HSK3.0(5級)とは?試験内容・レベル・HSK2.0との違いと合格のための勉強法を中国語のプロコーチが解説

HSK3.0(5級)試験内容・レベル・HSK2.0との違い

「HSK5級を持っています」と言えるかどうかで、仕事で中国語を使えるかの見られ方が変わります。その5級が、HSK3.0(9級制の新しいHSK)ではどんな試験になるのか。公式のサンプル問題と試験大綱を読み込んで、現行の5級との違いと、いまからの勉強の進め方を整理しました。

書いているのは、1,000名以上の学習者を指導してきた中国語コーチです。5級は「単語量」と「意見を組み立てる力」が問われる級なので、その2点を中心に解説します。

前提として、2026年9月時点で日本で受けられる5級は、現行の6級制のHSK(この記事では「HSK2.0」と呼びます)です。HSK2.0の5級の対策は、次の記事をご覧ください。

HSK5級合格に必要な勉強時間、効率の良い勉強法を紹介

HSK3.0の5級の要点は、次のとおりです。

項目HSK3.0の5級
レベル仕事・学業の場面で、中国語で正確かつ適切にやり取りができる
単語数3,600語(1〜5級の累計)
筆記72題・約110分(聞き取り・読解・作文)
口語(話す試験)5題・約23分
合格点公式の発表なし
日本での実施正式な実施は未定(2026年9月20日のトライアル試験は日本国内でも実施)

※2026年9月25日時点の情報です。出典:[1][2][3][4][5][6]

HSK3.0(5級)の概要

HSK3.0とは

「HSK3.0」は、中国政府公認の中国語試験HSK(汉语水平考试。HSK3.0の資料では「中文水平考试」[2][4])の新しい版です。2021年公布の『国际中文教育中文水平等级标准』が定めた「三等九级」(初級1〜3級・中級4〜6級・上級7〜9級)の枠組みに合わせて、1〜6級の内容が見直され、上に7〜9級が置かれました[7]。

5級は中級の真ん中で、公式の能力記述でも「生活」の場面が外れて「仕事・学業」の場面が中心になる、切り替わりの級です。

HSK3.0の9つの級の位置図。初級1〜3級、中級4〜6級、上級7〜9級のうち、5級は中級の真ん中

9級制の全体像と切り替えの時期については、次の記事にまとめています。

HSK3.0 どんな試験?何級まで・いつから・旧HSKとの違い

ひとつ下の4級、ひとつ上の6級など、ほかの級の記事はこちらです。

HSK3.0の5級のレベル

公式の能力記述では、5級は「能用中文就工作、学业场景进行准确、恰当交流」、つまり「仕事・学業の場面で、中国語で正確かつ適切にやり取りができる」レベルとされています[3]。2〜4級は「生活・学習・仕事の場面」でしたが、5級からは「仕事・学業の場面」が中心になり、正確さと適切さが求められます。

試験大綱は、5級で求められることを28のタスクとして列挙しています[2]。手続きや交渉、医療、仕事の場面など、4級より一段「大人の用事」に寄った内容です。

  • 税関や配送、保険、公共料金の支払いなどの手続きをし、困ったときに交渉して解決する
  • 飲食店の特徴や食材・調理法、買い物での品質やアフターサービスについて話す
  • けがや病気、応急処置、心の健康など、医療と健康について話す
  • 団地の管理や設備、近所づきあい、家の内装など、暮らしの場面で相談する
  • 学習の状況を報告し、教育の問題について意見を言う
  • 仕事の内容や経歴、経営や管理について話す
  • 科学技術の製品や科学の知識、経済や社会の出来事、国際的な出来事について話す
  • 中国の言語と文字、古くからの風習や名所、思想や芸術、歴史、古代の科学技術について紹介する

4級では「ひとまとまりの文章(一段话)で書く」だったタスクが、5級では「短い文章(短文)を書く」に変わり、話すことについても「比較的なめらかに(较流畅地)」できることが求められています[2]。

