中国で働くのに必要な中国語力とは?翻訳機でどこまでいける?

中国語を勉強している方の中には、いつか中国で働いてみたいという方や、もう働くことが決まっていてワクワクしているという方も多いかと思います。今回はそんな方の参考になればと思い、実際に中国で働いている日本人に、その実態をインタビューしました。もちろん、それぞれの環境が違うので、一概にこうという答えはないので、1つの事例として参考になれば嬉しいです。

また、今回はAI翻訳機の会社で働いているゆーたさんへのインタビューなので、翻訳機と語学学習の関係についても聞いて見ました。

▼今回インタビューさせていただいた方▼

ゆーたさん(@giver_yuta
1992年、東京生まれ
中国深センAI翻訳機のスタートアップ(タイムケトル社)日本市場責任者

いつ・なぜ中国に?

中国に来たのは2018年8月です。理由は少し複雑ですが、今日は簡単に言いますね。

日本で勤めていた会社を辞め、海外放浪してたんですが、その旅の終盤、香港で今の会社の社長に「一緒に働こう」と声をかけてもらい、同時に「中国語を勉強しろ」とのことで、語学研修のために深センに来ました。

生まれてからの全てはnoteに書いてありますので、もしご興味あれば読んでいただければと思います。

職場に日本人は1人?

ゆーたさん

会社は現在40名ほどです。毎日のように採用面接をしてるので、会社規模としては日々拡大しています。そして、その中で日本人、というか外国人は僕だけです。

それは、すごく刺激的な環境ですね!具体的にお仕事はどんなことをしているのでしょうか?

うちの会社は「音声翻訳機」を専門に開発販売する深セン発のスタートアップ企業です。商品はグローバルに展開してますが、その中でも、僕は日本市場全般の業務を行なってます。最近は日本法人も設立し、日本企業との業務提携など、より市場と近い距離感、そして温度感でビジネスができる環境構築に努めてます。

中国で働くには中国語力は必須?

中国語学習者が一番気になるのは語学力の部分なんですが、中国に行ったばかりの時の語学力や、現在の語学力ってどれくらいなんですか?

中国に行ったばかりの中国語力は、全くのゼロでした(笑)

いわゆる中国語を全く勉強したことがない人が「知ってる中国語をあげてみてくださ〜い」と聞かれて答えられる中国語しか知らなかったです。シェーシェー、ニーハオ、みたいな感じです。

そこから2年間の生活を通して、一応日常生活では困らないレベルにはなりました。とは言っても、今でも電話越しに相手の話が聞き取れなかったり、同僚に「(中国語で)ゆーた、何を言ってるのかわからない」と言われるので、まだまだだなと感じています(涙)

全くのゼロからというのはすごいですね。今は仕事で中国語使ってますか?

ゆーたさん

毎日のように使ってます!ただ自分の中国語ボキャブラリーや表現力が乏しいので、挨拶などのシンプルなコミュニケーションではなく、ディスカッションが必要な時は自社の翻訳機を使ってます。

中国語ができる・できないで中国での生活は変わる?

右手前の白いTシャツの男性がゆーたさん、現地で仲間との写真です。

「海外でその国の言語が話せないとどうなるか?」を想像していただいた上でお話しすると、生活面では、他国に比べて苦労が少ないです。

これは中国が今やIT技術大国になっていることと関係します。

例えばですが、食事についてはUber Eatsの中国版「饿了吗(ウーラマ)」「美团(メイトゥアン)」というアプリがあり、移動手段としては「滴滴(Didi)」という配車サービスがあるので、言葉をほとんど発さなくても移動、買い物、食事ができてしまいます。

ただ、逆にそれ以外のこと、つまり仕事を進めたりする上では中国語力が無いとすごく大変です。

特に電話対応は苦労しました。テキストメッセージで貰えれば漢字なのでかなり理解できるので大丈夫ですが、電話の時は全く反応ができず…なので、中国来てから1年間は電話に出ないようにしてました。よっぽど大事な用事であれば、テキストメッセージか何かで来るので。

深センは国際都市と言われることがありますが、英語が通じることは稀です。

参考)中国の配車アプリで必要なフレーズまとめ

中国と日本の仕事観の違い

語学以外の面で、例えば中国人と日本人の仕事観の違いってありますか?

