や中国語コースの立ち上げを経て、語学コーチングスクールthe courage(カレッジ)を設立。