中国のビジネスマナーを、挨拶から服装までプロが解説!

中国の経済成長が著しいこともあり、中国とのビジネスを意識せざるを得なくなった方も多いかと思います。ただ、中国は近いのにまだよく知らない国でもあります。

中国とビジネスをする際に必ずと言って良いほど気になるのがそのマナーです。

ジャンミン

大手日系企業に就職し、今は自分の会社で中国と密なビジネスを行なっている私が、実際の現場での経験をもとに中国のビジネスマナーについて説明していきます。

この記事は、中国と日本の両方でビジネスを行う鄧将銘さんが、2020年2月に書きました。その後に変わったことは、本人の文とは分けて、編集部の注記と追記で補いました(2026年10月)。

この記事のポイント
  • 初めての商談のあいさつは「您好(nín hǎo)」が一番良く、2回目からは「好久不见(お久しぶりです)」などを使います
  • あいさつのときは握手をするのが一般的です
  • 紙の名刺を交換するかは業界や会社によって違い、代わりにWeChat(微信)を交換することもよくあります
  • 11時30分〜13時30分ごろは食事と昼寝の時間なので、アポを取らないほうが無難です(地方によって異なります)
  • 服装は私服が一般的で、大事な商談でもビジネスカジュアルで十分です(弁護士や金融など、一部の業界を除く)。くわしくは「服装」の節へ

中国語のビジネスメールや、WeChatでのメッセージの書き方は、中国語ビジネスメールの書き方にまとめています。

中国ビジネスでの挨拶

まずは中国ビジネスにおける挨拶について紹介します。中国語がペラペラでなくても、挨拶だけは中国語を使いたいという人もいると思いますが、どんな挨拶がふさわしいのでしょうか?

中国人と初めて商談するときの挨拶

初めての商談では「你好(nǐ hǎo)」の敬語にあたる「您好(nín hǎo)」が一番良いです。

これは相手や時間を選ばず、様々なシーンで使うことができるので覚えておきましょう。

日本人が中国語を勉強するときに覚える「初次见面(chū cì jiàn miàn)」「请多关照(qǐng duō guān zhào)」は、中国人が使うことはほぼ無いです。

ジャンミン

「初次见面(chū cì jiàn miàn)」「请多关照(qǐng duō guān zhào)」は使っても全く失礼では無いけど「おお、日本人だな。」と思います。

伊地知

日本人の中国語学習者からすると、結構ショックですよね(笑)

初めてではない場合の挨拶

初めてでない場合は「好久不见(Hǎo jiǔ bú jiàn)=お久しぶりです」などを使いましょう。

2回目以降は、「您好(nín hǎo)」を使う事はほとんどなく、代わりに以下のような挨拶を使うのが一般的です。

  • 「好久不见(hǎo jiǔ bú jiàn)=お久しぶりです」
  • 「最近忙不忙?(zuì jìn máng bu máng?)=最近忙しいですか?」
  • 「谢谢您的时间(xiè xie nín de shí jiān)=お時間くださりありがとうございます」

中国出張の際の一連の挨拶についてはこちらをご覧ください。
» 参考:【中国語の挨拶】〜出張編〜すぐに使えるカタカナ付き

握手ってするの?

中国ビジネスのシーンでは握手をするのが一般的です。

握手の文化はもともと欧米で始まったと言われていますが、中国でも初対面のときや久しぶりに会ったとき、「您好(nín hǎo)」や「好久不见(hǎo jiǔ bú jiàn)」など、挨拶の言葉をかけながら握手することがマナーとして定着しています。

手袋をしている場合は、必ず手袋をとり、手に汗をかいている場合はハンカチなどで拭いてから握手するのがマナーです。

商談の時間について

まず、日本と同様、時間を守ることは大切なルールです。

時間に遅れることで信用を失ってしまうこともありますので、遅れないようにしましょう。

どうしても遅れそうな場合に、事前に連絡をしなければいけないという点も日本と同じです。

また、中国ビジネス特有の点として、地方によっても異なりますが、中国人は食事の時間と、そのあとの昼寝の時間を非常に大事にするので、11時30分から13時30分ぐらいまではアポを取らないほうが無難です。