単語・漢字・文法の範囲

HSK3.0(5級)の単語・漢字の範囲図。単語は累計3,600語(5級で1,600語)、読める漢字(認読字)は累計1,527字(5級で431字)、書ける漢字(書写字)は累計550字(5級で150字)

5級で増える量は、単語1,600語・読める漢字431字・書ける漢字150字です。4級までの範囲と合わせた数を表にします[2]。

項目5級で新しく学ぶ数1〜5級の累計
単語1,600語3,600語
読めればよい漢字(認読字)431字1,527字
書けるようにする漢字(書写字)150字550字

※単語と漢字の数は、試験大綱のリストの通し番号をもとに数えています。

文法も級ごとに示されていて、5級では次のような文法が加わります[2]。

  • 「过于」「相当」「格外」「极其」などの程度を表す副詞、「毕竟」「居然」「反正」「根本」「果然」「简直」「反而」などの語気を表す副詞
  • 「自从」「朝」「沿着」「替」「凭」「据」などの介詞(前置詞にあたる語)、「以及」「从而」「可见」「假如」「总之」などの接続詞
  • 「A来A去」「A着A着」「没A没B」「说A就A」などの四字の決まった形
  • 「動詞+下来/下去/起来/过来/过去」で状態の変化を表す方向補語、「〜得不得了」などの程度補語
  • 「被/叫/让〜给…」を使った受け身、「A+形容詞+B+数量補語」の比較文
  • 「一旦〜就…」「假如〜」「万一〜」「〜,要不然…」「哪怕〜也…」「不但不〜反而…」などの複文

単語の増え方が大きく、5級で新しく学ぶ1,600語は、4級までの累計2,000語に迫る量です。

HSK2.0の5級との違い

HSK2.0の5級とHSK3.0の5級の比較表。単語数2,500語程度→3,600語、筆記100題約125分→72題約110分、作文は並べ替え8題+80字程度2題から100字以上と200字以上の2題へ、口語試験5題約23分がセットに、合格点は公式の発表なし、日本では未実施
項目HSK2.0の5級HSK3.0の5級
単語数2,500語程度3,600語
聞き取り45題・約30分(放送1回)35題・約25分
読解45題・45分35題・35分
作文10題・40分(並べ替え8題+80字程度の作文2題)2題・40分(100字以上と200字以上の作文)
筆記の合計100題・約125分72題・約110分
話す試験なし(HSKKという別の試験)口語試験(5題・約23分)
合格点合否の表記なし(180点以上が目安)公式の発表なし
日本での実施実施中正式には未実施(トライアル試験のみ)

※筆記の合計時間は、どちらも個人情報の記入5分を含みます。出典:HSK2.0の5級[8][9]、HSK3.0の5級[2][4][5]

違いを3つに絞ると、次のとおりです。

  1. 単語が2,500語から3,600語に増える(約1.4倍)
  2. 作文の「語句の並べ替え」がなくなり、100字以上と200字以上の作文2題だけになる
  3. 口語試験がセットになり、社会的なテーマについて2分半で意見を話す問題が出る

5級からは語彙力も増えるので、単語暗記をしっかりしておく必要があります。また、作文についても100字以上と200字以上と、HSK2.0の80字前後という基準よりも大幅に上がります。この分量の場合、全体のロジックがしっかりしていて、それに合わせて接続詞なども適切に使える必要が出てくるので、総合力が必要になる最初の級という位置づけになります。

HSK3.0(5級)の試験内容

筆記は聞き取り35題・読解35題・作文2題の合計72題で、約110分です[4]。これに口語試験が加わります。

HSK3.0(5級)の試験の構成図。聞き取り35題約25分、読解35題35分、作文2題40分、合計72題約110分。これに口語5題約23分
科目題数時間内容
听力(聞き取り)35題約25分第一部分19題・第二部分16題。いずれも4つの選択肢から選ぶ
阅读(読解)35題35分文章の空欄に語や文を入れる10題、段落を並べ替える10題、文章を読んで答える15題
写作(作文)2題40分4コマの絵を見て100字以上の物語を書く1題、テーマについて200字以上書く1題
合計72題約110分

