【レビュー】『中国大接近 理解を深めるリスニング』中国語コーチングのプロが正直レビュー

こんにちは、中国語コーチングthe courageでコーチをしている伊地知(@taroijichi)です。

今までカリキュラム作成のために100冊以上の文法書に目を通してきましたが、そうした経験も元に、みなさんが「買ってみたいけど、どんなテキストなんだろう」と気になるテキストについて、私も気になるので、レビューをしていきたいと思います。

おすすめの文法書についてはこちらの動画をご覧ください。

今回レビューするのはこちらです!

中国大接近 理解を深めるリスニング

なるべく詳細を書いたつもりですが、他にも知りたいことなどあればぜひお気軽にご連絡ください。それでは早速見ていきましょう!

どんなテキスト(教科書)なの?

毎月その時その時の時流に合わせた内容で中国語が学べる『聴く中国語』という月刊誌があるのですが、その最初にいつも掲載されているコラムを集めて書籍化したものです。

ただ、そしたら今まで全部雑誌買ってる人にとってはもう要らないのでは?となるかもしれませんが、そんなことはないんです。

というのが、このコラム、楽しいは楽しいんですが、結構なボリュームで、中上級者でも聴くのがまあまあ大変なんです。でも、今回はそれをより教材として使いやすいように、68分割して掲載してくれているので(だいたい1分割分が200~300字くらい)、頑張れば1日で1つできるし、コッテリ1週間の宿題にしても良いしという感じで、レベルやペースに合わせて使いやすくなってます。

ちなみに『聴く中国語』は個人的に学生の頃からずーっと大好きで、こちらの動画でも何が良いのかについて語ってるのでぜひご覧ください。

特徴①内容が面白い

中国大接近って、改めて考えるとすごい名前だなと思うんですが、ちょっと勝手にタイトルの意図を汲み取ると、近いようであまり良く知らない中国、その中国のことをより知ることで、地理的にだけじゃなくて、心理的にも大接近!的な感じかなと。

なんでかというと、このコラムは内容が本当に面白くて、いわゆる北京の人のイメージってどんななの?とか、一口で辛いという中華料理も各地でその「辛い」は違うよねとか、そんな内容がかなりコッテリと書かれてます。

これを毎月掲載してくれてる『聴く中国語』すごいなあって…また愛を長々と語りたくなるくらい内容が楽しいです。

しかもバランスが良いんですよね。砕けすぎてファニーな「楽しい」じゃなくて、中国に対しての知的好奇心をほどよくくすぐる上品な「楽しい」という感じです。

特徴②ヒントという名の設問がある

『聴く中国語』愛読者として、最初にびっくりしたのが、コラムの前に、コラムの内容に対しての設問があるということです。月刊誌には無いのに!

イメージとしては、「北京で最も愛されている食べ物は何ですか?」とか、「今中国の若者が感じている一番の悩みは何ですか?」というような設問で、それはコラムを聴けば(ここはあえて読めばではなく聴けば)わかるようになってます。

これ、すごい教育現場のことを考えてくれてるなって感じます。

the courageではHSKの教材を使ってリスニングトレーニングを行うことが多いですが、「最後に設問が流れるから、それに対して自分で答えられるように集中して聞きましょう」と伝えることがあります。

これは、設問に答えるというフックを設けることで、音源を聞くときの集中力が格段に上がり、聞き流しになってしまうことを防ぐためです。

しかも、会話の練習の場合、この設問をキッカケにそこから話を広げるなんてこともできますよね。

「ヒント」という名の設問が独学者にとっても教育現場にとっても役立つ要素として加えられているのは大きな特徴だと思います。

特徴③使用表現に対しての例文も豊富

これは月刊誌の方でも同じですが、使用されている重要表現については、その意味だけではなくて、その表現が使われた例文がそれぞれ3つ記載されています。

1つだけだと使い方やニュアンスがピンと来にくいことがありますが、3つあると、どんなニュアンスで使われるのかということを感覚としても理解しやすくなります。

本文と合わせると4つですしね。

おすすめのレベルと効果的な勉強法

ここではおすすめのレベルと、このテキストを使った勉強法について説明します。

こんな人におすすめ

このテキストはこんな人におすすめです。

  • 基本文法は勉強したことがある
  • コッテリとした長文に挑戦したい
  • 活きた中国語に触れながら中国のことも知りたい

実際におすすめすることを考えると、HSK5級・6級に合格している方で、読解力やリスニング力をより強化したいという方、そしてドラマなどでの勉強も好きだけど、ちゃんとスクリプト(原稿)があって復習可能な素材を探しているような方には猛烈にすすめます。