僕が今働いてる環境や経験だけでは、中国人全体の仕事観というのはは見えてこないのですが、僕が日本と中国の両方で働いた経験から感じたことを言うと、大きく2つの違いを感じています。

問題を未然に防ぐか、発生後に対応するかの違い

問題を未然に防ぐために時間をかけて尽力するのが日本。一方で、問題は起こってから対処するし、大した問題でなければ気にしないという楽観的な感覚を持っているのが中国という印象です。

この違いは、自社だけでなく、周りの会社をみていてもよく感じ流のですが、中国企業はスピード感がある分、粗削りが多く、日本企業は丁寧な分、スピード感が遅いです。

そもそもスタートアップには、最低限の要求に応える商品を公開・提供し、顧客の反応を見ながら順次改良するという「リーンスタートアップ」というビジネスモデルが存在します。

なので、問題が発生したら対応するのは中国企業全般の特徴とは言い切れませんが、少なくとも深センのスタートアップ企業は問題発生後に対応するタイプが多いと思います。

ただ、日本の消費者が求める品質は世界的にもかなり厳しいので、この日中の特徴を噛み合わせる必要があり苦労しています。

会社のために働くか、自分のために働くかの違い

会社に恩を感じ、会社の為に働き続けるのが日本式。会社は踏み台であり、あくまでも自分の為に働くのが中国式と感じます。

日本は終身雇用制度を抜きにしても、長期間1つの会社に働き務める傾向にあります。

でも、僕の周り(中国)では3年以内に退職しない人の方が珍しいです。大体1〜2年も居れば長い方で、多くの人は転職に対して抵抗が少ないように思えます。

彼らにとっては「あくまでもキャリアステップの一歩」に過ぎず、日本で見られるような「会社に仕える」という印象とは対照的です。

ただ、働く時はしっかり働く。中国企業は日本企業より簡単に雇用関係を解消するからというのもありますし、それでなくとも中国人は仕事で成功を収め、金を稼ぐということに必死です。

日本みたいに「そこそこ稼げればいいや」みたいな人は少ないと思います。

中国の企業で働くなら身につけておきたい語学レベルは?

ゆーたさん

どのような会社で、どのポジションで働くかにより変わるので、大きく4つに分けて説明しますね。

  1. 日系企業
  2. 中国系企業
  3. 日本市場担当
  4. 中国市場担当

日系企業の場合

多くは駐在という形で日本の企業から派遣される形だと思います。この場合、最初の半年は現地の語学大学や家庭教師的なサービスを受けさせてくれることがあるので、そこで鍛えることも可能です。そもそも企業内に日本語話せる中国人通訳アシスタントがいるので、中国語力は不要という場合もあります。

中国系企業の場合

日本語を話せる人がいる可能性が低く、いたとしてもあなたに付きっきりということはないでしょう。自分で仕事を回す必要があるので、最低でもHSK6級は必要です。単語が分からないと聞き取れないし、話が深まらないので、HSK6級レベル以上は仕事しながら学ぶ方法でOKだと思います。ちなみに自分の語学レベル内で生活をしていたら語学力が一向に向上しないので、自ら学びにいく姿勢が大事です。

参考)中国語の検定試験であるHSKについてまとめています

日本市場担当の場合

社内コミュニケーションは中国語で、お客さんは日本語というケースが多いと思います。同僚との簡単なコミュニケーション、仕事上での報告ぐらいなのでHSK5-6級あればOKだと思います。

中国市場担当の場合

日本のビジネスを中国に展開する、という仕事が主だと思います。その場合、中国人をマネジメントする必要が出てくるので、専門用語や表現力のある語学力が問われるでしょうし、それ以上にマネジメント能力が問われます。

中国企業で働くなら身につけておきたい語学力以外のことは?

どういった企業で働くかによって求められる(必要となる)能力が変わってきますが、どの企業でも必要になってくることを3つ紹介します。

とっさの適応力と柔軟性

中国では決まり事がコロコロ変わるし、トラブルは日常茶飯事です。これにいちいち振り回されていると仕事にならないので、こうした状況に対しての適応力と柔軟性が必要です。

自分の意見を通す意思と勢い

中国でビジネスをしていると、向こうは平気で反論してきます。日本のように穏やかに全体最適を目指すというよりは、ぶつかり合った結果、全体最適になっていく(?)という感じなので、相手のペースに飲まれない心構えと会話力が必要です。

愛される力

相手に話を聞いてもらえるように、助けてもらえるようになるには愛され力・可愛がられ力も必須です。これは日本でも言えることかもしれませんね。しっかりと誠意を持って仕事に取り組み、わからないことがあれば素直にわからないと伝え、教えてもらう姿勢を持つようにすると良いと思います。

翻訳機と語学学習の関係について

翻訳機のプロであるゆーたさんに聞きたいのですが、ゆーたさんは自社の翻訳機を使ってるんですよね?

