中国語発音が難しいと感じてる人は必見!発音マスターのために効果的な勉強方法を解説!

中国語は発音が難しいという声をよく聞きますが、正しい練習を積み重ねれば必ず通じる発音になります。ここでは中国語の発音についての解説と、効果的な練習方法について、700名以上の指導実績に基づき解説するので、読み終わった後には、中国語発音の知識がつくだけでなく、どうやって練習したら良いかもわかります!記事の後半ではYouTubeでの発音解説についても紹介しているので、その動画と合わせて読むとより理解が深まります!

中国語の勉強方法全体についてから知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

中国語初心者必見!独学できる勉強法をプロが徹底解説

リスニング強化が必要な方はこちらの記事をご覧ください。

中国語発音の概要について

伊地知

まずは中国語発音の概要についてを解説します!
中国語発音の概要を知っていると練習がとても効果的になるので、ここをとばさないようにしましょう!

中国語の発音記号「ピンイン」

中国語の発音を学ぶうえでまず知っておかなければいけないのが、「ピンイン」と呼ばれる中国語の発音記号です。例えば、中国語で「こんにちは」という意味の「ニーハオ」は、漢字で「你好」と書き、ピンインは「nǐ hǎo」と表します。

このピンインをしっかり理解することができると、中国語の漢字を見たときに、「ピンインがわかれば発音がわかる!」という状態になります。そして、中国語の勉強を始めたばかりのとき、参考書などにはピンインがついていることがほとんどなので、その後の学習の質・スピードが一気に高まります。

つまり、中国語の発音を学ぶというのは、ピンインを見たときに、その正しい音を理解して発することができる状態を目指すことになります。

ピンインとは

中国語では“拼音 pīnyīn”と書き、ローマ字でその漢字の読み方を表す発音記号です。これは今の中華人民共和国設立後、1958年に制定されたものです。

日本人の感覚としては、漢字の読み仮名としてひらがなやカタカナをつけますが、それと同じようなものと考えるとわかりやすいです。

ピンインは中国語学習者にとっては避けて通れない

ピンインはあくまでも学習用のためのものなので、中国人が普段会話をするときなどに強く意識していることはありません。

伊地知

中国人の友人に「この漢字のピンインって何?」と聞いても、「え〜と、なんだっけ?」と返ってくることも結構あります。

ただ、日本語の漢字の読み方と中国語の漢字の読み方は全く別物なので、最初はこのピンインを使って、しっかりと中国語の読み方を身につける必要があります。
そして、それができて初めて伝わる中国語になり、中国人との会話ができるようになります。

ある程度しっかりと身につけてしまえば、中国人が大人になるにつれてピンインを意識しなくなるように、私たち中国語学習者であっても、かなり意識しないでも中国語を読んで話せるようになっていきますが、最初は頑張って身につけましょう。

パソコン入力も、辞書で調べる時もピンイン入力

最近は手書きをする機会が本当に少なくなってきましたが、それは中国語も同じで、ほとんどがパソコンやスマホでの入力になります。いくつか入力の方法はありますが、基本的にはピンインを使って入力をします。

これも日本語でひらがなやローマ字で入力して漢字に変換するのと似ていますね。

また、語学学習をするうえでは辞書を引くことが必ず出てきますが、その時にもやはりピンインで入力して調べたい漢字を出します。

「手書き」という機能もあり、漢字から調べることもできるので、辞書を調べる場合はそれを使うのも良いです!ただ、タイピングとなると「手書き」では時間がかかり過ぎてしまうので、やはりピンインをマスターしましょう!