※約110分のうち、聞き取りのあとの記入時間5分と個人情報の記入5分が含まれます[4]。受験形式は、トライアル試験では紙とパソコンの2種類です[6][10]。

以下、科目ごとにサンプル問題の中身を見ていきます。

听力(聞き取り)

第一部分(第1〜19題)と第二部分(第20〜35題)があり、どちらも音声を聞いて、4つの選択肢から答えを選ぶ問題です[4]。選択肢には「旅行傷害保険/重大疾病保険/補充養老保険/基本医療保険」「現場で並んで購入/自主的に保安検査を受ける/電話で予約/事前にオンラインで予約」のように、社会生活や仕事の場面の語が並んでいて、5級の語彙がそのまま問われます。

HSK2.0の5級の聞き取りは45題・約30分で放送は1回ですが[8]、HSK3.0では35題・約25分になります[4]。

阅读(読解)

第一部分(第36〜45題)は、文章の空欄に、4つの選択肢から合う語や文を入れる問題です。1つの文章に3〜4問の空欄があります[4]。

四岁的文文跟妈妈去看望外公,文文骄傲地说:“外公,我在幼儿园能自己穿衣服,不需要老师帮忙了。”外公听了高兴地称赞道:“外孙女真(36),外公必须得奖励你。”……
36.A 不要紧 B 了不起 C 受不了 D 开玩笑

出典:中外语言交流合作中心『HSK(五级)样卷』[4]

第二部分(第46〜55題)は、ばらばらになった5つの段落(A〜E)を正しい順に並べ替える問題で、2つの文章で10題です。サンプルでは、大学の履修登録のお知らせを並べ替える問題が出ています[4]。第三部分(第56〜70題)は、文章を読んで、内容についての質問に4つの選択肢から答える問題です[4]。

HSK2.0の5級では「並べ替え」は作文の語句の並べ替えだけで、読解にはありませんでしたが[8]、HSK3.0では読解に段落単位の並べ替えが入り、文章全体の流れをつかむ力が問われます。

写作(作文)

第71題は、4コマの絵を見て、そこで起きている物語を100字以上で書く問題です。第72題は、与えられたテーマについて200字以上で書く問題です[4]。

第71題:请根据下面四张图,写一篇不少于100字的作文,写出发生在李明和伙伴们身上的故事。
(4枚の絵をもとに、李明と仲間たちに起きた出来事を100字以上で書きなさい)

第72題:尝试可能会成功,也可能会失败,但不去试一试就永远不会成功。请写一篇不少于200字的作文,分享你曾经做过的一次尝试,以及你尝试后的感受。
(挑戦は成功することも失敗することもあるが、試さなければ決して成功しない。あなたがこれまでにした挑戦と、そのあとの気持ちについて200字以上で書きなさい)

出典:中外语言交流合作中心『HSK(五级)样卷』[4]

HSK2.0の5級の作文は「語句の並べ替え8題+80字程度の作文2題」でしたが[8]、HSK3.0では並べ替えがなくなり、100字と200字の作文2題で40分です。字数が増えるだけでなく、物語を組み立てる力と、自分の考えを筋道立てて書く力が問われます。

口语(スピーキング)

5級の口語試験は5題・約23分です。2026年のトライアル試験では、3〜6級は筆記と口語を同時に申し込むことになっています[6][10]。

部分題数内容時間
第一部分2題聞いた文章を言い直す(听后复述)各1分30秒
第二部分1題番号のついた写真3枚をつなげて話す準備3分・回答2分
第三部分2題質問に答える準備3分30秒・回答2分30秒
合計5題約23分(準備時間10分を含む)

出典:中外语言交流合作中心『HSK(五级)口语样卷』[5]