名刺交換・自己紹介

日本のビジネスでは基本的に名刺交換をしますが、中国で名刺交換をするかどうかは業界や会社、経営者によって異なります。

例えば、私は2015年の春から中国に出張する機会が増え、中国の経営者と仕事するようになりましたが、その時から日本に比べ名刺交換の機会が圧倒的に少なくなっています。

名刺交換の代わりに、中国版のLINEである「微信(WeChat)」の交換をすることがよくあります。

最近ではWeChatを使って名刺交換をするミニプログラム(小程序)ができてとても便利です。

ジャンミン

日本にも名刺交換アプリはありますが、ビジネスシーンでそれが名刺交換に代わるような状態では無いですよね。

とは言えもちろん紙の名刺交換をする機会もあります。その際の交換の仕方は基本的に日本と同じで、両手で交換し、時間をかけて確認していることを相手に示します。

その後、名刺を丁寧にしまうか、テーブルがある場合はテーブルの上に名刺を置くようにします。

紹介する順番も日本と同じく、地位の高い人から順に紹介していきます。

ジャンミン

これは感覚値なのであくまでも参考程度と考えて欲しいのですが、紙での名刺交換をする確率の高い業界は「金融」「弁護士」「不動産」「政府部門」「大手メーカー」などで、逆に低い業界は「小売」や「卸売」など、といった印象です。

編集部より|WeChatを交換するときのひと言

WeChatを交換するときは、どちらかがスマホで相手のQRコードを読み取り、友だちに追加します。そのときによく使うひと言です。

  • 方便加一下您的微信吗?(Fāngbiàn jiā yíxià nín de Wēixìn ma?)WeChatを交換してもいいですか?
  • 我扫一下您的二维码吧。(Wǒ sǎo yíxià nín de èrwéimǎ ba.)こちらで、あなたのQRコードを読み取りますね。

追加したあとに、自分の会社名と名前をひと言送っておくと、相手があとでチャット画面を見返したときにも、誰からの連絡かがすぐ分かります。WeChatでの丁寧なメッセージの書き方は、中国語ビジネスメールの書き方の「メールとWeChat(微信)の使い分け」で紹介しています。

名前の呼び方

初対面の場合、相手が男性であれば「○○先生(xiān sheng)」女性であれば「○○小姐(xiǎo jiě)○○女士(nǚ shì)」と呼びかけるのが無難です。

外資系や国際貿易関連の企業ですと、ほとんどの人は英語の名前を持っているので、名刺に書いてある場合や口頭で教えてくれた場合はそのまま英語名で呼ぶのも良いです。

編集部より:相手の役職が分かっているときは、苗字と役職を組み合わせて呼ぶことも多くあります。社長・役員クラスや部門を率いる方は「王总(Wáng zǒng)」、マネージャー職の方は「李经理(Lǐ jīnglǐ)」と呼ぶのが一般的です。会議の場でも、仕事のメールの宛名でも、この呼び方がよく見られます(出典:中国新聞網)。

役職の呼び方やあいさつのひと言のような言葉は、出張の前にまとめて覚えておくと、当日に落ち着いて話せます。公式LINEに友だち登録すると、単語を覚えるコツをまとめた無料のPDFを受け取れます。

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喫煙マナー

中国では日本ほどの禁煙化は進んでいません。なので、タバコを吸うというシーンに出会う機会は日本以上に多いかと思います。

中国では、タバコを吸う場合、自分のタバコに火をつける前に、自分のタバコを相手に1本差し出す(あげる)のが一般的です。相手が受け取ったら、火もつけてあげましょう。

また、逆にたばこを差し出されたら、無理にではありませんが、基本的には受け取るようにしましょう。

2026年10月の補足:北京では2015年6月から、上海では2017年3月から、屋内の公共の場所・屋内の職場・公共交通機関でたばこを吸うことが条例で禁じられています。オフィスや会議室、レストランの店内などでは吸わず、まずその場の決まりを確かめましょう。

