中国の経済成長が著しいこともあり、中国とのビジネスを意識せざるを得なくなった方も多いかと思います。ただ、中国は近いのにまだよく知らない国でもあります。
中国とビジネスをする際に必ずと言って良いほど気になるのがそのマナーです。
中国語のビジネスメールについてはこちらの記事をご覧ください。
中国ビジネスでの挨拶
まずは中国ビジネスにおける挨拶について紹介します。中国語がペラペラでなくても、挨拶だけは中国語を使いたいという人もいると思いますが、どんな挨拶がふさわしいのでしょうか?
中国人と初めて商談するときの挨拶
初めての商談では「你好(nǐ hǎo)」の敬語にあたる「您好(nín hǎo)」が一番良いです。
これは相手や時間を選ばず、様々なシーンで使うことができるので覚えておきましょう。
日本人が中国語を勉強するときに覚える「初次见面(chū cì jiàn miàn)」「请多关照(qǐng duō guān zhào)」は、中国人が使うことはほぼ無いです。
「初次见面(chū cì jiàn miàn)」「请多关照(qǐng duō guān zhào)」は使っても全く失礼では無いけど「おお、日本人だな。」と思います。
日本人の中国語学習者からすると結構ショックですよね、、、笑
初めてではない場合の挨拶
初めてでない場合は「好久不见(Hǎo jiǔ bu jiàn)=お久しぶりです」などを使いましょう。
2回目以降は、「您好(nín hǎo)」を使う事はほとんどなく、代わりに以下のような挨拶を使うのが一般的です。
- 「好久不见(hǎo jiǔ bu jiàn)=お久しぶりです」
- 「最近忙不忙?(zuì jìn máng bu máng?)=最近忙しいですか?」
- 「谢谢您的时间(xiè xiè nín de shí jiān)=お時間くださりありがとうございます」
中国出張の際の一連の挨拶についてはこちらをご覧ください。
» 参考:【中国語の挨拶】〜出張編〜すぐに使えるカタカナ付き
握手ってするの?
中国ビジネスのシーンでは握手をするのが一般的です。
握手の文化はもともと欧米で始まったと言われていますが、中国でも初対面のときや久しぶりに会ったとき、「您好(nín hǎo)」や「好久不见(hǎo jiǔ bu jiàn)」など、挨拶の言葉をかけながら握手することがマナーとして定着しています。
手袋をしている場合は、必ず手袋をとり、手に汗をかいている場合はハンカチなどで拭いてから握手するのがマナーです。
商談の時間について
まず、日本と同様、時間を守ることは大切なルールです。
時間に遅れることで信用を失ってしまうこともありますので、遅れないようにしましょう。
どうしても遅れそうな場合に、事前に連絡をしなければいけないという点も日本と同じです。
また、中国ビジネス特有の点として、地方によっても異なりますが、中国人は食事の時間と、そのあとの昼寝の時間を非常に大事にするので、11時30分から13時30分ぐらいまではアポを取らないほうが無難です。
名刺交換・自己紹介
日本のビジネスでは基本的に名刺交換をしますが、中国で名刺交換をするかどうかは業界や会社、経営者によって異なります。
例えば、私は2015年の春から中国に出張する機会が増え、中国の経営者と仕事するようになりましたが、その時から日本に比べ名刺交換の機会が圧倒的に少なくなっています。
名刺交換の代わりに、中国版のLINEである「微信(WeChat)」の交換をすることがよくあります。
最近ではWeChatを使って名刺交換をするミニプログラム(小程序)ができてとても便利です。
日本にも名刺交換アプリはありますが、ビジネスシーンでそれが名刺交換に代わるような状態では無いですよね。
とは言えもちろん紙の名刺交換をする機会もあります。その際の交換の仕方は基本的に日本と同じで、両手で交換し、時間をかけて確認していることを相手に示します。
その後、名刺を丁寧にしまうか、テーブルがある場合はテーブルの上に名刺を置くようにします。
紹介する順番も日本と同じく、地位の高い人から順に紹介していきます。
これは感覚値なのであくまでも参考程度と考えて欲しいのですが、紙での名刺交換をする確率の高い業界は「金融」「弁護士」「不動産」「政府部門」「大手メーカー」などで、逆に低い業界は「小売」や「卸売」など、といった印象です。
名前の呼び方
初対面の場合、相手が男性であれば「○○先生(xiān shēng)」女性であれば「○○小姐(xiǎo jiě)○○女士(nǚ shì)」と呼びかけるのが無難です。
外資系や国際貿易関連の企業ですと、ほとんどの人は英語の名前を持っているので、名刺に書いてある場合や口頭で教えてくれた場合はそのまま英語名で呼ぶのも良いです。
喫煙マナー
中国では日本ほどの禁煙化は進んでいません。なので、タバコを吸うというシーンに出会う機会は日本以上に多いかと思います。
中国では、タバコを吸う場合、自分のタバコに火をつける前に、自分のタバコを相手に1本差し出す(あげる)のが一般的です。相手が受け取ったら、火もつけてあげましょう。
また、逆ににたばこを差し出されたら、無理にではありませんが、基本的には受け取るようにしましょう。
宴会でのマナー
日本と同様に、中国でも座席は意味を持つものとされているので、相手の指示があるまで座らないほうが無難です。
食事はホストによる「乾杯」が始まりの合図となります。
お酒はかなり強く勧められることが殆どで、飲まないのは難しいかもしれませんが、体調が悪い場合などはその旨をしっかりと伝えるようにしましょう。
また、料理は「出された料理は十分な量でした」という意思を示すため、少し残すのがマナーと日本ではよく耳にしますが、実際私が参加した宴会で料理が足りなかったということは一度もないので、好きなものを好きなだけ楽しそうに食べている顔をホストに見せるのが一番喜ばれるでしょう。
服装
中国ビジネスでは私服が一般的です。
日本でのビジネスはまだまだスーツというのが一般的ですが、中国では、弁護士や金融業界など一部の業界を除き、基本的に服装にこだわりがないので、私服で全く問題ありません。
初めての時や重要な商談で気合を入れたい時でも、ビジネスカジュアルで十分です。
まとめ(ビジネス文化について)
以上で中国の人と商談や宴会を行う時のマナーについてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
マナーや礼儀は人に良い印象を与え、その後の信頼関係の構築に役立つという意味で日ごろ気を配ることは必要だと思います。
日本人は日ごろからマナーなどを大切にしているので、基本的には日本と同じように対応していれば問題ありません。
私は中国と日本の双方でビジネスを行っているのですが、そんな中でよく日中の違いを感じますが、それはマナーではなく商習慣やビジネス文化だったりもします。
例えば、日本でもよく知られていますが、中国人はとにかく面子(メンツ)を重んじます。
そのため、話すメリットがないと感じても、こちらのメンツを潰してはならないと思い、否定したり無視したりすることがないので、「この社長はいつでも会ってくれるし、会うといつもニコニコしているんだけど、でもこちらの要望は一つも受け入れていない。何考えているかが分からない!」ということも起こります。今後こうしたことについてもまとめて紹介できればと思います。
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無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。
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大手日系企業に就職し、今は自分の会社で中国と密なビジネスを行なっている私が、実際の現場での経験をもとに中国のビジネスマナーについて説明していきます。