中国語学習者を悩ませるものナンバー1と言っても過言じゃないのが”了”(le)の使い方です。
“了”については以下の通り大きく2つの使い方があるので、この記事ではこれらを、なるベくわかりやすく解説していきます。ぜひ最後まで読んで、全体像及びポイントを掴んでしまいましょう。
- 文中で完了・実現を表す
- 文末で変化を表す
【アスペクト助詞の”了”】〜文中で完了・実現を表す〜
アスペクト(動態)助詞の”了”は文末ではなく文中で、動詞の直後に置くことで「動作行為の完了・実現」や「仮定・条件」を表します。
ここから具体的な例も見ながら確認していきましょう。
完了・実現を表す
アスペクト(動態)助詞の”了”は、動詞の直後に置いて、動作行為の完了・実現を表します。
ここですごく重要なのは、この”了”は、いつ完了・実現したのかについては示していないということで、必ずしも過去を表すわけではないし、過去の表現で必ず”了”を使うわけでもありません。
“了”=「過去」と認識すると、今後理解ができなくなるので注意しておきましょう。あくまでも完了・実現です。
例)我吃了一碗饭。(Wǒ chīle yī wǎn fàn.)私はご飯を一杯食べた。
この例のように、動詞である”吃”の直後に置くことで、食べるということが実現したことを表しています。これは具体的な動作の実現なので、いわゆる過去形と思ってしまっても良いケースです。
もう一つ例を見てみましょう。
例)我吃饭了。(Wǒ chī fàn le.)私はご飯を食べた。
これを見ると完全に混乱しますよね。
さっきは動詞の直後に”了”を置くと言っていたのに、今度は文末についてる!
と大騒ぎしたくなるかと思います。
ここで覚えておかないといけないルールがあって、それは、目的語が数とか色とか、具体的なことがわかる目的語の場合(つまりちゃんと“一碗”=「一杯の」と言ってる場合)”了”は動詞の直後に置く。目的語に具体性がない場合(つまり“饭”だけの場合)は文末に”了”を置くということです。
今後覚えておきやすいように、なぜそんなことになるかについても確認しておきましょう。
もし以下のように目的語が具体的でないのに動詞の直後に了を置くと、“了”が急に、完了・実現とは別に持っている「条件や仮定を表す」というパワーを発揮して、文が終わらなくなってしまいます。
例)我吃了饭,・・・。私はご飯を食べたら、・・・
「私はご飯を食べたら、・・・」
…ぅおい!食べたらなによ!
というようになってしまうので、もし具体的でない目的語で文を終わらせたいと思った時には、これで終わりですというようにわかるように、文末に語気助詞の“了“を置いて、以下のように文を終わらせます。
例)我吃(了)饭了。私はご飯を食べた。
この時動詞直後の了は省略ができるので、先ほどの「我吃饭了。」=「私はご飯を食べた。」になります。
また、ここまで動詞の後ろに置くとしましたが、実はこの了は形容詞の直後にも置くことができます。
例)这双鞋大了一点儿。(Zhè shuāng xié dàle yīdiǎnr.)この靴は少し大きい。
靴を履いてみたら大きかったという表現で、通常很多,好多などの補語と一緒に使います。
あまり完了という感じではなくちょっとしっくりこない感じもしますが、よく使われるので、形容詞の直後に了が来てもびっくりしないように覚えておきましょう。
仮定や条件を表す
先ほど急に発動された仮定や条件を表すパターンも見ておきましょう。
まずは先ほどのこちらの例を確認しましょう。
例)我吃了饭,・・・。私はご飯を食べたら、・・・
この場合は続きがあれば良いので、以下のように吃饭が完了したらどうするのかまでをしっかり付け加えれば文章として成り立ちます。
例)我吃了饭,就回家。(Wǒ chīle fàn, jiù huí jiā.)私はご飯を食べたら、家に帰る。
他の例も見てみましょう。
例)工作结束了,就给你打电话。(Gōngzuò jiéshùle, jiù gěi nǐ dǎ diànhuà.)仕事が終わったらすぐ電話するよ。
これらの例を見るとわかるように、仮定・条件を表していますが、完了というニュアンスで捉えようと考えると、未来の完了形と捉えることもできます。
- 了は過去じゃなくて完了・実現を表す助詞
- 目的語が具体的なら動詞の直後に了を置こう
- 目的語が具体的でないなら文末に語気助詞の了を置こう
- 了には完了・実現の他に仮定・条件を表す使い方もある
【語気助詞の”了”】〜文末で変化を表す〜
語気助詞の”了”は、様々な用法があるものの、ことがらの完成や、新しい事態の発生を確認するというように、簡単に言うと変化を表します。
変化を表す
ここでも気をつけたいのは、この変化はすでに起きた変化も、まだ起きていない、これから起こるであろう変化も含みます。もっと言うと、実際に変化は起きてなくても、自分がそのことに気づいたという、自分の中での変化も含まれます。
すでに発生済のケース
例)他已经回国了。(Tā yǐjīng huíguóle.)彼は帰国した。
例)春天了。(Chūntiān le.)春になった。
これらはすでに発生して、その状態に変わったよということを表してます。
よく日本人が「美味しかった」と言いたくて「好吃了」と言ってしまうことがありますが、これは間違いで、意味をつけるとしたら「美味しい状態になった」つまり、料理で味付けか何かしていて、今までは「好吃」ではなかったのが「好吃」の状態に変わったよ、という意味になります。
これから発生するか、今発生しようとしているケース
例)开会了!(Kāihuìle!)会議始めるよ!
例)他后天就要回国了。(Tā hòutiān jiù yào huíguóle.)彼は明後日帰国します。
これらは未来の変化ですね。2つ目の例文では、「帰国した」ではなかったものが、明後日には「帰国した」に変化していることを表します。
否定文の作り方
否定文は基本的には没有で作り、その時同時に了は使いません。
例)他来了。彼が来た。
→他没来。彼は来ていない。
了が使えない場合
「了」は、全ての単語に使えるわけではありません。
どのうような時に「了」が使えないのかを確認しておきましょう。
動作の完了・変化を表さない動詞のとき
是、好像、属于、希望、觉得、需要…などの動詞は動作の完了や変化を表さないため、「了」を使いません。
例)3年前彼は学生だった。
○三年前,他是学生。
×三年前,他是了学生。
「毎日」「いつも」など、習慣的、継続的な動作のとき
每天、每年、经常、常常…などは習慣・継続的な動きを表すため、「了」を使いません。
例)私は以前、毎日お茶を飲んでいた。
○我以前,每天喝茶。
×我以前,每天喝了茶。
2カ所の「了」は継続を表す
動詞の直後と文末の、2カ所に”了”がある場合、その動詞について、今も継続中であることを表します。
“了”の使い方で意味が変わってしまうので、アンテナを張っておく必要があります。
例)我学汉语学了三年了。
→私は中国語を3年勉強しています(そして今も勉強中)。
例)我学汉语学了三年。
→私は中国語を3年勉強しました(今はしてない)。
例)我都等了他两个小时了。
→私はもう2時間も彼を待ってます(そして今も待ってる)。
例)我都等了他两个小时。
→私はもう2時間も彼を待ちました(今は待ってない)。
最後に
ここまで”了”の意味や使い方について説明をしてきました。この記事で大枠は理解できたかと思いますが、”了”については明確な法則性での説明が難しい項目でもあります。今後も実際の使われ方を意識しながら、自分の中で使える例文を増やしていきましょう。
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