試験前必見!よく見ると違う日本と中国の漢字30選

試験前必見!よく見ると違う日本と中国の漢字30選

現在、中国では旧字体を簡略した簡体字が使用されています。簡体字には日本語とまったく違う漢字、まったく同じ漢字、ちょっとだけ違う漢字といろいろあります。

中国語の学習時間が増えるにつれ、日本語と中国語の漢字を混ぜて文章を書いてしまっている人も多いのではないでしょうか。そして時折、似ているけどよくよく見ると微妙に違う漢字の存在を再認識し愕然とすることはないでしょうか。

この記事では

  • 日本語より一画少ない・多い中国語の漢字
  • 突き抜ける・突き抜けない中国語の漢字
  • 逆向きの中国語の漢字
  • 長さが違う中国語の漢字

など、似ているけど微妙に違う日本と中国の漢字30個を厳選してご紹介いたします。

フミコフ

中国語の検定試験や学校のテストなどで減点されやすい漢字でもありますので、これから各種中国語の試験を受験する予定のある方はぜひご覧ください!

一画少ない中国語の漢字

まずは日本語と比べて一画少ない漢字を見ていきます。

日本語の「単」と比べると、上部の点の数が三点ではなくて二点。もともと「単」は象形文字で先が二又(ふたまた)になっている武器の形を表しています。
旧字体を見ると「單」なので、簡体字の方が理にかなった簡略化をしていると言えそうです。

日本人からすると「なにか足りない!」感が満載の「步(bù)」。
簡体字では下の部分が「少」ではありません。

日本でも戦前までは旧字である「步」を使用。ところが戦後に行われた新字体策定の際に「歩」の方がバランスがよいという理由で最終的に「歩」が採用されました。新字体策定の際に画数が増加しためずらしい漢字だそう。

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ちなみに旧字体の「步」は日本では人名用漢字なので、子供の名づけに使用することができます。

日本語では「文+寸」で「対」ですが、中国語では「又+寸」で「对(duì)」です。これは簡体字の真髄ともいえる字画減らしのために「又+寸」としています。

画数においては日本語の「対」は7画、中国語の「对」は5画。簡体字は漢字の画数を減らし国民の識字率を上げるために作為的に作られた文字です。そのため「对」のように画数を減らすために簡略化した漢字も多いです。

日本語と中国語の「差」。違いがわかりますか?

日本語は10画ですが、中国語は9画です。上部のたて画と左はらい画が一文字となっています。これも「对」同様、字画を減らすために簡略化されています。

夜をあらわす「晚(wǎn)」。日本語では「晩」で右側が「刀+日+儿」の3つの組み合わせですが、中国語は「口」を書いてから「ノ」を書きます。

「对(duì)」や「差(chā)」のように字画を減らすための簡略化した漢字なのかと思えば、実は中国語で使用している「晚(wǎn)」は日本語の「晩」の旧字体なのです。「歩」と同じく「晩」は新字体になって日本では画数が増えた漢字です。

フミコフ

この漢字は見逃しており、日本語も中国語も同じかと思っていました。

日本語の「宮」と比べると、中国語は真ん中の「ノ」がなく「宫(gōng)」となっています。

「宮」はもともと権力者の住み家の意味を持つ象形文字で、「宀」(建物)+「口」(部屋を意味する形)を上下に重ねた形を表しています。中国でも以前は「宮」を使用していましたが、簡体字では「宫」が採用されました。