ピンインとローマ字読みは違う

ピンインはローマ字を使って表記しますが、ローマ字読みをしてしまうと全然違うものがあるので要注意です。

伊地知

例えばですが、「xi」「qi」などは「クシィー」や「キュイー」などと読んでしまいそうですが、実際には日本語の「シー」や「チー」に近いような発音をします。

もちろん中にはローマ字読みをすればそのまま伝わってしまうものもあります。大枠のイメージでいうと、全体の7割はローマ字読みに近く、3割はローマ字とかなり異なると思ってください。

ピンインには声調も含まれる

中国語の発音には、日本語にも英語にもない「声調(せいちょう)」というものがあります。これは一つの音の中で高低差をつけるもので、この高低差のバリエーションが4つあるので「四声(しせい)」と呼ばれることもあります。

日本語のイントネーションのようでもありますが、日本語のイントネーションは「雨」「飴」がそうであるよに、「あ」と「め」というように、2つ以上の音の高低差を表しますが、中国語の声調は1つの音の中での高低差です。

この高低差のつけ方が違うと、意味が変わってしまうので(その点は日本語のイントネーションと同じですね)とても重要なんですが、ピンインにはこの「声調」も含まれています。

例えば日本語で「こんにちは」の「你好」ですが、ピンインで書くと「nǐ hǎo」になり、これは母音が「i」と「ao」で、子音が「n」と「h」そして「i」「a」の上についている記号が声調を表すんですが、それぞれの読み方がわかれば発音できることになります。

伊地知

逆に言うと、母音・子音・声調がわかれば正しい発音が出せます!

中国語には「注音符号」と言う発音記号もある

実はピンインの他にも発音記号があり、それは漢字の一部、あるいは全部を使った37文字からなる「注音符号」というものです。

ピンインより歴史が古く、台湾などでは今でもこの「注音符号」を使っていて、日本人学習者の間では「ボポモフォ」と呼ばれています。

もし台湾に留学して中国語を学ぶ場合などはこの「注音符号」を使って学ぶことになりますが、繁体字よりも簡体字の方が使用人口も多く、教材も豊富なのと同様に、特に強いこだわりがなければピンインを使って学ぶことをおすすめします。

中国語の母音について

母音とは

「母音」や「子音」というのは聞いたことがあるかと思いますが、そもそも「母音」とは何のことでしょうか?日本語でいうと「あ・い・う・え・お」のことです。ただ、母音は英語にも中国語にもあるので、母音=「あいうえお」というわけには行きません。母音とは、声を出すときに、息がどこにも妨げられていない音のことです。実際に「あー、いー、うー、えー、おー」と言ってみると、どこにも息が止められていないことがわかります。

中国語の母音は全部で7つあります。基本である単母音6つと、舌を巻くような「そり舌音」と呼ばれる音が1つです。

ちなみに、中国語の母音には他にも単母音を複数組み合わせた複合母音や、「n」や「ng」を指す鼻母音という音がありますので、これらも後ほど説明して行きます。

単母音

中国語の基本的な母音は単母音といい、1つの音ののカタマリの中に1つの母音があるもののことです。後ほど複合母音について説明をしますが、この複合母音は単母音の組み合わせなので、まずは単母音のマスターが必要です。

母音発音の説明
a日本語の「あ」よりも口を大きく縦にあけて「あー」と発音します。
o口を丸く突き出すようにして日本語の「おー」と発音します。少し頬に空気をこもらせるような意識で発声しましょう。
e日本語の「え」の口の形で、のどの奥に力を入れて日本語の「お」という音を出します。唸り声のような音です。
i日本語の「い」よりも口を横に引いた形で「いー」と発音します
u口を丸くして、のどの奥から「うー」と声を出します。少しこもらせるような意識で発声しましょう。
ü細い穴に、上から息を吹き込むような(口笛のような)口の形で日本語の「い」と言います。
er舌先を反らせる音です。

母音は口の形が命

母音は息を妨げない音と書きましたが、息を妨げないのに音が変わるということは、口の形が母音の音を決めるので、必ず口の形を意識して練習しましょう。(実際は喉の形だけど、それは表現として難しいのでここでは口の形とします。)

伊地知

逆に言うと、口の形をしっかりと作れたら基本的には正しい音が出るので、最初は本当に強く意識していきましょう!

