中国語を使って仕事をしている、キャリアを切り拓いている方へのインタビュー企画【中国語×キャリア】
第一弾のゲストに兵頭和さん(ビントウさん)をお呼びし、中国語をはじめたきっかけから、それをお仕事・キャリアにどう繋げたのかについて、かなり深掘りしてお伺いしています。
中国語学習者のヒントになったり、モチベーションアップに繋がる内容になっているので、是非楽しみながら読んでみてください。
また、インタビューの様子は音声配信のカレラジでも聴くことができます。音声配信ではより詳細で、より温度感が伝わる内容になってますので、ぜひ聴いていただけると嬉しいです。(以下のバナークリックで音声配信サイトに飛びます)
ビントウさんの経歴は
- 大学時代に第二外国語で中国語を選択するが挫折
- 大学卒業後、東京でオフィス機器の法人営業
- 退職し、北京で1年間のインターン
- 帰国後、ECサイトを運営するIT企業で中国越境ECを担当
- 現在は独立してtoC向けの商品を中国にある提携工場で生産して日本のECサイトで販売
それでは、さっそくビントウさんが中国語を使って仕事をするまでの道のりをのぞいてみましょう!
中国語と出会ったきっかけ
小さい頃見た世界図鑑の影響で元々中国には興味がありました。
中国語をやろう!と思った大きなきっかけは、2008年(高校生の時)に開催された北京オリンピックを観て「これからは中国だ..」と衝撃を受けたことです!
大学に進学してからは迷うことなく第二外国語で中国語の授業を選択したのですが、声調も文法も理解できず、すぐに挫折しました。
そうしてしばらく中国語から離れてしまったのですが、やはり勢いのある中国に関わる仕事をしてみたい気持ちはずっと持ち続けていて、社会人になって中国語を本格的にやり直しました。
これまで~今現在のお仕事
新卒で入社した会社は中国語は使わなかった
新卒で入社した会社ではオフィス機器の法人営業をしていました。働いている中で「IT系の企業で働いてみたいな」「中国語を使いたいな」と強く思うように。
転職活動を考えたときに「このままでは希望の会社には入れない。まずは実務経験を積もう」と思い「現地の会社で1年働いてみよう!」という考えにいたり、中国現地でのインターンを決意しました。インターン先はWantedlyで自分で探しました!
ちなみに語学力としては当時、HSK6級は持っていましたが、簡単な中国語しか話せない状態でした。ただ、HSK6級があったことでインターンに応募することができたりしたので、足がかりとしてやはり資格は取得してよかったです。
必死に業務遂行した北京でのインターン
日本の会社の北京にある現地法人で1年間インターンを経験しました。オフィスは中国人ばかりでしたね。日本人が企画した洋服を中国のECサイトで販売する会社で働いていたのですが、私の業務としては
- ウェブサイト上の店舗の運営や発送
- 中国に進出したい日本企業のPRのサポート
など。
PRサポートでは公式アカウントの企画・運営から街でのチラシ配りまで、、、インターンですが様々な仕事を任せてもらって、冷や汗をかきながら必死に業務をしていました。
1年間という限られた時間でしたが、業務経験も積めましたし、働くイメージが具体的に持てたので、私の場合は留学ではなくインターンを選んでよかったなと思いました。
念願だったECサイトを運営するIT企業に就職!
どうしても働きたい企業に熱烈アピール
インターンが終盤に差し掛かった頃、日本での就職のため、中国からリモートで転職活動をスタート。日本に帰国してから何社か最終面接を受けました。私の場合は(中国語も使いたかったのですが)中国語を使うことよりも「IT系」「ウェブ系」に軸をおいて、転職サイトで仕事を探しました。
そして、念願だったアパレルECサイトを運営するIT企業に就職!この会社は中国越境ECプロジェクトを立ち上げ中で、どうしても働きたかったんです。なので、中国のECサイトやSNSの利用状況など、現地滞在で得た知見を踏まえた資料をしっかり作成して臨みました。今思うとこのプラスアルファで熱意が伝わったのだと思います。
ちなみに中国語で雑談する簡単なスピーキングテストもありました。これは採用基準というより、一応確認という感じでした!
