HSK3.0(6級)とは?試験内容・レベル・HSK2.0との違いと合格のための勉強法を中国語のプロコーチが解説

HSK3.0(6級)試験内容・レベル・HSK2.0との違い

現行のHSKでは「6級=最高級」でしたが、HSK3.0(9級制の新しいHSK)では、6級は中級のいちばん上の級になり、その上に7〜9級が置かれます。では、HSK3.0の6級はどんな試験になるのか。公式のサンプル問題と試験大綱をもとに、現行の6級との違い、単語の範囲、いまからの勉強法を、1,000名以上を指導してきた中国語コーチが整理しました。

とくに気をつけてほしいのは、「単語数がほぼ同じだから、HSK2.0の6級と同じ試験だろう」と考えてしまうことです。実際には、現行の6級の単語の6割は7〜9級の範囲に移り、代わりに作文2題と口語試験が加わります。この記事では、その点を数字で確かめながら説明します。

なお、2026年9月時点で日本で受けられる6級は、現行の6級制のHSK(この記事では「HSK2.0」と呼びます)です。HSK2.0の1〜6級の全体像は、次の記事をご覧ください。

HSK3.0の6級の要点を先にまとめます。

項目HSK3.0の6級
レベル職場・学業・一般的な専門の場面で、中国語で豊かになめらかにやり取りができる
単語数5,400語(1〜6級の累計)
筆記82題・約125分(聞き取り・読解・作文)
口語(話す試験)5題・約23分
合格点公式の発表なし
日本での実施正式な実施は未定(2026年9月20日のトライアル試験は日本国内でも実施)

※2026年9月25日時点の情報です。出典:[1][2][3][4][5][6]

HSK3.0(6級)の概要

HSK3.0とは

HSK(汉语水平考试)は中国政府公認の中国語能力試験です。HSK3.0の公式資料では、中国語名が「中文水平考试」に変わりました[2][4]。

HSK3.0の土台は、2021年に公布された『国际中文教育中文水平等级标准』です。ここで示された「三等九级」(初級・中級・上級の3段階、全9級)に合わせて、HSKは6級制から9級制へ移行します[7]。HSK2.0で最高級だった6級は、HSK3.0では中級の到達点という位置づけになり、専門・学術の場面で使える力は7〜9級で測られます。

HSK3.0の9つの級の位置図。初級1〜3級、中級4〜6級、上級7〜9級のうち、6級は中級のいちばん上で、その上に7〜9級

9級制への切り替えの経緯と時期は、次の記事で解説しています。

HSK3.0 どんな試験?何級まで・いつから・旧HSKとの違い

その下の1〜5級と、上の7-9級の記事はこちらです。

HSK3.0の6級のレベル

公式の能力記述では、6級は「能用中文就职场、学业、一般专业场景进行丰富、顺畅交流」、つまり「職場・学業・一般的な専門の場面で、中国語で豊かになめらかにやり取りができる」レベルとされています[3]。5級の「正確かつ適切に」から、表現の豊かさとなめらかさが求められる段階に上がり、場面にも「一般的な専門の場面」が加わります。

試験大綱が6級に求めるタスクは24項目です[2]。数は5級の28より少ないのですが、1つひとつが「複雑な状況を交渉しながら片づける」「専門的な話題を説明する」といった、まとまった力を要するものになっています。

  • 行政の手続きや交通違反、経済的な補償や災害時の救助など、複雑な用事を交渉しながら片づける
  • 食品の安全や栄養、旅行の体験や注意点、病気の診断や健康管理について話す
  • 団地の管理やトラブルの処理など、暮らしの中の複雑な状況を伝える
  • 授業や試験の形式、学校の行事や入試、教育の考え方について話す
  • 仕事の内容や自分の職業の位置づけ、経営や管理について話す
  • 地理・気候・資源、環境問題、科学技術の製品や科学の知識について話す
  • 経済や社会の出来事、文芸や体育、国際的な交流について話す
  • 中国の言語と文字、古くからの風習や名所、思想や芸術、歴史、古代の科学技術について紹介する

5級では「短い文章(短文)を書く」だったタスクが、6級では24のタスクすべてで「文章(文章)を書く」に変わり、話すことについても「なめらかに(流畅地)」できることが求められています[2]。

単語・漢字・文法の範囲

HSK3.0(6級)の単語・漢字の範囲図。単語は累計5,400語(6級で1,800語)、読める漢字(認読字)は累計1,940字(6級で413字)、書ける漢字(書写字)は累計700字(6級で150字)

6級で新しく加わるのは単語1,800語・読める漢字413字・書ける漢字150字で、1〜6級の累計は次のようになります[2]。

項目6級で新しく学ぶ数1〜6級の累計
単語1,800語5,400語
読めればよい漢字(認読字)413字1,940字
書けるようにする漢字(書写字)150字700字