日本語では「浄」で「氵(サンズイ)」であるのに対して、中国語の「净(jìng)」は「冫(ニスイ)」になっています。

 中国でも昔はサンズイで「浄」を使用していましたが、簡体字では「净」となっています。ちなみに繁体字でも「淨」でサンズイを使っています。

フミコフ

「干净」などテストで書く機会が多い漢字の一つだと思いますので気を付けましょうね。

この漢字もサンズイとニスイの違いです。「決」は日本語ではサンズイですが、中国語ではニスイになります。

もともと中国でもサンズイで「決」と書いていましたが、簡略化されたときに「决(jué)」となったよう。

日本語との違いわかりますか?中国語では下の部分が「夂」ではなく「又」です。
旧字体は「變」で下の部分は「夂」でしたが、簡体字になる際に「又」となりました。

見逃しがちな漢字の一つですので要注意ですね。

遠目だとわかりにくいですが、中国語では上部に横棒がなく「卅」のようになっています。日本語の「帯」の旧字体を見ると「帶」となっており横棒はありません。中国語の簡略化の方が元の漢字に忠実ともいえます。

フミコフ

ちなみに旧字の「帶」も人名用漢字なので、日本でも子供の名づけに使用できます。

一画多い中国語の漢字

では、次は日本語より一画多い漢字を見ていきます。

日本語では「臭」と書き下の部分が「大」ですが、中国語は「犬」になっています。

「臭(chòu)」は上部の「自」の部分が鼻を表す象形文字で、それに「犬」が加わり「におい」の意味を表しています。中国語の方が元の意味を忠実に表現していると言えますね。

圧力の「圧」ですが、中国語では「压(yā)」のように土の中に点が付きます。

圧の旧字体は「壓」です。日本では下の「土」部分だけを残し、中国語では「土」と「丶」を残したものだと思われます。

日本語の「直」です。似ているけど最終画が日本語と中国語では違っていますね。

中国語では「L」のような字形がなく、目が下の横棒にくっついています。その結果、「目」の中棒は二本ではなく三本になっていますね。值(zhí)なども、目の中の中棒は三本で下の横棒とくっついている漢字です。

突き抜ける中国語の漢字

次は線を突き抜けて書く漢字です。

日本語の「別」との違いがわかりますか?

中国語では「口」の下は「力」になっていて、左下の部分が突き抜けています。中国語で「别(bié)」を書くときは、左側は「口+力」と覚えておきましょう。

日本語では「辺」で「シンニョウ+刀」ですが、中国語では「シンニョウ+力」で「边(biān)」となります。

日本語では「ヒ」の払いの部分が左に突き抜けませんが、中国語は突き抜けます。「花」に限らず、「化」の漢字の「ヒ」の部分は、もともとは払いの部分が突き出る形が正しいのだそうです。

突き出る方の字体は「変化する」意味を表し、突き出ない方の字体はで「さじ(スプーン)」の意味を表す漢字なのです。花は成長過程や四季折々で変化する植物ですので、「ヒ」の払いが突き抜けている方が理にかなっていますね。

なお、日本でも「花」は旧字体では中国語と同じく「ヒ」の部分は突き出して「花」と書いていました。しかし新字体にする際にすべて「ヒ」に統一されたそうです。

日本語では「角」ですが、中国語では真ん中の縦棒が下に突き出ています。
小学校の時に縦棒を突き出して書いてしまい注意された人も多いのではないでしょうか?
中国語では突き抜けてOKです。