第三部分(質問に答える問題)のサンプルは次の2問です[5]。

4.你认为互联网对你的生活产生了哪些影响?(インターネットはあなたの生活にどんな影響を与えていると思いますか)
5.人们常说:“活到老,学到老。”你是怎么理解这句话的?请谈谈你的看法。(「活到老,学到老(生きている限り学び続ける)」という言葉をどう理解しますか。あなたの考えを話してください)

4級の口語と形式は同じですが、言い直す問題は1題40秒から1分30秒に、質問に答える問題は2分から2分30秒に長くなり、テーマも「ネットの影響」「ことわざの解釈」のように、自分の意見を筋道立てて話すものになります。

第二部分のサンプルは、①自転車で転んだ子どもに父親が駆け寄る、②父親が自転車を支えて一緒に走る、③子どもが一人で自転車をこぎ、父親が後ろを走る、の3枚です[5]。写真の間に何があったかを想像でつないで、ひとつの出来事として話します。

筆記が終わると、続けて口語が行われます。日本国内の会場で9月のトライアル試験(4級)を受けた知人によると、問題は全員に一斉に放送され、各自が録音機に向かって答える形式でした。第一部分の音声は4級で20秒ほど、5級・6級では30〜40秒ほどの長さで、1回しか流れず、メモは取れなかったそうです。

点数と合格ライン

HSK3.0の5級の合格点は、2026年9月時点で公式には示されていません。参考までに、HSK2.0の5級は成績報告に合否が書かれず、300点満点中180点以上が「5級の能力あり」の目安とされています[8]。

成績の発表は、第2回トライアル試験の案内によると、パソコン試験が15日後、紙の試験が30日後(祝日と重なると1週間延長)で、成績報告は2年間有効です[6]。

日本で受けられる?いつから?

2026年9月25日時点で、次のことが分かっています。

  • 日本の5級は現行のHSK(6級制)のまま。HSK日本実施委員会の2026年の試験日程(12月13日まで)に、HSK3.0の記載はない[1]
  • 日本の7-9級だけは、すでにHSK3.0の形式で実施されている[1][7]
  • 1〜6級のHSK3.0のトライアル試験は2026年1月31日(第1回)と9月20日(第2回)に行われ[10][6]、第2回は日本国内にも会場があった
  • 2026年12月13日から世界で正式実施と報じられているが、公式サイトの発表は確認できていない[11]。試験大綱の表紙の表記は「2025年11月発布・2026年7月実施」[2]

つまり、トライアル試験を除けば「HSK3.0の5級を日本でいつから受けられるか」はまだ分からない状態です。発表があり次第、この記事を更新します。7-9級については、次の記事をご覧ください。

HSK3.0 7-9級 試験内容・レベル・合格のための勉強法

今から5級を目指すなら、どちらに合わせて勉強する?

5級の場合、HSK2.0の単語帳で覚えた語はHSK3.0でも無駄になりません。HSK2.0の5級の単語1,300語のうち、HSK3.0の5級までに入っているのは944語、6級に上がったのが235語、7〜9級に回ったのが98語です。つまり9割以上はHSK3.0の6級までの範囲に残ります。

違うのは出し方です。HSK3.0の5級では、覚えた語を使って200字の意見文を書き、2分30秒話すことが求められます。HSK2.0の5級の対策が「読んで聞いて選ぶ」中心だったのに対し、HSK3.0では「書く・話す」まで一続きで鍛える必要があります。2027年以降にHSK3.0で受ける可能性がある方は、単語を覚える段階から、例文を声に出す・短い意見を書く習慣をつけておいてください。

日本で今すぐ5級が必要なら、HSK2.0の5級を受けるのが正解です。

HSK3.0(5級)合格までに必要な勉強時間

HSK2.0の5級は、正しい勉強法で毎日2〜3時間を継続して確保できれば、初心者の方でも約半年で合格が可能です。すでにHSK4級に合格している場合は、そこから約3〜4ヶ月です。

