中国語と日本語の挨拶は概念が異なることがあります。私自身も勉強し始めたころ、習ったのはよいものの、「どんな時に使ったらいいのかなぁ」「不自然じゃないかなぁ」と戸惑うこともありました。この記事では使用するケースも合わせてご紹介しますので、実際にどういう場面で使うのかを感じて頂ければ嬉しいです♪それでは早速見てみましょう!
中国語でお疲れ様は辛苦了?
日本語の「お疲れ様」はどういうときに使うでしょうか?
例えば、簡単な挨拶、帰り際(先に帰る時)、ねぎらう時などでしょうか。
中国語の「辛苦了(Xīnkǔ le シンクゥ ルァ)」は「お疲れ様」という意味ですが、実は今あげたケースの中で「辛苦了」を使わない事があります。「辛苦了」辛いと苦しいという漢字が含まれていることもあり、少し大変な状況に対して、ねぎらいを伝えたいときに使用します。
それではケースごとに分けて、実際の表現をみてみましょう!
簡単な挨拶として使う中国語でお疲れ様

例えば、会社の人と挨拶するとき「お疲れ様」、友達とも「おつかれ~」と言うことがありますよね。このニュアンスの場合は、「辛苦了」だと少し大げさすぎます。「そんなに疲れてないよ!」となるかもしれません。中国語では「おはよう」や「こんにちは」で同じ表現になりますよ。
おはよう、おはようございます
早
(Zǎo)
ヅァオ
こんにちは
你好
(Nǐ hǎo)
ニィ ハオ
早は、早上好(zǎoshang hǎo ヅァオシャアン ハオ)の略になりますが、「早上好」もかしこまった表現になるので、日常では「早」を使います。日本人からすると、「早上好」まで言った方がよい感じがしますが、目上の方に使う場合でも「早」を使って大丈夫です。敬語のようにしたい場合は、前に名前や役職と合わせて「早」を使います。
李社長、おはようございます
李总早
(Lǐ zǒng zǎo)
リー ヅォン ヅァオ
李社長、こんにちは
李总,您好
(Lǐ zǒng, nín hǎo)
リー ヅォン, ニン ハオ
总は社長になり、总经理(zǒng jīnglǐ ヅォン ジィンリー:社長)の略になります。
他にも、下記のフレーズで同じような表現ができますよ。
日本語でもお疲れ様のあとに同じようなこと話すことがありますね。
お元気ですか?
您身体还好吗?
(Nín shēntǐ hái hǎo ma?)
ニン シェンティ ハイ ハオ マァ?
ここでの「还」は、「まあまあ」「まずまず」といった控えめなニュアンスを表します。
中国には「中庸」という考え方があり、あまり親しくない相手やフォーマルな場面では、たとえ実際の状況が「很好(とても良い)」や「很差(とても悪い)」であっても、「还好」や「还可以」のように濁して返すことが一般的です。
なので、答える側が返しやすいように、質問の段階でも「还」を入れて尋ねることが多いのです。
(もちろん、プライベートな場面や気心の知れた相手であれば、率直に伝えても問題ありません)
最近どうですか?
最近怎么样?
(Zuìjìn zěnmeyàng?)
ヅゥイジン ヅェンマヤン?
ご飯食べましたか?
吃饭了吗?
(Chī fàn le ma?)
チー ファン ルァ マァ?
「吃饭了吗?(ご飯食べましたか?)」は、北方で時々耳にする挨拶の言葉です。
あっさりと「吃了(食べました)」と返しても構いませんし、会話を広げたいときは「吃了,你呢?(食べました。あなたは?)」と聞き返しても大丈夫です。
帰り際に使う中国語でお疲れ様

続いて、帰り際に使う表現をみていきましょう!会社から帰る時や、友達と別れる時に私たちも「お疲れ様です」「おつかれ~!」と言いますよね。
この場合も「辛苦了」だと強すぎるので、日本語の通常の挨拶と同じように、さようならを使います。
さようなら(またね)
再见
(Zàijiàn)
ヅァイジエン
友人や親しい間柄であればよりフランクな表現で、バイバイでも大丈夫です。
バイバイ
拜拜
(Báibái)
バイバイ
相手を見送る場合は「慢走」を使います。お店から出る時に店員さんがお客さんに言っているのを良く聞きます。その場合はお客さんなので「请慢走(Qǐng màn zǒu) チィン マン ヅォウ:帰る時にお気をつけて」と丁寧に言っています。
ゆっくり行って(=帰る時に気を付けて)
慢走
(Màn zǒu)
マン ヅォウ
もし自分が先に帰るときやその場を離れる場合は、「我先走了」が使えます。もし、「すみませんが」と表現したければ「不好意思(bùhǎoyìsi) ブゥハオイィスー」を前につけると良いですよ。
お先に失礼します
我先走了
(Wǒ xiān zǒu le)
ウオ シエン ヅォウ ルァ
ここの「了」は「先に行くことにするね」のように決定を表しています。(変化の「了」の用法の一種でもあります)
すみません、お先に失礼します。
不好意思,我先走了
(Bùhǎoyìsi, wǒ xiān zǒu le.)
ブゥハオイィスー, ウオ シエン ヅォウ ルァ
次に会うことがあらかじめわかっている場合は、いついつ会いましょうというフレーズが使えます。
また明日(会いましょう)
明天见
(Míngtiān jiàn)
ミィンティエン ジエン
また来週(会いましょう)
下周见
(Xià zhōu jiàn)
シア ヂョウ ジエン
挨拶のパターンを増やしたければ、下記を使ってみても良いでしょう。
良い週末を!
周末愉快!
(Zhōumò yúkuài!)
ヂョウモォ ユィクワイ!
道中気を付けて!
路上小心!
(Lùshang xiǎoxīn!)
ルゥシャアン シアオシン!
ねぎらう時に使う中国語でお疲れ様