単母音を表すピンイン表記

単母音については、子音とセットの場合と、母音だけのときで表記が変わります。この表記のルールを忘れてしまうと、せっかく発音を覚えても「あれ!?なんか正しい音にならない!!」と混乱してしまうので、今完全に暗記しなくても良いですが、表記と発音に違和感を感じた時に戻ってこれるように、いったん頭に入れておきましょう。

単母音の表記ルール
  • 「a」「o」「e」
    子音とセットでもセットじゃなくても表記に変化はありません
  • 「i」「u」「ü」
    前に子音がつかないときは「yi」「wu」「yu」と表記される
  • 「ü」
    「j q x」の後ろに来るときは「u」と表記される

複合母音

複合母音とは

日本語には無い概念なのですが、中国語には複合母音という音があります。

複合母音とは、1つの音(1音節と言います)の中に母音が2つ以上セットで入っている音のことです。

例えば、「a」と「i」をセットで「ai」(アイー)と発音したり、「i」「o」「u」「iou」(イォウー)と発音したりするものです。

伊地知

2つ以上の音がセットになっているので、あくまでも1つの音として発音するというのがポイントですね。

複合母音の発音

複合母音を1つの音として発音するために、2つ以上の母音をそれぞれ独立して発音するのではなく、それぞれの母音に強弱をつけて一つの音にしていくことになります。この強弱の付け方には3パターンあります。

【強→弱】パターン

前半の音は口を大きく強く発音し、後半は徐々に口を小さくして、音も弱く発音するパターンです。
「ai」「ei」「ao」「ou」などがこのパターンです。

【弱→強】パターン

前半の音は口を小さく弱く発音し、後半は徐々に口を大きくして、音も強くするパターンです。
「ia」「ie」「ua」「uo」「üe」などがこのパターンです。

【弱→強→弱】パターン

【強→弱】パターンと【弱→強】パターンの合わせ技パターンです。これは3つの母音がセットになった複合母音の場合のもので、最初は口を小さく弱く発音し、徐々に口を大きくし、そのあと再び小さくしていきます。
「iao」「iou」「uai」「uei」などがこのパターンです。

「e」の音声変化

複合母音の発音練習をしていると、同じ「e」でも音が違うことがあり、混乱してしまうことがあります。「e」は他の音との組み合わせによって音が変わりますので、ここで整理しておきましょう。

「子音 + e」の場合

「子音 + e」の発音は「e」単体の発音と同じです。日本語の「え」の口の形で喉の奥に力を入れて日本語の「お」と発音します。

他の母音とセットの場合

「e」を他の母音とセットにした場合には、日本語の「え」に近い音になります。
「e」単体で苦労して身につけた発音とは違うのでちょっと戸惑いますが、更に難しい音になるわけではなく、日本語の「え」になるので、ここは潔く覚えて仕舞いましょう。给(gěi)などがその例ですね。「げぇーい」というような発音です。

鼻母音(「n」「ng」)とセットの場合

「e」と鼻母音「n」をセットで発音する時、「e」の発音は、日本語の「え」に近い音になります。完全に「え」ではなく、やや単体の「e」の感じは残りますが、後ろの「n」の舌の位置の関係から「え」に近くなると思ってください。
日本人の人(rén)などがその例で、「れん」に近い発音です。

「e」と鼻母音「ng」をセットで発音する時の「e」の発音は、単体の「e」の発音です。更(gèng)の音などがそれに当たります。

複合母音のピンイン表記について

「i」「u」「ü」で始まる複合母音

改めて上述の通り「i」「u」「ü」が最初にくる複合母音は「y」「w」「y」と表記します。

例えば「要」(yao) については本当は「iao」ですが、「i」が最初にきている複合母音なので、「yao」と書いているだけなんですね。もし最初に子音がくる場合には「jiao」「qiao」など、普通の「i」で表記します。

「外」(wai)などもそうです。本当は「uai」ですが「w」表記に変わり「wai」と書きます。もし子音が最初にきたら快(kuai)のように「u」表記になります。

消える「e」と「o」

複合母音「iou」と「uei」は子音セットになると、「iou」の「o」、「uei」の「e」が非常に弱く発音されるため、「iu」「ui」という表記になります。発音するとき、これらの消えた「o」と「u」を少し意識して発音をするとよりきれいな発音になります。

伊地知

よく受講生から「「酒」(jiǔ)がどうしてもjiouに聞こえます、「水」(shuǐ)がどうしてもshueiに聞こえます」と言われることがあります。その感覚、あってますよ!