ゆーたさん

使ってますよ!多分僕が世界で一番この翻訳機に助けられているかとw

経営・財務・会計・生産などビジネスで深いところまで話すときは、自分のボキャブラリーではどうしても力不足で、そういう時に重宝しています。

一般的な翻訳機と違って、うちのはイヤホン型なので耳につけて話すだけで翻訳してくれますし、うちはAI翻訳機専門でやってる会社なので、巷で噂のDeepL(翻訳エンジン)含め各言語に最適な翻訳エンジンを導入しています。みなさんが想像してるよりも遥かに使いやすいと思いますよ。

たまに「翻訳機があれば語学の勉強必要ないのでは?」と聞かれることがあるのですが、ゆーたさんはどう思いますか?

それ、僕もよく聞かれるのですが、実はそれには反対の立場です。相手の語学を学ぼうと努めてこそ、相手とのコミュニケーションや理解が進みますし、何より自分の言葉で表現するってとても大事なことだと思います。今の市場の翻訳エンジンレベルでは、状況や文脈を完璧に読み取って翻訳しないですし、日本人独特の細かいニュアンスまで汲み取るのは、、、まだまだ完璧とは言えません。

とは言え、翻訳機のおかげで日常の大半の場面では苦労なく会話が出来るようになりました。今まで語学習得には並みならぬ時間や労力を割いてきたわけですから、それはそれで革命的な出来事だと思います。

なるほど、そうなると、語学の勉強と翻訳機、この棲み分けはどう図っていくべきだとお考えですか?

ゆーたさん

今後語学勉強は趣味化していくと思います。勉強してもしなくてもいい学問ですね。

現代は「個の時代」、知るべきこと学ぶべきことが常にたくさんあり、その中でも自分の向き不向きがあります。なので語学勉強苦手な人は語学勉強に割く時間を別のことに費やして、会話は翻訳機を使えばいいし、「苦手だけどいつか話せるようになりたい」と思うなら翻訳機を使いながら、語学も学べばいい。翻訳機は世界の人たちと繋がる勇気と喜びを与えてくれますし、皆さんの可能性を拡張をしてくれます。

日中英を勉強してきた僕としては、外国語を話せるというポジショニングを取って余生を生きたいところですが(笑)、これからは大事になるのは外国語を話すことでなく、外国語を通して何をするか、だと思います。僕はその点で、翻訳機というコミュニケーションツールを通して、皆さんが言葉の壁を越え、より多くの人々と繋がり、より良い世界を作っていく、その一助を担う存在でありたいと思って活動しています。

最近は海外旅行や出張もいけない状況ですが、翻訳機市場への影響はありますか?

正直にいうと、かなり壊滅的です。仰る通り、海外旅行だけでなく、そもそも直接会って対面で会話する機会が減りました。ただ、そんなコロナ禍で生まれた新しい翻訳機が『Timekettle M2』です。

対面会話だけでなく、在宅・遠隔でも多言語・多人数でグループ会話チャットが出来る「リモートモード」や在宅での語学勉強や外国語の聞き取りに使える「リッスンモード」などどこでも使える多彩な機能を搭載しています。

しかも、今までの翻訳機とは違い、完全ワイヤレスイヤホンとして普段使いができて、無料の専用アプリと繋げることで、相手とリアルタイムで話せます。

なるほど!普通のイヤホンとしても使えるのは新しいですね。一度使って見たいのですが、どこで入手できるのでしょうか?

最新型イヤホン翻訳機『M2』は支援金額1000万円を超え、絶賛先行予約販売中です!今なら最大40%OFFなので、ぜひ特設ページからチェックしてください!

中国企業で働きたい人へのメッセージ

中国語は漢字を使っているということで、他の言語に比べて圧倒的に学びやすいですし、海外で働くのであれば一番身近な国が中国と言えます。

日中の経済規模、日本の歳入源、自分のキャリアを考えて、今のうちに中国企業に挑戦するのはとても良い機会・経験になると思います。困難は多けれど、それを乗り越えた先に新しい自分が見えてきます。皆さんのこれからを応援しています!


迷わず、挫折せずに中国語を学びたいという方は、自分にあった学習方法をプロの中国語学習コーチに相談することがとても有効です。無料カウンセリングを実施していますので、ぜひ一度相談してみてください。

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無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。

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