宴会でのマナー

日本と同様に、中国でも座席は意味を持つものとされているので、相手の指示があるまで座らないほうが無難です。

食事はホストによる「乾杯」が始まりの合図となります。

お酒はかなり強く勧められることが殆どで、飲まないのは難しいかもしれませんが、体調が悪い場合などはその旨をしっかりと伝えるようにしましょう。

また、料理は「出された料理は十分な量でした」という意思を示すため、少し残すのがマナーと日本ではよく耳にしますが、実際私が参加した宴会で料理が足りなかったということは一度もないので、好きなものを好きなだけ楽しそうに食べている顔をホストに見せるのが一番喜ばれるでしょう。

円テーブルでの席の決まりや、乾杯の進み方、お酒を勧められたときの対応については、食事の場面に絞った中国の食事マナーの記事をご覧ください。

服装

(H2「服装」に、ページ内リンク用の名前 fukusou を付ける。見出しの言葉は今のまま)

中国ビジネスでは私服が一般的です。

日本でのビジネスはまだまだスーツというのが一般的ですが、中国では、弁護士や金融業界など一部の業界を除き、基本的に服装にこだわりがないので、私服で全く問題ありません。

初めての時や重要な商談で気合を入れたい時でも、ビジネスカジュアルで十分です。

編集部より|中国出張の服装で迷ったら

鄧将銘さんが書いているとおり、弁護士や金融など、服装にこだわりのある業界もあります。相手の業界の決まりが分からないときは、訪問先の担当者や現地の同僚に、前もって聞いておくと安心です。

  • 请问,对着装有什么要求吗?(Qǐngwèn, duì zhuózhuāng yǒu shénme yāoqiú ma?)服装の決まりはありますか?

服装に関する言葉もまとめました。

日本語中国語ピンイン
スーツ西装xīzhuāng
ネクタイ领带lǐngdài
ビジネスカジュアル(オフィスカジュアル)商务休闲装shāngwù xiūxiánzhuāng
フォーマルな服装正装zhèngzhuāng
服装の決まり(ドレスコード)着装要求zhuózhuāng yāoqiú

また、中国は国土が広く、同じ時期でも北と南で気温が大きく違います。出張先の天気予報も、出発前に確かめておきましょう。

あいさつや乾杯のひと言は、自分の中国語で

この節と、次の「よくある質問」は、鄧将銘さんの文ではなく、編集部が書き加えた部分です(2026年10月)。

ここまでのマナーは、通訳がいる場でも役に立つものばかりです。そのうえで、最初のあいさつや、食事の席での乾杯のひと言を自分の中国語で言えると、相手との距離が縮まりやすくなります。

仕事でどこまで中国語が必要になるかは、働き方や担当によって大きく違います。深センのスタートアップで働いた日本人の体験談と、電話・会議・チャットといった場面ごとの目安は、中国で働くのに必要な中国語力の記事にまとめました。赴任の内示を受けた方は、中国赴任・駐在前の中国語研修の進め方で、出発までに何をどの順で準備するかを確かめられます。社員の方の赴任前の研修を、会社として検討している場合は、企業・法人向けの中国語研修の比較もご覧ください。

中国語コーチングの the courage(カレッジ)は、出張や赴任の目的と今のレベルに合わせて、1週間ごとの学習の中身を決めます。練習したあいさつや言い回しが本当に口から出るかは、週に1度のセッションのテストで、コーチと確かめます。乾杯のひと言のような短い言葉も、録音をチャットで届けていただければ、通じる発音になるまでコーチが聞いてお返しします。日本を代表する大手企業の役員の方の、中国赴任前のマンツーマン研修も担当しています。

出張や赴任までの限られた期間で何から準備するか、無料カウンセリングでは、進め方を一緒に考えてご提案します。

無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。

よくある質問

中国出張の服装は、スーツでないといけませんか?

