こんにちは、中国語コーチングthe courageでコーチをしている伊地知(@taroijichi)です。
今までカリキュラム作成のために100冊以上の文法書に目を通してきましたが、そうした経験も元に、みなさんが「買ってみたいけど、どんなテキストなんだろう」と気になるテキストについて、私も気になるので、レビューをしていきたいと思います。
おすすめの文法書についてはこちらの動画をご覧ください。
今回レビューするのはこちらです!
なるべく詳細を書いたつもりですが、他にも知りたいことなどあればぜひお気軽にご連絡ください。それでは早速見ていきましょう!
どんなテキスト(教科書)なの?
このテキストのコンセプトはすごくハッキリしています。
発話速度・リスニング力を上げるために、漢字に頼るのではなく、ピンインを使って音読やシャドーイングを行うことで、「文字と意味」ではなく「音と意味」の紐付けを強固なものにしましょうというものです。
ピンインだけを使うんです、面白いです。
また、百読、つまり100回読むという具体的回数を示すことで、ラクで無いことを示しつつ、一方でモチベーションキープもできるという工夫がされています。
特徴①トレーニング方法が明記されているので迷いにくい
中国語筋トレ100読練習法は45の文章があり、その中は以下の3つの要素で構成されています。
- ピンインのみの文章
- 日本語の文章
- 漢字の文章
そして、最初は漢字の文を見ずに、まず日本語の文を読んだ後に、ピンインだけを見ながら音読をして、その後シャドーイングを行うなど、トレーニングの方法が明示されています。
トレーニング方法だけで6ページを割いているので、迷うことはないですが、特にピンインだけでの音読などは一般的なトレーニング方法とは異なるので、把握するのは少し大変かもしれません。
音源は、MP3の収録されたCDがついていて、ダウンロードなどでの入手方法がないので、CDを読み込むドライバーが必要です。
特徴②ピンインだけを読むというのが超特徴的
中国語筋トレ100読練習法の最大の特徴が、ピンインだけのページがあるということです。
ピンインだけのページを音読し、シャドーイングし、不明な単語などあればそこだけ確認をして、50~60回音読&シャドーイングを行った後に初めて漢字を見るというメソッドでトレーニングを行います。
そのため、ピンインは音声変化なども反映させ、口語に合わせたピンインとしていて、切れ目も意味での切れ目ではなく、音としての切れ目を反映しています。
the courageでもいつも「漢字に頼るな」「音の世界に入ろう」ということは伝えますが、これほど徹底しているテキストは珍しいですし、ピンインを使うというのは音と意味の直結とも少し異なり、一応発音記号をかませるというのも特徴的だと感じました。
私がピンインだけを読んでタジタジになっている様子含め、こちらの動画でご覧いただけますので、ぜひ見てみてください。
特徴③内容は新聞記者である著者によるエッセイ
中国語筋トレ100読練習法の著者は記者なので、日本語のプロとも言えるかと思います。その著者の450~500字のエッセイが教材の内容として使われています。
そのため、内容は個人のエッセイとなり、これは好き嫌いが分かれるポイントのようです。エッセイはエッセイであり、必ずしも自分の意見などと同じでないと割り切って読むことができれば、自分の意見を伝える表現も学ぶことができるので、トレーニングの内容としては良いものだと感じました。
「他人を信じられますか?」や「便利さを失いたくありませんか?」など、個人的には面白い内容だと思いました。
内容がどうしても苦手という人は、『聴く中国語』のニュースなどもピンイン、日本語、中国語がそれぞれ分けて記載されているので、そうした雑誌のニュース部分やインタビュー部分を教材にして練習しても良いかと思います。(細かく音声に合わせたピンインにはなっていませんが)
もっとこうだったら良いのに
the courageではトレーニング方法を伝える際に、そのトレーニング方法が効果的である理由を伝えることも大切にしているせいで気になるのだとおもいますが、この本の音読100回というのが、個人の成功体験によるメソッドという感じがあるので、もし可能であれば、それぞれのトレーニングがなぜ効果的なのかという理由まで明記されていると、より納得度が高く取り組めるかと思いました。
おすすめのレベルと効果的な勉強法
ここではおすすめのレベルと、このテキストを使った勉強法について説明します。
こんな人におすすめ
このテキストはこんな人におすすめです。
- HSK5級以上なんだけど会話に自信がない方
(できれば6級以上の方が良いと思います) - もっと口をついて言葉がでてくるようになりたい方
- 音で意味を捉えるということがピンと来てない(ピンと来たい)方
初中級者にとっては文が長く、難易度も高く、続けるのが難しいと感じます。最低HSK5級合格以上相当、できればHSK6級合格以上の力をつけてからが良いと思います。
効果的な勉強法
本書のおすすめの勉強法として、1課を4日かけてトレーニングするとしているので、その通りに進めると、45課×4日=180日、つまり約半年で1冊を終えるということになります。
ただ、これを継続するのはかなり大変です。
すごく効果があるのに続けるのが難しい本は他にも結構あって、英語だと『英語耳』なんかもそうですね。やり切った人は良書と言いますが、そもそもやり切るのが難しいという…
なので、リスニング・スピーキングを鍛えると決めたら、この本を中心にしつつ、飽きないように他の単語や文法も合わせて進めると良いかと思います。ただ、この本はサブ的な位置付けにするにはなかなかハードなので、あくまでもこの本を中心に、その他を追加するという方が良いです。
また、継続のためには、複数名の勉強会に参加して「次回までに○○までやります!」と宣言するなど、うまく続ける工夫ができると良いですね。
ここまでの内容は音声メディアのカレッジラジオでも配信してますので、ちょっと耳だけ空いてる時などに聴いていただけると嬉しいです。
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