会社では中国越境ECを担当
会社では中国越境EC(中国に日本の商品を販売する)を担当していました。
すでに日本で販売している商品の情報を中国側のサイトにも連携して、受注が入ったら国際発送をする仕組み作りなど、中国側のパートナー企業と連携しながらプロジェクトを進めていきました。
注文から発送まで、そして物が売れるまでの裏側の仕組みがおもしろくて、「私ってこういうシステム関係、売れる仕組みのこと好きなんだ」という気づきもありましたね!
業務中は毎日中国語を使用
仕事中は、毎日中国語を使っていました。とはいえチャットがほとんどで、常にWeChatの画面を開いている状態。
サービスが立ち上がる前は日本側の受注システムと中国側の受注システムを連携する作業などがあって、まずは双方の仕様を理解するところからスタート。それぞれの思惑や進め方のすり合わせをするのが一番大変だった記憶です。
ちなみにWeChatでのやりとりは主に日々の業務連絡、日本と中国ですれ違いが起きた時の取りまとめでした。具体的には新商品のアップロード、システムの仕様確認、役割分担の確認、中国側だけで判断できないカスタマー対応など。
商品、システム、カスタマーなどそれぞれグループチャットがあり、頻繁にやりとりでしたね。「改价格已来不及吗」「能否提供一下尺码信息」とか・・・。
荒くても前に進めないと始まらないので、流暢な中国語というよりは、即レスできる能力、専門用語を理解する能力が求められていました。
あとは言葉よりもある程度の文化理解がないと摩擦が起きて前に進まないと思いました。例えば、やってみないとわからない中国人、やる前にシミュレーションしたい日本人。
今までのやり方がお互いにあるので、単純にすり合わせが難しく、言葉よりも妥協点を見つけられる感覚が大事だと思いました。
現在は独立して自社商品をECサイトで販売
現在は独立して、toC向けの商品を中国にある提携工場で生産して、日本のECサイトで販売しています。商品生産に関する要望や修正で中国語は必須なのですが、中国人のパートナーがメインで担当しているので私自身はあまり使用していないです。
その他、個人で中国のECアプリに関するリサーチやレポート業務を受けることがあり、その時には中国語で決算のレポートを読んだり、SNSの声を拾ったり、中国語を使っています。
これまで取り組んできた中国語学習
これまでの中国語学習経験
学生時代
大学で第二外国語の授業で中国語を選択するも挫折。発音と声調の練習ばかりで、なぜ大切なのか理解することができませんでした。
舌を反らせる儿化も意味が分からなかったし、今思うとそんなに細かくやる必要あったかな?と思います(笑)一点儿・有点儿の違いもわかりませんでしたね。1年で辞めました。
やり直し時代(社会人になってから)
大学卒業後にHSK4級、社会人1年目にHSK5級、2年目にHSK6級と、新卒時代に集中的に中国語学習をやり直しました。
この時はHSKの出題範囲に絞って学習。特に4級をちゃんと勉強したことで、学生時代に理解できていなかった文法に少しずつ慣れていきました。2年くらいは本当にHSKの過去問ばっかりやってましたね。
HSK4級までに基本的な文法事項が出てくるので、4級をちゃんと勉強したことで、きっとその後の学習を進めやすくしたのではないかと思います。
分厚い文法書でいきなり1つ1つ学ぶのではなく、大きく掴んで過去問で試していくイメージで取り組んでいました。文法にこだわっていきなり深掘りしてたらまた挫折してたと思います!その分HSK過去問は範囲も限定的で点数も見える化できるのでゲーム感覚でした。
ちなみにこの頃、「マップ式 中国語単語記憶術」という本でボキャブラリーを増やす楽しさを知りました。
現地滞在(インターン時代)
単語を並べてどうにか会話するという破壊的な状況。とにかく今いる環境の貴重さを忘れず周りの会話を聞き、これは使えそうと思った表現は拝借しまくってました。それを繰り返すと自分でも使える表現になっていくので、少しずつ増やして、最終的には一人で生活ができるレベルになりました。
中国語しか使えない状況で意思を伝えないと前に進まない場面が日常でも仕事でも多々あったので、ヒリヒリしたけどいい環境でした。中国語が下手すぎて舌打ちされたこともありましたが。
この頃は「口を鍛える中国語作文 語順習得メソッド【初級編】」という本が会話表現の幅を広げてくれました。
会社員時代