鄧将銘さんによると、中国のビジネスでは私服が一般的で、初めての商談や大事な商談でもビジネスカジュアルで十分とのことです。弁護士や金融業界など一部の業界は例外なので、迷うときは訪問先に前もって確かめると安心です。

中国の取引先とは、名刺を交換しますか?

紙の名刺を交換することもありますが、その場でWeChat(微信)を交換して、名刺の代わりにすることもよくあります。紙の名刺を交換することが多いのは、金融・弁護士・不動産・政府部門・大手メーカーなどの業界という印象だそうです(鄧将銘さん)。

初めて会う中国の取引先には、中国語で何とあいさつすればいいですか?

「您好(nín hǎo)」がもっとも使いやすいあいさつです。教科書で習う「初次见面」「请多关照」も失礼ではありませんが、中国の人どうしではほとんど使わないそうです。

中国では、会議室やレストランでたばこを吸ってもいいですか?

北京や上海などでは、屋内の公共の場所や職場での喫煙が条例で禁じられています。屋内では吸わず、その場の決まりを確かめましょう。

まとめ(ビジネス文化について)

以上で中国の人と商談や宴会を行う時のマナーについてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。

マナーや礼儀は人に良い印象を与え、その後の信頼関係の構築に役立つという意味で日ごろ気を配ることは必要だと思います。

日本人は日ごろからマナーなどを大切にしているので、基本的には日本と同じように対応していれば問題ありません。

私は中国と日本の双方でビジネスを行っているのですが、そんな中でよく日中の違いを感じますが、それはマナーではなく商習慣やビジネス文化だったりもします。

例えば、日本でもよく知られていますが、中国人はとにかく面子(メンツ)を重んじます。

そのため、話すメリットがないと感じても、こちらのメンツを潰してはならないと思い、否定したり無視したりすることがないので、「この社長はいつでも会ってくれるし、会うといつもニコニコしているんだけど、でもこちらの要望は一つも受け入れていない。何考えているかが分からない!」ということも起こります。今後こうしたことについてもまとめて紹介できればと思います。


迷わず、挫折せずに中国語を学びたいという方は、自分にあった学習方法をプロの中国語学習コーチに相談することがとても有効です。無料カウンセリングを実施していますので、ぜひ一度相談してみてください。

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出典・参考
・前瞻网「北京最严控烟令严查重罚 最高可罚200元」(2015年6月1日) https://www.qianzhan.com/indynews/detail/150/150601-ce31dc6d.html ― 北京市控制吸烟条例(2015年6月1日施行)
・中証網(中国新聞網の配信)「上海上半年控烟开出逾168万元罚款」(2017年9月7日) https://cs.com.cn/xwzx/201709/t20170907_5462949.html ― 改正した上海市公共场所控制吸烟条例(2017年3月1日施行)
・中国新聞網「九成职场菜鸟都遇”开口难” 职场称呼也需磨合」(2017年8月4日) https://www.chinanews.com.cn/m/sh/2017/08-04/8295738.shtml

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ABOUT US
鄧将銘 (ダン・ジャンミン)中国ビジネスの経営者
中国北京師範大学で日本語を専攻。卒業後にNTTドコモへの就職で日本に移住。NTTドコモにて6年間法人営業に従事したのち、Amazonジャパンに転職。Amazonではアジアのものづくりの中心地である深圳をはじめとする中国出品者の誘致およびコンサルティングに5年間従事。アマゾンを退職後、株式会社BORDERLESSを設立し、中国のブランドと日本のオフラインマーケットの架け橋をサービスとするプラットフォーム「BORDERLESS」を運営中。