効果的な勉強法

活用の方法はいくらでもあると思いますが、1つの方法として、リスニングとリーディングをいったりきたりするような活用が効果的かと思います。

  1. 設問を読んで、自分が意識して聞くポイントを確認
  2. 力試しで聞いてみる
  3. 答え合わせ&精読
  4. 音シャドーイング
  5. 意味シャドーイング
  6. せっかくなのでリーディングまで

①設問を読んで、自分が意識して聞くポイントを確認

せっかくヒント(設問)が最初にあるので、最初にそれを聞いて(ここは読んでも良いかと思います)、今からどんな情報を特に注意して聞いたら良いかなということを頭にいれておきましょう。

②力試しで聞いてみる

まずはすごくちゃんと聞けるかどうかは置いておいて、力試しのつもりでリラックスして聞きましょう。

その後听写(ディクテーション)を挟んでも良いです。

③答え合わせ&精読

自分が聞き取れたところ、聞き取れなかったところの確認をして、聞き取れなかった箇所については「単語・文構造や語順・音・スピード」のどれに問題があって聞き取れなかったのかを確認して、それらをクリアにしていきます。

結構多いのが、文構造について、そういう構文を知ってはいるんだけど、全然慣れてないから「なんだっけ?」って考えてる間に抜けていったというようなケースです。これは慣れによる処理スピードがまだ身についていないという状態なので、簡単な単語に入れ替えた同じ構造の文を何度も音読するなどしてクリアにしていきます。

④音シャドーイング

精読(100%理解度のリーディング)ができるようになったら、音源の少しあとから真似して発話するシャドーイングを行います。

最初はスピードに追いつけないかと思いますので、0.5倍速など、かなりゆっくりに減速して行い、それができたら、0.6→0.7→0.8と、少しずつスピードを上げていき、最終的には1.2倍速でも大丈夫という状態を作ります。

この時には多少意味が飛んでしまっても良いです。

⑤意味シャドーイング

ここからは意味を捉えながら、自分の言葉のようにシャドーイングを行います。

そうすると、④の音シャドーイングでは1.2倍速でできていても、なぜか意味が飛んでしまう箇所などが出てきて、かなり難しく感じるはずなので、改めて、0.5倍速などに減速してはじめると良いです。音シャドーイングとは別のフェーズなので、悔しがらずに減速しましょう。

そして、こちらも1.2倍速でできるところまでもっていけたら完成です。

⑥せっかくなのでリーディングまで

最後に、そのシャドーイングの感覚で(それよりも少し速いスピードで)中国語のまま意味を捉えながらリーディングを行うのも有効です。

リーディングは自分のペースで読めるので、ついつい逐語訳のようなことをしながら読み進めてしまいがちですが、リスニング(シャドーイング)で中国語のまま意味を捉えるというトレーニングの後であれば、その感覚を持ってリーディングを行うことができるので「リスニングするようにリーディング」をしてみてください。

学習ペースについて

ここまでコッテリやり込むのには結構時間もかかるので、1週間で1課(1コラム)できたら十分すぎるくらいのハイペースで、他の勉強などもあることを考えると、1ヶ月で1課(1コラム)、あるいは1週間で1分割分、つまり6~8週間で1課(1コラム)でも良いかと思います。これは現状のレベルと、確保できる時間によって異なるので、心地良いリズムを見つけてみてください。

中国大接近 理解を深めるリスニング


迷わず、挫折せずに中国語を学びたいという方は、自分にあった学習方法をプロの中国語学習コーチに相談することがとても有効です。無料カウンセリングを実施していますので、ぜひ一度相談してみてください。

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無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。

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ABOUT US
伊地知太郎中国語コーチングスクールthe courage代表コーチ
大学在学中、中国の北京師範大学に留学し、1年で中国語力をビジネスレベルにまで高める。帰国後、三菱重工業株式会社にて海外人事・資材調達業務を経験。その後、語学コーチングスクールPRESENCEにて700名以上の受講生の語学学習をサポート、コーチの育成や中国語コースの立ち上げを経て、語学コーチングスクールthe courage(カレッジ)を設立。