鼻母音 「n」と「ng」

日本語では「n」も「ng」も「ん」ですが、中国語ではこれらは別の音として認識されます。
ただ、実は私たちは日本語の中でこの「n」「ng」を両方とも使っています。
なので、聞き分けるのは難しいですが、仕組みを知ってしまえば発音し分けることは簡単なので、まずはそこから始めましょう。意識的に発音し分けることができるようになると徐々に聞き分けもできてきます。

「n」の発音方法

「n」の音は母音とセットで発生されますが、前に来る母音を発音した後、舌先を上の前歯の裏につける音です。日本語の「案内」(あんない)と言う時の「ん」の音がまさに「n」の音です。一度実際に「あんない」と言ってみて、「あん」の時に止めてみるとよくわかります。

「ng」の発音方法

「ng」の音は、「n」とは違い、舌先はどこにもつかず、鼻から息が抜けるような音です。日本語の「案外」(あんがい)と言う時の、「ん」の音が「ng」の音です。こちらも実際に「あんがい」と言って、「あん」の時に止めてみてください。舌先はどこにもついてなくて、鼻から息が抜けている感じがわかれば、それが「ng」です。

この漢字はどっち?「n」と「ng」の見分け方

中国語の漢字をみて、これは「n」かなあ?「ng」かなあ?となることは多いですが、実はちょっとした見分け方があります。
日本語の音読みで「ん」で終わるものは「n」になるというものです。
例えば、「点」や「天」は「てん」と読めるので、「dian」「tian」というように「n」で終わります。

伊地知

例外はありますが、ちょっとしたコツとしておさえておくと便利です!

中国語の子音について

子音とは

子音とは、音を発する時に、口の中を流れる空気を、舌・歯・唇などによって妨げる音のことです。例えば、日本語の「か」という音は子音の「k」と母音の「a」というセットでできています。ものすごくゆっくりと「か」と発音すると、喉の奥の方で一度空気のなかれを止めているのがわかると思います。言ってみれば子音とは空気の妨げ方のことです。

中国語の子音は21個

中国語の子音は全部で21個あります。また、それら21個の子音は その空気の妨げ方によって(1)唇音 (2)舌尖音 (3)舌根音 (4)舌面音 (5)そり舌音 (6)舌歯音の6種類に分けることができます。

こうした用語は覚える必要はないので、参考程度で良いです。
ここからは6種類の子音についてを説明していきます。

唇音(しんおん)「b p m f」

唇を使って発音する音で、b・p・m・fの4つがあります。中国語には子音だけの音は存在したないので、母音とセットで発音練習をしていきます。一般的には母音「o」とセットで練習していきます。

伊地知

英語では子音だけの「t」とか「k」とか「s」とかがあるので日本人はそうした音が苦手だけど、中国語は日本語と同じで全部母音とセット!これはありがたいですね。

「b」……唇を閉じ、日本語のパ行音を息を弱く、バ行に近い感じで出します。

「p」……唇を閉じ、日本語のパ行音を息たっぷりに出します。

「m」……日本語より強く両唇を触れさせて、解放させます

「f」……上の歯と下の唇を摩擦する音で、英語の「f」に似ています。

舌尖音(ぜっせんおん)「d t n l」

舌尖音はその名の通り、舌先を上の歯の裏あたりに軽くあてて発音します。舌尖音には「d・t・n・l」の4つがあります。一般的には母音「e」とセットで練習していきます。

「d」……舌先を上の前歯の裏にあてて、日本語のタ行音を息をおさえて発音する。

「t」……舌先を上の前歯の裏にあてて、日本語のタ行音を息たっぷりで発音する。

「n」……舌先を上の前歯の裏にあてて、日本語のナ行よりも強く発音する。

「l」……舌先を「d・t・n」より少し後ろ、つまり上顎に近いところにあてて、英語の「l」に近い音を出す。

舌根音(ぜっこんおん)「g k h」

舌根音は、舌の奥の部分を喉の奥の方の上の部分(軟口蓋と言います)にあてて、喉に力を入れて発音します。舌根音には「g・k・h」の3つがあります。一般的には母音「e」とセットで練習していきます。