続いてねぎらう時の「お疲れ様」を見ていきましょう。お待たせしました、ここで「辛苦了」を使います。
大きなプロジェクトを終えたとき、打ち上げ等で社員の労をねぎらいたい時に使います。
皆さんお疲れ様
大家辛苦了!
(Dàjiā xīnkǔ le!)
ダァジア シンクゥ ルァ !
移動を伴う仕事や出張から帰ってきた時にも使えます。
個人に対しては、以下のように言います。
お仕事お疲れ様
您工作辛苦了!
(Nín gōngzuò xīnkǔle)
ニン ゴォンヅゥオ シンクゥ ルァ!
「您」は尊敬語なので、普通に話す時は「你」でも良いです。
その後に下記をつけるとより会話が続きますよ。
よく休んで
好好休息
(Hǎohāo xiūxi)
ハオハオ シウシィ
疲れたでしょう?
累了吧?
(Lèi le ba?)
レイ ルァ バァ?
他にも、母の日にメッセージで、日頃の感謝を伝える時に使われますよ。
お母さんお疲れ様
妈妈您辛苦了
(Māmā nín xīnkǔ le)
マァマァ ニン シンクゥ ルァ
ちなみに、両親に対して「您」を使うか「你」を使うかについてですが、普段話す時には「您」を使う必要はなく、「你」で十分です。ただ、手紙を書く時や大勢が出席する正式な行事など、フォーマルな言葉遣いが求められる場面では「您」を使う方が良い場合もあります。
メールの書き出しで使う中国語でお疲れ様

中国語でメールをする場合はどうでしょうか?日本だとメールの文頭を「お疲れ様です」からはじめるケースも多いですよね。やはりここでも「辛苦了(xīnkǔle)シンクゥラ」は普通使いません。今まで見てきたように挨拶を使います。
こんにちは
您好
(Nín hǎo)
ニン ハオ!
こんにちは(午前中)
上午好
(Shàngwǔ hǎo)
シャアンウゥ ハオ
こんにちは(お昼頃)
中午好
(Zhōngwǔ hǎo)
ヂォンウゥ ハオ
こんにちは(昼過ぎから夕方まで)
下午好
(Xiàwǔ hǎo)
シア ウゥ ハオ
こんばんは
晚上好
(Wǎnshang hǎo)
ワンシャアン ハオ
同じ「こんにちは」でも時間帯によって表現が変わるのが、面白いですよね。ちなみに、電話やメールで定型文として使う「お世話になります」もこれらの挨拶を使うことが多いです。丁寧にしたいようであれば、前に名前や役職をつけることをおすすめします。
一般的なやりとりのメールを紹介しますので、違いのイメージをつかんでみて下さい。
※あくまで一例ですので、参考程度にご覧いただければ幸いです。
王マネージャー
お疲れ様です。
来週の会議の内容を送付します。
ご確認の程、宜しくお願い致します。
佐藤
王经理
您好!附件里是下周的会议内容,请查收。
祝好!
佐藤
ピンイン:
Wáng jīnglǐ
Nín hǎo! Fùjiàn lǐ shì xià zhōu de huìyì nèiróng, qǐng cháshōu.
Zhù hǎo!
Zuǒténg
直訳:
王マネージャー
こんにちは。添付書類の中は来週の会議の内容です。ご確認ください。
どうぞお元気で!
佐藤
日本語に比べると、中国語のほうがかなりすっきりとした印象を受けますよね。
言い回しについて、日本語でも「ご査収ください」という表現を使うことがありますが、中国語の「查收」も同様に「よく確認して受け取る」という意味で、書類や資料を送付する際によく使われます。
また、頻繁にやり取りのない相手には、「请查收」の後に締めくくりとして「祝好!(どうぞお元気で)」を添えることもあります。
書式について、中国語で文章を書く際に先頭に2文字分空けるというルールがあるので、「附件里〜」の前に2文字分空けていますが、近年では特に電子メールなど、ネットでやり取りをする際は空けずに書くケースも増えているようです。
署名の位置についても、中国語では右詰めが一般的なので、日本語の文書とは少しフォーマットが異なりますね。
まとめ
「お疲れ様です」という言葉1つみてみてもこんなに違うのかと驚く方もいらしたかもしれませんね。はじめは難しいと感じるかもしれませんが、使っていけば自然と慣れていきますので大丈夫です。チャンスがあったら是非使ってみてください。
コツコツと続けることが大切ですので、焦らず続けて行きましょう!最後までご覧いただきありがとうございました。皆様の中国語学習がより良いものになりますように!
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今回は中国語の「お疲れ様」についてまとめてみました。