HSK3.0の5級は、単語が3,600語とHSK2.0の5級の約1.4倍になり、200字の作文と話す試験も加わります。

そのため、ゼロからの場合は8〜9ヶ月程度、HSK3.0の4級の範囲まで終えていれば、3ヶ月程度を準備期間として見ておくと良さそうです。

HSK3.0(5級)合格のための勉強法

5級の対策は「単語量」と「アウトプット」の2本柱です。科目ごとに、HSK2.0の5級の対策をどう変えればよいかを説明します。

単語

5級の合否を分けるのは、HSK2.0でもHSK3.0でも単語量です。範囲は試験大綱の単語リストの2,001〜3,600番で、5級で新しく学ぶ語は1,600語あります[2]。このうちHSK2.0の単語表に無かった語は576語で、二维码(QRコード)、点赞(いいねを押す)、共享(シェアする)、账号(アカウント)のような、いまの生活で使う語が目立ちます。HSK2.0の5級の単語帳を使っている方は、この576語を足す形で進めるのが近道です。HSK2.0とHSK3.0の単語の重なりは、こちらの記事で詳しく照合しています。

HSK3.0の単語数 級別の語彙数一覧とHSK2.0との重複率

覚え方の型はHSK2.0のときと同じで、2週間で200〜300語をまとめて回し、前半で「見て分かる」、後半で「聞いて分かる」状態に持っていきます。HSK3.0の5級ではそこで止めず、覚えた語を使って一言書く・言うところまでを1セットにしてください。作文と口語の材料は、単語を覚える段階で仕込んでおくのがいちばん楽です。

2週間で200〜300語を回す覚え方の手順は、こちらの記事に書いています。

文法

基本的な文法事項は4級までにひと通り出てくるので、5級から新しい文法を大量に学ばなければいけないわけではありません。5級で加わるのは、副詞や接続詞、決まった言い回しが中心です[2]。4級までの文法に抜け漏れがないかを確認したうえで、5級の語彙リストにある副詞・接続詞を、例文ごと覚えていきましょう。

聞き取り・読解

聞き取りと読解は、HSK2.0の5級と同じく過去問(HSK3.0ではサンプル問題)を使って進めます。一度力試しで解いたあと、知らない単語と文構造を調べてわかる状態にし、聞き取りは音読を繰り返して自分のセリフとして言える状態まで、読解は時間をはかって何度も読み込みましょう。

読解では「段落の並べ替え」が新しく加わります。「首先〜其次」「于是」「因此」のような段落をつなぐ語や、「此计划」「该书」のように前の段落を受ける指示語を手がかりに、文章の流れを追う練習をしておきましょう。

音読からリスニングにつなげる手順は、こちらの記事で詳しく説明しています。

作文(100字の物語・200字の意見文)

HSK2.0の5級と同じく、作文は過去問(サンプル問題)を使って自分で書き、模範解答と比べて足りないところを分析する方法が有効です。HSK3.0では字数が増えるので、「物語を時間順に書く(4コマの絵)」「自分の考えを結論→理由→体験の順に書く(テーマ作文)」の2つの型を、それぞれ繰り返し練習しておきましょう。

書いた文は必ず誰かに直してもらいましょう。コーチや先生が理想ですが、AIの添削でも構いません。直された文を音読して自分の言葉にしておくと、そのまま口語の「意見を述べる問題」の準備になります。

正しい中国語の文に多く触れると良いので、過去問の回答例や、『HSK6級 読む聴く覚える2500』など、ある程度まとまった文が掲載されている教材を使い、その文を書き写すなども有効です。