「g」……日本語のカ行音を息を弱くしてガ行のように発声します。

「k」……日本語のカ行音を息たっぷりに発声します。

「h」……日本語のハ行音ではありません!喉の奥から「ハー」と摩擦させるような音を出します。

舌面音(ぜつめんおん)「j q x」

舌面音は舌先を下の歯茎につけて音を出します。舌面音には「j・q・x」の3つがあります。一般的には母音「i」とセットで練習していきます。

「j」……舌先を下の前歯にあてて、日本語の「ち」を息を弱く、「ぢ」のように発声します。

「q」……舌先を下の前歯にあてて、日本語の「ち」を息たっぷりに発声します。

「x」……舌先を下の前歯にあてて、日本語の「し」のように発声します。

そり舌音「zh ch sh r」

そり舌音は舌先を反らせて出す音です。「zh・ch・sh・r」の4つがそり舌音です。一般的には母音「i」とセットで練習していきます。

「zh」……アルファベット2文字ですが、1つの音です。舌を反らせて、スプーンのような形を意識して日本語の「ち」を息をおさえて「ぢ」のように発声します。

「ch」……アルファベット2文字ですが、1つの音です。舌を反らせて、スプーンのような形を意識して日本語の「ち」を息たっぷりに発声します。

「sh」……「zh」「ch」と似ていますが、日本語の「し」に近い音を出します。

「r」……「zh」「ch」と似ていますが、日本語の「り」に近い音を出します。

舌歯音(ぜっしおん)「z c s」

舌歯音は舌先を上の歯茎につけて発音します。「z・c・s」の3つの音があります。一般的には母音「i」とセットで練習していきます。

「z」……舌先を上の前歯につけて日本語の「つ」を息を弱く「づ」のように発声します。

「c」……舌先を上の前歯につけて日本語の「つ」を息たっぷりに発声します。

「s」……舌先を上の前歯につけて日本語の「す」と発声します。

有気音(ゆうきおん)と無気音(むきおん)

途中で「息をおさえて」や「息をたっぷり」という表現を使いましたが、これは、中国語の中には息がたっぷり出ているかどうかで違う音と区別するものがあるからです。

伊地知

息たっぷりかどうかで区別されてしまう無気音と有気音は以下の通りです。これらとは関係のない「m」などは息がたっぷりでもそうでなくても「m」なので、気にしなくてOKです!

有気音・無気音の練習方法

実際に息が出ているかどうかを確かめるために、ティッシュを手でつまんで、口元に置き発音をしてみてください。しっかりティッシュが動けば有気音として発音ができている、動かない、あるいはほとんど動かない場合は無気音として発音ができているということがわかります。
手をあてて、息があたるかどうかを確認するという方法でも良いです。

ピンイン表記の不規則なルールについてはこちらの記事をご覧ください。

声調

ここからは中国語発音の声調について学んでいきます。

声調と四声

「声調」とは「一つの音の中で高低差をつけるもの」です。中国語の標準語ではこの高低差のパターンが4つあり、これを「四声(しせい)」と言います。

声調が変わると意味も変わる

中国語ではこの声調を間違えてしまうと通じないだけでなく、全然違う意味として伝わってしまうこともあります。最初はなかなか正しい声調を身につけるのは難しく感じるかと思いますが、良い加減に済ませずに、いちいち確認しながら続けていくことで自分の中で定着させて行きましょう。

四声(しせい)

四声には第一声、第二声、第三声、第四声の4パターンがあります。

第一声:高くまっすぐ、少し長く出してみましょう。

第二声:下から上に突き上げる、ものすごく怒って聞き返す「あぁ!?」です。

第三声:グッと、とにかく低く抑える音です。後ろに続く音が無ければ最後は自然にフワッと上がります。

第四声:上から下に突き落とす音、ピシャリと「NO!」という感じです。

軽声(けいせい)