突き抜けない中国語の漢字

突き抜ける漢字の後は、突き抜けない漢字のご紹介です。

日本語では「写」で最後の横棒が突き抜けますが、中国語は突き抜けません。

「写」の旧字体は「寫」なので、下の4つの点を略して「一」としているなら突き抜けない方が自然かもしれませんね。

日本語の「画」は「田」部分の真ん中の棒が突き抜け「一」とくっついていますが、中国語は田の上が突き抜けません。

分かりにくいですが中国語の「鼻(bí)」は「自+畀」から成り立っていて、「田」と下の部分はくっついていません。

「鼻」は「鼻」の旧字体なので、戦前は日本でも「田」と下の部分はくっつけず「鼻」と書いていたようです。

逆向きの中国語の漢字

続いては「あれ?逆?なの」な漢字のご紹介です。

上の部分を見ていただくと日本の「骨」と左右逆になっていますね。

中国でも古代は「骨」と書いていましたが、現在は逆向きになっています。左右逆にした方が一画少ないという理由からだそうです。

長さが違う中国語の漢字

次は、まぎらわしい日本語と線の長さが違う漢字です。

日本語では「天」と下の横線の方を短く書きますが、中国語では「天」と下の横線の方を長く書きます。

「天」は象形文字で上の線が頭、下の線が両腕を広げている様子を表しているとすれば、中国語のように下の線の方が長くなるのが自然なのかもしれませんね。

よく見ると違う中国語の漢字

最後に、よく見ると日本語と全然違う構造をしているまぎらわしい漢字をご紹介します。

日本語では「巻」で下の部分が「己」ですが、中国語では「⺋」になっています。もともと旧字体は「卷」で、日本でも昔は中国と同じく下の部分は「⺋」と書いていましたが、新字体では「己」に書き換えられました。

日本語では、「勹(つつみがまえ)」部の中は「己」ですが、中国語では「巳」になっています。日本でも旧字体は「包」でしたが、新字体策定の時に「包」が採用されたようです。

分は「一」ではなく左払いで「戶」となっています。「所」も旧字体は「所」でしたが、新字体で上記の漢字になりました。

日本語では「夂+几」で「処」ですが、中国語では日本語では「夂+ト」で「处(chù)」です。どちらであっても読めてしまうので見逃しがちです。

フミコフ

「几」は中国語でも頻繁に使う疑問詞なのでそのまま使ってもよさそうなのですが・・・。頻繁に出てくる漢字でもあるので、書くときは気を付けましょう!

どこが日本語と違うかわかりますか?よく見ないと気づかないのではないでしょうか。

日本語では「船」で右側が「八+口」です。一方、中国語は右側が「几+口」です。ややこしいですね。ちなみに「なまり(鉛)」も「铅(yán)」です。

日本語は「木+且」で「査」ですが、中国語では「木+日+一」で「查(chá)」です。
下がくっついていません。

この漢字も日本人なら読めてしまうので、見逃してしまう人が多いのではないでしょうか。

日本語は「交+力」で「効」ですが、中国語は「交+攵(ぼくにょう)」で「效(xiào)」と書きます。「效」は「効」の旧字体なので、日本でも以前は「效」が使われていたようです。なお、収入の「収」も中国語では右側は「又」ではなく「攵(ぼくにょう)」です。

急に聞かれると日本語とどこが違うのかわかりません。とにかくわかりにくい。

日本語は「穏」と書くので右側の上部が中国語と異なります。中国語では「禾+急」で構成されています。

「穏」の旧字体は「穩」なので、日本と中国で簡略化するときにどこを省略するかに違いが出たようですね。どっちが日本の漢字でどっちが中国の漢字かわからなくなりそうなので、違いがあることだけでも覚えておきましょう。

日本語と中国語の漢字の違いは奥深い

まだまだ紹介しきれていない漢字がたくさんあるのですが、今回は日本と中国で違う漢字の中でも代表的なもの30選をお届けしました。

調べれば調べるほど漢字は奥深いものだと実感しています。

最後に参考資料のご紹介です。中国語検定を運営している一般財団法人 日本中国語検定協会が『中国語の環』で誤りやすい簡体字の一覧をまとめて提供してくれています。

わかりやすくまとめられているので、試験前など最終チェックに活用できそうですよ! 


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無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。

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ABOUT US
フミコフネット試験ウォッチャー
幼少からのジャッキー・チェン好きが高じ中国に興味を持つ。大学卒業後、広州に約1年留学。帰国後は派遣で経験を積み事務職のエキスパートに。2011年7月から縁あって中国語を使う仕事に巡り合い再び中国へ渡る。上海、深圳、広州でコンサルティング営業を約4年半行い、日本に帰任するも激務に耐えきれず退職。現在は「自分のできることだけをやる」フリーランス。結果、中国に深くかかわっている。