中国語とは
中国語とは何かを調べてみると、以下のように説明されています。
中華民国・中華人民共和国・シンガポールの公用語であるほか、世界各国にいる華僑・華人たちの間で話されている。各方言を含む中国語を母語とする人は約13億9000万人、第二言語としても約2億人が使用しているといわれており、世界最大の母語話者人口を有する。国際連合における公用語の一つである。
Wikipediaより引用
この中に「各方言を含む」とあるように、一言で「中国語」と言っても、標準語や、方言があるんですね。ここからは標準語と方言の違いや、具体的にどんな方言があるのかなどについて説明して行きます。
中国語の標準語と方言
中国語には、7つの方言、2種類の文字、そしてたくさんの訛りが存在します。広大な国土に多様な人々が暮らす国ですから、言語の地域差は、日本語の方言よりもずっと大きいのです。ここでは中国語の標準語や方言について説明して行きます。
一般的に「中国語」といえば普通話(マンダリン)
中国の共通語である普通話(プートンホア)は、発音は北京語を標準に、語彙は北方方言をもとにして作られたものです。ちょうど、日本語の標準語が東京方言を基礎に作られたのと同じで、意図的に作られた言語です。
中国国内をはじめ、世界中で学ばれている、いわゆる「中国語」というのは、この普通話のことです。これは中国全土どこへ行っても通じる言葉で、中国政府公認のローマ字表記「ピンイン」を発音記号とします。
英語では広東語のカントニーズ(Cantonese)と区別して、この標準語をマンダリン(Mandarin)と言います。
中国語の方言にはどんな種類がある?7種類の方言
中国では、その地域や民族によって色々な方言が使われています。その中でも、特に有名な方言のことを「中国語の7大方言」としてまとめています。それぞれの言葉についてまとめたものを紹介します。
- 北方方言(ほっぽう方言)
長い間、北京が中国の政治・文化の中心であったことから、政界で使われる言葉、官僚が使う言葉ということで、官話方言とも呼ばれます。普通話の基礎になった言語で、中国国内ではおよそ9億人が使用しています。また、海外でも中華系の人々の間で幅広く使われており、使用人口は世界最多と言われています。 - 湘方言(しょう方言)
湖南省の一部、広東省・広西チワン族自治区北部、四川省の一部で話されており、その代表として長沙語(新湘語)と双峰語(老湘語)が挙げられます。毛沢東の母語としても有名です。中国でおよそ9千万人が使用しています。 - 呉方言(ご方言)
上海市、浙江省の大部分、江蘇省南部、安徽省南部および江西省、福建省の一部で話されており、上海語もこれに含まれます。こちらも9千万人近い話者がいます。 - 閩方言(みん方言)
福建省、広東省東部および西南部、海南省、浙江省南部で話されています。台湾語はここから派生したものです。使用人口はおよそ七千万人です。 - 贛方言(かん方言)
江西省中部・北部、湖南省東南部、安徽省・湖北省の一部で話されている方言で、江西語・南昌語がこれに含まれます。使用人口は7大方言のうち最少です。 - 粤方言(えつ方言)
ほぼイコール広東語のことです。大陸の広東省、また香港やマレーシア、マカオで多く使用されています。ベトナム語やタイ語との関連性も深いと言われています。標準語としての「普通話(プートンフア)」との差が大きいのも特徴です。 - 客家方言(はっか方言)
漢民族の客家人が使う言葉です。中国では広東東部および江西,福建の隣接部一帯で話されるほか,南中国及び台湾に広く散在する。客家人は中国あるいは台湾の外で暮らす華僑人口の約3分の1を占め、使用人口は推定3700万人と言われています。
中国で話されている全ての言語が7つに分類できるわけではなく、中国は多民族国家で、漢民族のほかに少数民族がおり、その中には独自の言語をもつ民族もいます。これらの言語を「中国語の方言」と位置付けるかという考え方の問題もありますが、知識としては持っておきましょう。
普通話と広東語
中国語というと広東語(カントン語)を思い浮かべる人もいるかもしれません。標準語である「普通語」と「広東語」の違いや、どちらを学ぶのがおすすめかを説明します。
普通話と広東語では読み方が全く違う?
同じ国の中での方言というと、日本語だったら関東と関西、英語だったらアメリカ英語とイギリス英語のようなものを想像するかもしれませんが、中国語の方言は、実は「全く意思疎通ができないレベル」の違いです。北京語と広東語は、中国語方言の中でも知名度が最も高い二大方言ですが、これらも全く意思疎通できません。ただ、書けば分かるというのが面白いところです。文法、語彙共に共通のものが多く、書けばお互いに意思疎通ができます。読み方(発音)が全く違うだけなんですね。
勉強しやすいのは普通話!