声調には四声の他に軽声(けいせい)という軽く短く発する音があります。軽声が一番最初に来ることはなく、その前に来る音の後に添えるような音です。また、声調のマークもつきません。

  • 第二声の後ろに来る場合:軽声は第二声の最後の音より下がります。
  • 第三声の後ろに来る場合:三声はグッと低く発声するだけで、軽声の高さは上がります。
  • 第四声の後ろに来る場合:軽声は四声の最後の音と同じかそれより下がります。

ただ、あまり意識しすぎずに、自然に添えれば大きな問題はありません。

声調変化

単体の声調についてはすでに説明しましたが、声調は2つ以上の音が繋がる時に変化することがあります。また、その時に声調の記号は変わらないので、自分でルールを覚えて気をつける必要があります。

三声の声調変化

三声が連続で二つ並んだ時:前の三声は完全に二声に変わります

例えば「こんにちは」の「你好(ニーハオ)」の声調は「nǐ hǎo」ですが、実際の音は「ní hǎo」のように、一つ目の三声は完全に二声になります。

また、三声の後ろに他の音が続く場合、三声は本当にただただグッと下げるだけになるので、それも意識して発音しましょう。

「一」の声調変化

“一”はも本当は一声ですが、後ろに一声、二声、三声が来ると完全に四声に変化します。“一”の後ろに四声、軽声が来るときには二声に変化します。

伊地知

また、“一”はピンイン表記する場合、三声の変化とは違い、変化した後の声調で表記します。ややこしいですね。。。

「不」の声調変化

「不」も後ろにどんな音が来るかでその声調が変わります。こちらも「一」と同じように変化した後の声調で表記します。

不は本当は四声ですが、後ろに四声の音が来ると二声に変化します。一声、二声、三声の場合は四声のままです。

声調記号のつける場所

声調記号は母音の上につけます。
ただ、母音が複数ある場合には声調記号をつける優先順位があります。

声調記号をつける場所の優先順位
  • 「a」があれば「a」の上につける
  • 「a」がない場合「e」か「o」の上につける
    (「e」と「o」が同時に出てくることはありません)
  • 「a」「e」「o」どれもない場合は「i」か「u」の上につける
    (この2つは同時に出てくることがありますが、その場合は後ろになった方につける)
  • 「i」が後ろに来た場合は「i」の上の点を外し、そこに声調記号をつけます

中国語の発音の練習方法

ここまでは中国語発音の概要についてを説明してきました。
ここからは具体的な練習方法をお伝えします。

中国語発音練習前のマインドセット

大げさにやること

中国語発音は口の形が非常に重要なので、最初は大げさに練習しましょう。ネイティブに聞かせたら「そんなに大げさに話さないよ」と言われるかもしれませんが、気にしなくて良いです。伝わることが優先です。そして、練習でどんなに大げさにやっていても本番では緊張や焦りでついつい大げさにはできなくなるので、徐々に自然になっていきます。ただ、それは練習で大げさに、ごまかさずに練習をしたうえでの話です。

恥ずかしがらないこと

語学の練習をするにあてって、性格がシャイかどうかということを考えても仕方ないので、上達するのに必要であれば大きな声で恥ずかしがらずに練習すると決めてしまいましょう。
そして、中国人でも各地方の訛りがあるので、みんながみんな本当に綺麗な標準語を話すわけではありません。中国語の発音は中国人でも難しいんだと思えば、恥ずかしがらずに話せますよね。

伊地知

私ももともと積極的な訳ではありませんが、中国語習得のためにはなりふり構わず練習したという経験があります。「なりふり構わない」これ結構大事です。

焦らないこと

特に発音は伸びを感じにくく、焦ってしまいがちですが、焦ることは少しも結果に繋がらないので、焦らずに淡々と、そして根気強く、今できることをやっているかの確認をしながら進めていきましょう。