※HSK3.0の過去問はまだ公開されていないため、回答例はHSK2.0の5級の過去問や、公式サンプル問題のものを使いましょう。

また、少し意外に思われるかもしれませんが、このタイミングでは、中国語の原書を沢山読む、いわゆる多読も効いてきます。正しい文に多く触れる中で、「多分ここで“就”を入れると良さそうだな」など、語感を身に付けて、少し長い文も書きやすくなってきます。ただ、まだレベル的には難しい部分もあると思うので、長すぎない文、場合によっては日本語ですでに知っている文を選ぶなどして難易度をコントロールすると良いです。

口語(話す)

5級の口語は、「聞いた文章を言い直す」「写真3枚をつないで2分間話す」「質問に2分30秒答える」の3つです[5]。

  • 言い直す問題:30〜40秒ほどの文章を1回聞き、1分30秒で再現します。聞いた内容を短時間覚えておく力(リテンション)がないと、話し始める前に内容が抜けてしまいます。音読やシャドーイングで使っている教材を、区切りごとに止めて何も見ずに言い直す練習を、毎日の学習に入れておきましょう。
  • 写真3枚の問題:3枚を番号の順につないで、起きた出来事を物語として話します。サンプルの「自転車の練習」のように、写真の間に何があったか、登場人物がどう感じたかを想像で補うと、2分間を埋めやすくなります。
  • 質問に答える問題:「ネットが生活に与えた影響」「ことわざの解釈」のように、自分の意見を述べるテーマです。結論→理由→具体例→まとめの順で2分30秒話せるように、社会的なテーマでも準備しておきましょう。

5級の口語で見られているのは、相手とのやり取りよりも、自分の考えを一人で話し続けて伝える力です。準備時間に原稿を書き込んでも、話してみると時間が余ってしまいがちなので、ふだんから「2分30秒、止まらずに話す」ことを目標に練習してください。

口語の中でも描写力などが求められるので、日常的にあった出来事を少し長めの文で中国語で言ってみて、添削を受けたうえで、正しい文を暗記するのも有効です。

1週間に1つ、まとまった文を作成して、それを音読、シャドーイングして、結果として暗唱できるレベルまで持っていくということで実力をつけている方も多いのでおすすめです。

シャドーイングのおすすめアプリについても紹介しておきます。

「playner(プレイナー)」は、私たち the courage が開発した、手持ちの教材の音声でシャドーイングやリピーティングを練習するためのアプリです(iPhone・Android)。音の高さを変えずに0.5倍速まで遅くでき、お手本を聞きながら自分の声を録音して聴き比べたり、無音の部分で文を自動で区切って1文ずつ練習したりできます。上で紹介した、まとまった文を音読・シャドーイングして暗唱まで持っていく練習にも、そのまま使えます。

詳しくはこちら:playner(プレイナー)の紹介ページ

HSK3.0(5級)のおすすめ教材

目的教材
単語試験大綱の単語リスト(1〜5級 3,600語)
話すための文法『話すための中国語文法体得ドリル【初級編】』
作文・瞬発力『改訂新版 口を鍛える中国語作文【中級編】』
読解・リスニング雑誌『聴く中国語』
過去問・サンプル公式サンプル問題(筆記・口語)

各教材の使い方は、こちらの記事にまとめています。

よくある質問

HSK2.0の5級に合格していれば、HSK3.0でも5級になりますか?

HSK2.0の級とHSK3.0の級の対応について、確認できる公式の発表はありません。また、HSK3.0の5級は単語が3,600語に増え、200字の作文と話す試験も加わるので、HSK2.0の5級に合格している方でも、単語の追加と、書く・話すトレーニングが必要になります。

筆記だけ、口語だけの受験はできますか?

2026年のトライアル試験では、3〜6級は筆記と口語をセットで申し込む案内になっています[6][10]。正式実施のときに分けて受けられるかは、発表待ちです。

受験形式は紙ですか、パソコンですか?

トライアル試験では紙の試験とパソコンの試験の両方が用意されました[6][10]。日本での形式は未発表です。

日本でHSK3.0の5級を受けられるのはいつからですか?