専門用語のボキャブラリーが不足しまくっていたので、都度調べて補強していました。ここで得たボキャブラリーは現在も中国市場の調査をする際に役立っています。とはいえ常に新しい言葉が出てくるので、やっぱりキャッチアップはしないとですね。
この時の実体験などももとにECサイトのカスタマーサポートで使われる表現をビントウさんがまとめた記事もありますよね。これも実際に現地で働かないとなかなか書けない内容ですごく面白いなと思いました。
今現在
特に決まった勉強はしていないので、HSK6級受け直しと中検デビューをしました。勉強というよりは情報収集のために中国語の記事を読んだり、面白い表現に出会ったら書き留めたりしています。(この学習での気づきはTwitterで漫画として発信しています)
学習の中で苦労したことと克服方法
発音や声調はいまだに難しいので一旦置いておいて・・・。
過去の自分含め初級文法で脱落する人は多いのではと思います!(是のあとに的つけないといけないの??なんで?とか)文法や単語など細かい使い分けはその場で理解しなくていいと思っています。
中国語は大胆ながらも繊細さのある言葉だと思うので、その繊細な部分でつまずいて大胆さを見失うと全部嫌になって勿体無いかなぁと。
私は過去問に特化したことである程度細かい部分を省略しながら全体感を掴めたと思うので、雑でも掴む!そしたら意外と次の段階に進めると思いました!
すんごい補足ですが中国語の楽しさは補語にあると思っています。補語使えるようになったら一気にニュアンスが広がりますし、周りのネイティブもめちゃくちゃ補語を使っていることに気が付きますよ。
ここでつまずくこともあるけど、理屈より感覚で身に付くものだと思うので、ここも雑でも掴んで腹落ちするまで触れるのがポイントかと思います。
中国語を話すための環境
中国に滞在できたのはラッキーでしたが、意外と歩いているときに独り言を言ってみる、街の景色を説明してみるとかもトレーニングになります!
語学の習得では「大量のインプットが必要。ただし、多くなくても、アウトプットの機会、或いはアウトプットの必要性があることも大切。」とされているので、自らそうしたアウトプット機会を創り出している感じですね!
会話も雑でもいいから走り始めることが大事だと思うので、うまく組み立てられてなくても、意外と話しながら組み立てできるのが中国語です!(把を使ってトピックスだけ先に持ってきちゃうとか!)
今の私は自分に定着している範囲でしか中国語表現ができないので、もう少し意識して新しい表現を取り入れるなど、自分の幅を広げてみたいと思っています!
流暢なレベルを目指すとキリがないのですが、自分の人生の選択肢を広げるきっかけ、新しい言語を通して世界をみるフィルターを得られる意味で、本当にもっとたくさんの人に外国語学習の楽しさが広がってほしいです。
学習者にむけてメッセージ
今振り返ると、いろんな学習方法がありますが、中国語習得には継続がいちばんの近道だと思います!とはいえその継続が大きな壁なので、、、自分に合った継続できる仕組み作りに時間かけていいと思います。
あとは自分が学習してきたことに対しての見える化をすること。私は紙の辞書を使っていたのですが、付箋だらけの辞書を見ると「私、辞書をけっこう使い込んできているなぁ。学習を積み上げてきているなぁ」と自然と気持ちが学習に向かっていましたね。
学習の見える化として、勉強時間を記録するということもとても有効です。こちらの記事で無料で記録ができるアプリを紹介しているので、こうしたやり方も良いかもしれないですね。
学習する中で挫折してしまいそうなときもあると思いますが、ある程度できるようになるタイミングというのが絶対にきます。そして学習を続けていると、言葉以外のチャンスがくることもありますし、目標に向けて切磋琢磨できる学習仲間と出会えたり、、、いいことしかないと思うので、ぜひ継続できるように頑張っていきましょう!
迷わず、挫折せずに中国語を学びたいという方は、自分にあった学習方法をプロの中国語学習コーチに相談することがとても有効です。無料カウンセリングを実施していますので、ぜひ一度相談してみてください。
無料学習相談受付中
無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。
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無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。
経歴をざっと見ただけでもおもしろそうですね~