練習方法:中国語発音3ステップ練習方法

ここでは3ステップの練習方法をお伝えします。
母音→子音→声調の順で進めていけば、必ず正しい音にたどり着きます。

まず母音抜き出し

まず母音を確実に発音できるように、母音だけを抜き出して発生します。
例えば、日本語の「いくらですか?」を表す「多少钱」(duō shǎo qián)の「多」(duō)であれば、最初に「u」「o」の複合母音である「uo」を練習します。

次に子音を加える

同じく「多少钱」(duō shǎo qián)の「多」(duō)であれば、複合母音である「uo」の練習のあとに子音の「d」を加えて。「duo」で練習します。この時に声調は意識しすぎなくて良いです。

最後に声調を加える

最後に「duo」に声調を加えて「duō」にすれば「多」が完成となります。他の「少」「钱」についても同様に練習をしてみましょう。
「少」:「ao」→「shao」→「shǎo」
「钱」:「ian」→「qian」→「qián」

その上で、単語・フレーズ練習を行う

単体での練習が終わったら今度は単語・フレーズで練習をします。
声調の変化なども意識して練習しましょう。

中国語発音おすすめ本・参考書

中国語発音を独学で練習する場合にはこちらの本をおすすめします。

CD3枚付 日本人のための 中国語発音完全教本
おすすめポイント
  • テキストベースで発音方法がわかる
  • 動画と併せてより理解がしやすい
  • 発音に特化しているので説明が詳細

発音のテキストについてはこちらの記事でもまとめていますので参考にしてみてください。

中国語発音おすすめのYouTube

この記事を読む前後にこちらのYouTube動画をご覧いただくと、より理解が深まります。発音についてはお手持ちの文法書の例文などとあわせることで、他に発音専用のテキストながなくても練習が可能になっていますので、是非見てみてください。ここまでで説明してきた中国語の母音・子音・声調についても全て説明しています。

おすすめポイント
  • vol.1〜vol5まで全部見ても30分かからない
  • 日本人にわかりやすく解説している
  • 動画なので口の形や息遣いもよくわかる

中国語発音を独学で練習するメリットとデメリット

中国語の発音は難しいとよく言われますが、ここまでに紹介した通り、正しい方法で練習を続ければ必ず正しい音が身につきます。ここでは独学のメリットとデメリットについても簡単に説明しておきます。

独学のメリット

メリットというよりも、いつかは必ず独学ができる状態にならないといけないです。

というのが、いつでもどこでも先生がいるわけではないのに、発音練習の機会はいつでもどこでも出てくるからです。

しっかりと基礎を身につけて、ピンインを見たら正しい音が出せる状態を早々に作り上げてしまえば、そこから先はどんな音でも、辞書を調べれば正しい音をだす練習ができるようになるので、非常に効率的に中国語学習を進めることができます。

独学のデメリット

これは大きなデメリットなのですが、自分の思い込みで、間違った発音なのに正しいと思い込んで突っ走って、、、そして帰ってこないパターンです。

中国に5年以上住んでましたという元駐在員の方でも、声調が全く安定せず(正確には間違って定着、安定してしまって)なかなか伝わらない中国語のままだという方も多くいらっしゃいます。なので、少なくとも最初の1~2ヶ月はコーチに確認をしてもらいながら進めることをおすすめします。

伊地知

中国語発音の概要と練習方法についてはここまでです。
と言っても練習のスタートはここからなので、頑張って毎日続けましょう。焦らず、弛まず、根気よくトレーニングしてみてください。

語学コーチングスクールthe courage(カレッジ)では無料カウンセリング受付中です。プロのコーチに発音の相談をするだけでも価値がありますので、ぜひご活用ください。

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ABOUT US
伊地知太郎中国語コーチングスクールthe courage代表コーチ
大学在学中、中国の北京師範大学に留学し、1年で中国語力をビジネスレベルにまで高める。帰国後、三菱重工業株式会社にて海外人事・資材調達業務を経験。その後、語学コーチングスクールPRESENCEにて700名以上の受講生の語学学習をサポート、コーチの育成や中国語コースの立ち上げを経て、語学コーチングスクールthe courage(カレッジ)を設立。