普通話の方が勉強しやすい理由の一つ目は、声調が少ないことです。
中国語では、声調というイントネーションが重要です。例えば、普通話で同じ「ma」の音でも、一声でmāと言えばお母さん、二声でmáと言えば痺れる、三声でmǎと言えば馬、四声でmàと言えば叱る/罵るという意味になります。この4つだけでも、日本人学習者にとっては難解ですよね。しかし広東語には、この声調がなんと9つもあるのです。
二つ目の理由は、普通話が学習される言語として出来上がっていることです。普通話では、ピンインというアルファベットを用いた発音記号の法則が確立しています。文法書も数多く出版されており、体系立てて学習することが可能です。一方広東語には、確立した発音記号がありません。あくまで話し言葉として発達してきた言語で、話されているのに対応する文字がない、ということもあります。
基本的には標準語として中国人が皆話せるのがこの普通語で、一般的に中国語を学ぶとだけいうと、その「中国語」が指すのはこの「普通話」ですし、教科書も特に記載がない限りは「普通話」なので、よほど特別なこだわりがない限り、勉強するのはこの「普通話」が良いと言えます。
こんな人には広東語がおすすめ!
なんといっても広東語ワールドの魅力はエンターテインメント業界です。例えば、香港映画。アクションやコメディ、ホラーまで、世界レベルの作品がずらりです。広東語を意識して聞いてみると、とてもリズミカルで楽しい言語です。中国語学習の目的がビジネスでなく、香港映画が好きな人は、「いつか香港スターに会ったらなんて言おう?」とワクワク想像しながら広東語をやってみるのもおすすめです!
台湾の普通話は台湾華語
台湾で話されているのは何語?とよく聞かれます。台湾では華語と呼ばれるちょっと独自の普通語を使っています。
普通話と台湾華語の違いは?
台湾で公用語として話されているのは普通話とほぼ同じと思って良いのですが、「台湾華語」と呼ばれます。南部の一部地域、家庭の中、親しい間柄では台湾語(閩南語)を話すこともありますが、学校や公共機関では「台湾華語」が使用されています。普通語と台湾華語の違いは、発音のクセと、一部語彙や表現の不一致ですね。この違いはまさにアメリカ英語とイギリス英語のそれに近いです。卓球の福原愛さんは東北なまりの普通話が堪能ですが、台湾人の夫と話す際、時々「それどういう意味?」と聞き合うみたいですよ。
普通話と台湾華語の違いをより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
簡体字と繁体字
簡体字
中華人民共和国(中国)で使用されている漢字は「簡体字」と呼ばれ、おおもとの漢字を簡略化したものです。建国後の1950年代、漢字を普及させ識字率を向上させるために、字画を大幅に減らした簡体字が誕生しました。
繁体字
上記の漢字簡略化の波が及ばなかったのが、香港・マカオ・台湾です。そのためこの地域では、現在でも繁体字が使用されています。日本で使用されている漢字は「略体字」と呼ばれ、繁体字に近いですが、字によっては繁体字を少し略したものになっています。例えばこのような感じです。
簡体字 (中国大陸) | 略自体 (日本) | 繁体字 (香港・台湾) |
传 | 伝 | 傳 |
价 | 価 | 價 |
单 | 単 | 單 |
地域なまりの「普通話」
ここまでの説明で「よし、普通語を学べばどこでも通じるね!」と思ったかもしれません。間違いではないのですが、中国は広いので、標準語である普通語も各地の訛りがあります。ここではその訛りについても紹介します。
地域なまりの「普通話」が中国人とのコミュニケーションの鍵?
一口に普通話と言っても、上記の台湾の例のように、地域によって発音のクセがあったり、一部語彙が違うことがあります。前述の通り普通話は「北京方言を基礎として作られた標準語」ですから、「正しい普通話」を話す人といえば、大学の中国語の先生か、アナウンサーくらいのものです。実戦で触れるのは、ほとんどが多かれ少なかれ地域なまりを含んだ普通話なのです。
お手上げ!?東北なまりの普通話
地域なまりの普通話のなかで、外国人にとって特に難解なのは東北なまりでしょう。発音のクセが強く、独特の語彙や表現が多く存在します。例えば以下のような具合です。
普通語 | 東北 |
聊天(liáo tiān) | 唠嗑(lào kē) |
不干净(bù gān jìng ) | 埋汰(mái tài) |
很多(hěn duō) | 老鼻子(lǎo bí zi) |
どちらかが東北なまりでも、中国人の間ではだいたい意思疎通ができるようですが、慣れない外国人にとっては、ちょっとハードルが高そうです。しかし中国人の間でも「おもしろい方言」として認識されている東北話、SNSのネタにもよく使われます。ちょっとかじっておくと、話題性がグッと広がりますよ。
比較的とっつきやすい、南方なまりの普通話
比較的とっつきやすいのは南方なまりです。発音のクセはありますが、巻舌音が弱く、アル化しないため、一つ一つの音がはっきり聞こえます。こちらは普通話の基礎がしっかりあれば、なじみやすいなまりと言えるでしょう。巻舌音が弱い分、日本人にとっては発音しやすくもあります。
まとめ
中国語の種類、いかがでしたか?多くの人は普通話を学習するのでしょうが、もしかしたら普通話よりももっと勉強したい中国語があるかもしれません。私も何の疑問も持たずに普通話を学びましたが、香港スターの周星馳といつかおしゃべりしたいので、今は広東語も勉強中です!
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無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。
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中国語の勉強を始めようと思ったけど、中国語にはたくさんの種類があり、どれを学んだら良いのかわからないという方も多いかと思います。この記事では、中国語の種類とそれぞれの特徴を説明するので、これさえ読んでいただければ、今自分にとって学ぶべき中国語は一体何かがわかるはずです。