9月20日のトライアル試験は日本国内でも実施されましたが、正式な実施時期は2026年9月時点で発表がありません[1]。決まり次第、この記事を更新します。

長い準備期間を乗り切るために

5級は、ゼロからだと8〜9ヶ月、4級の範囲を終えてからでも3ヶ月ほどかかる級です。途中で止まらないために、受講生には次のことを徹底してもらっています。

  • 単語は「2週間で1セット」と区切り、セットが終わるたびに自分でテストする。進んでいる実感が途切れないことが、続ける力になります
  • 作文と口語は「週に何本」と本数で決める。量が見えていれば、気分に左右されません
  • 勉強時間を記録する。記録が積み上がっていくこと自体が、やめない理由になります

コーチと一緒に進めたい方へ

5級は独学でも到達できますが、作文と口語は自分では直せないところが残ります。中国語コーチングスクール「the courage」では、1,000名以上を指導してきたコーチが学習計画を組み、毎日の学習を管理しながら、作文の添削と発話のトレーニングまで行います。まずは無料のカウンセリングで、いまの実力と目標を一緒に整理してみてください。無理な勧誘はありません。

迷わず、挫折せずに中国語を学びたいという方は、自分にあった学習方法をプロの中国語学習コーチに相談することがとても有効です。無料カウンセリングを実施していますので、ぜひ一度相談してみてください。

無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。


出典・参考

  1. HSK日本実施委員会「試験日程」 https://www.hskj.jp/schedule/ /「HSK7-9級試験(2026年)」 https://www.hskj.jp/7_9/ ― 2026年の1〜6級は現行形式で実施、7-9級はHSK3.0の形式で実施
  2. 中外语言交流合作中心『新版HSK考试大纲』(2025年11月発布) https://hsk.cn-bj.ufileos.com/3.0/新版HSK考试大纲1219.pdf ― 5級のタスク28項目、単語(5級1,600語・累計3,600語)、認読字(5級431字・累計1,527字)、書写字(5級150字・累計550字)、文法
  3. 「HSK3.0 考试能力描述」 https://hsk.cn-bj.ufileos.com/3.0/HSK3.0考试能力描述.pdf ― 5級「能用中文就工作、学业场景进行准确、恰当交流」
  4. 中外语言交流合作中心『HSK(五级)样卷』『HSK(五级)样卷答案』 ― 筆記72題・約110分、各部分の形式・問題例
  5. 中外语言交流合作中心『HSK(五级)口语样卷』 ― 口語5題・約23分、各部分の形式・問題例
  6. 中文考试服务网・通知「HSK 3.0 第二轮考试全球试行启动」 https://www.chinesetest.cn/notice ― 2026年9月20日、1〜6級、紙とパソコンの2形式、3〜6級は口語と同時申込、成績の発表時期、成績報告の有効期間2年
  7. 中華人民共和国教育部『国际中文教育中文水平等级标准』(GF 0025-2021、2021年3月24日発布・7月1日施行) ― 三等九级の体系
  8. HSK日本実施委員会「HSK筆記5級」 https://www.hskj.jp/level/w_5/ ― HSK2.0の5級:2,500語程度、問題構成と時間、放送回数1回、配点、合否の表記なし・180点以上で5級の能力があると判定
  9. 国家汉办/孔子学院总部『新汉语水平考试 HSK(五级)』サンプル問題 https://www.chinesetest.cn/userfiles/file/HSK/level5/H51001.pdf ― HSK2.0の5級:全体約125分(個人情報の記入5分を含む)
  10. 中国新聞網「中文水平考试HSK3.0来了!全球试行启动 19日起报名」(2025年12月19日) https://www.chinanews.com.cn/edu/2025/12-19/10536380.shtml ― 第1回のトライアル試験:2026年1月31日に世界の一部の会場で実施、1〜6級、紙とパソコンの2形式、3〜6級は口語と同時申込
  11. Hilingo中文网校「HSK 3.0 将于2026年12月正式实施」(2026年7月28日) https://www.hilingo.cn/news/95.html