“要yào”“得děi”“应该yīng gāi”、どれも「~しなければいけない」という意味だと教わり、それぞれの使い分けがわからないという方は多いのではないでしょうか?
こうした似ている言葉については、同じように使えることも多いので、共通点と相違点をそれぞれ分けて考えるととても理解がしやすいです。
そこで、今回はこれら3つの助動詞について、その共通点・違いについてそれぞれ説明します。
全体をまとめた表も最後に添付しているので、最後まで読んでしっかりと理解しましょう。
“要”“得”“应该”の共通点
まずは共通点から見ていきましょう。
共通点は大きく以下の4点です。
助動詞として動詞の前に置く
“要”“得”“应该”いずれも、文の中では動詞の前に置きます。
「~しなければならない」「~すべきだ」を表す(義務・当為)
“要”“得”“应该”いずれも「~しなければならない」「~すべきだ」「~した方が良い」という意味を表します。
少し難しい言い方で「義務・当為」を表すと言ったりもします。
以下の文はどれも「あなたは買い物に行かなければならない。」と訳すことができます。
你要去买东西。
你得去买东西。
你应该去买东西。
※“我要去买东西。”という場合には「~すべき」の意味の他に、願望を表し「~したい」という意味で使われることもありますが、これは文脈で判断することになります。
「~しなければならない」「~すべきだ」の否定は“不用”“不必”
ここまで確認してきた、「~しなければならない」「~すべきだ」「~した方が良い」を否定して、もし「する必要がない」という意味を表す時には、それぞれの助動詞に否定副詞の“不”をつけるのではなく、“不用~”“不必~”で表します。
以下の文はどれも「私は買い物に行く必要がない」と訳すことができます。
我不用去买东西。
我不必去买东西。
もしそれぞれの助動詞に否定副詞の“不”をつけたらどのような意味になるのかも確認しておきましょう。
我不要去买东西。→私は買い物に行きたくない。
我不应该去买东西。→私は買い物に行くべきではない。
💡“不得”の用法は無いので“我不得去买东西。”ということはできません
重ね型がない、助詞がつかない
これらの助動詞は能願動詞とも呼ばれ、重ね型を作ることができません。
また、助動詞の直後に助詞の“了、着、过”がつくこともありません。
※ただし、文末の「状態の変化」を表す“了”については“我 要/得/应该 去买东西 了。”というようにそのことをすべき状態に変わったという意味で使うことができます。
“要”“得”“应该”の違い
さて、ここからが肝心の違いについてです。
違いについては、大きく以下の2つが挙げられます。
ニュアンスや使うシーンが違う
“要”“得”“应该”はすべて「~すべき」と訳すことができます。また、ほぼ同じ意味で、どれを使っても問題無いシーンも多いです。
例えば特に前後の文脈がなく“你 要/应该/得 早点出发。”(あなたは早めに出発すべきだ)と使う場合などは、3つのどれを使ってもその意味に大きな差は表れません。
ただ、それぞれニュアンスや使えるシーンが異なることもあるので、その点についておさえておきましょう。敢えてほとんど同じ例文でそれぞれを入れ替えているので、入れ替えた場合の意味の違いを確認すると理解がしやすいです。
要
“要”は主観として自分が必要性と感じて「しなければいけない」と感じた時などに使います。
既然你那么喜欢中国,那么你要好好学习中文。
→あなたはそんなに中国が好きなら、(好きだから、強制という意味ではなく)しっかり中国語の勉強をすべきだね。
这次比赛,我要得第一名!
→今回の試合、私は(自分の意志として)一番を取らなきゃ!
得
“得”は客観的な(事実上の)必要性から、自分の好き嫌いなどに関わらず「~べきだ」「~する必要がある」という時などに使います。
你是中文专业的学生,所以你得好好学习中文。
→あなたは中国語専攻の学生だから、(好き嫌いに関わらず)しっかり中国語の勉強をすべきだね。
这次比赛,我得得第一名!
Zhè cì bǐsài, wǒ děi dé dì yī míng!
→今回の試合、私は(自分の意志とは関係なく)一番を取らないといけない!
※これは親や先生からの期待が強く、自分が義務感をかんじてしまっているようなニュアンスですね。
应该
“应该”は道理からして当然「~べきだ」という時などに使います。
如果想去中国留学的话,你应该好好学习中文。
→もしあなたが中国に留学に行きたいなら、あなたは(道理として当然)しっかり中国語の勉強をすべきだね。
这次比赛,我应该得第一名!
→今回の試合、私は(道理として当然)一番を取らないといけない!
※ここでは書かれてはいませんが、「道理として当然」というニュアンスなので、誰よりも練習をして、誰よりも想いが強いからなどの背景を感じることができます。そのため、訳としては「一番をとるはずだ」とすることもできます。
そして、この“应该”は「きっと、必ず」を表す副詞の“一定”で修飾することができません。
以下の通り、“要”と“得”は“一定”と一緒に使うことができます。
◯你一定要好好学习。
◯你一定得好好学习。
✕你一定应该好好学习。
おそらく、“应该”の表す義務は、道理などの客観的な要素から由来しているため、この客観的な状況を主観的な「きっと、必ず」を表す副詞の“一定”で修飾すると相性が悪く、一緒に使うことができないものと考えられます。
反復疑問文の作り方/単独での回答ができるかどうかが違う
反復疑問文を作る時の形も異なります。
“要”はわかりやすく、“要不要”と反復疑問文を作ることができますが、“得”は反復疑問文を作ることができません。また、“应该”は要注意で、“应该不应该”ではなく、反復疑問文は“应不应该”という作り方になります。
また、質問に対しての回答として、“要”と“应该”は単独で回答することができますが、“得”は単独で回答することができません。
◯她要不要去?→◯要去。◯要。
✕她得不得去?→◯得去。✕得。
◯她应不应该去?→◯应该去。◯应该。
得děiの疑問文を作る時は“她得去吗?”にすればOKですね。この“吗”を使った疑問文は“要”でも“应该”でも作ることができます。
“谢谢”とお礼を言われた時に「当然のことをしただけです」という意味で“应该的”と返すことなどもできます。これは意味の違いで触れた「道理として当たり前のこと」というニュアンスとも関係してますね。
まとめ
今回お伝えした「~しなければいけない」を表す“要”“得”“应该”の違いについて、以下の通りまとめてますので、もし迷ってしまった場合はまた見直して確認をするようにしましょう。
要 | 得 | 应该 | |
---|---|---|---|
意味(行為主体の意志の自由度が若干違う) | 自発的、主観としての必要性からの「~べきだ」 | 客観的、事实上の必要性で好き嫌いとは関係ない「~べきだ」 | 道理からして当然の「~べきだ」 |
否定の作り方※1 | “不要”は願望の否定で「~したくない」 | “不得”の用法は無い | “不应该”は「~すべきではない」 |
反復疑問文 | ○ 例:他要不要去? | × | ○ 例:他应不应该去? |
単独での回答 | ○ 例:要。 | × | ○ 例:应该。 |
副詞「一定(必ず)」の修飾 | ○ 例:你一定要好好学习。 | ○ 例:你一定得好好学习 | × |
※1「~する必要が無い」という時には“不用or不必”を使う
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“要”→你要去买东西。
“得”→你得去买东西。
“应该”→你应该去买东西。