※数は、試験大綱のリストの通し番号から数えたものです。

文法も級ごとに示されていて、6級では次のような文法が加わります[2]。

  • 「超〜」「多〜」「反〜」「无〜」「亚〜」「准〜」などの接頭辞、「〜化」「〜式」「〜型」「〜性」などの接尾辞
  • 「未必」「恰好」「倒是」「干脆」「明明」「总算」などの副詞、「于」「至于」「因」「除」などの介詞(前置詞にあたる語)、「所」「啦」「嘛」などの助詞
  • 「A这A那」「左A右B」などの四字の決まった形、「到〜为止」「好(不)容易」などの言い回し
  • 「〜透了」のような程度補語、主語が物や現象である「把」の文
  • 「要么〜要么…」「凡是〜都…」「除非〜才/否则…」「就算〜也…」「〜,以便…」などの複文

6級で加わる文法は数が少なく、副詞や決まった言い回しが中心です。文法の勉強というより、語彙と表現の幅を広げる段階と考えると良いです。

HSK2.0の6級との違い

HSK2.0の6級とHSK3.0の6級の比較表。単語数5,000語程度→5,400語、筆記101題約140分→82題約125分、作文は400字程度の要約1題から150字以上の実用文と300字以上の意見文の2題へ、口語試験5題約23分がセットに、合格点は公式の発表なし、日本では未実施
項目HSK2.0の6級HSK3.0の6級
単語数5,000語程度5,400語
聞き取り50題・約35分(放送1回)40題・約30分
読解50題・50分40題・40分
作文1題・45分(文章を読んで400字程度に要約)2題・45分(150字以上の実用文と300字以上の意見文)
筆記の合計101題・約140分82題・約125分
話す試験なし(HSKKという別の試験)口語試験(5題・約23分)
合格点合否の表記なし(180点以上が目安)公式の発表なし
日本での実施実施中正式には未実施(トライアル試験のみ)

※筆記の合計時間は、どちらも個人情報の記入5分を含みます。出典:HSK2.0の6級[8][9]、HSK3.0の6級[2][4][5]

HSK2.0の6級との違いは、次の3つに集約されます。

  1. 作文が「文章の要約」から「実用文と意見文を自分で書く」問題に変わる
  2. 読解の「誤りのある文を選ぶ」問題がなくなり、文章の空欄に文を入れる問題が加わる
  3. 口語試験が加わり、抽象的なテーマについて2分半で自分の意見を述べる問題が出る

単語数は5,000語程度から5,400語で、ほとんど変わりません。

まず、HSK2.0では400字程度の要約文だったものが、今回は要約ではなく意見を求められるというのは大きな違いです。要約の時には「意見は入れない」が重要でしたが、HSK3.0では意見が書けることが求められます。これはスピーキング同様に、PREP(結論→理由→具体例→もう一度結論の順で組み立てる方法)などの意見を述べる場合の型を身に付けるのと同時に、日常的に日記などの作文を行うと良いです。また、1題あたりの字数はその分少なくなっている(400字程度→150字以上と300字以上)ので、ここは安心できるポイントですね。さらに、HSK2.0で最難関とも言われていた間違い探し問題が無くなるので、この点は学習者にとって少し解きやすくなる点と言えます。

HSK3.0(6級)の試験内容

筆記は聞き取り40題・読解40題・作文2題の合計82題・約125分で、口語試験が別にあります[4]。HSK2.0の6級(101題・約140分)より問題数と時間は減りますが、作文が2題になり、口語が加わります。

HSK3.0(6級)の試験の構成図。聞き取り40題約30分、読解40題40分、作文2題45分、合計82題約125分。これに口語5題約23分
科目題数時間内容
听力(聞き取り)40題約30分聞いた内容と合うものを選ぶ8題、第二部分20題、第三部分12題。いずれも4つの選択肢から選ぶ
阅读(読解)40題40分文章の空欄に語を入れる10題、文章の空欄に文を入れる10題、文章を読んで答える20題
写作(作文)2題45分150字以上の実用文1題、テーマについて300字以上書く1題
合計82題約125分

※約125分には、聞き取り後の記入時間5分と個人情報の記入5分が含まれます[4]。トライアル試験では、紙とパソコンのどちらの形式でも実施されています[6][10]。

科目別に、サンプル問題から中身を確かめていきます。

听力(聞き取り)

第一部分(第1〜8題)は、聞いた内容と一致するものを4つの選択肢から選ぶ問題です。サンプルでは「耳で測る体温計」「チベットの雪頓節」「ひとりの時間と社交」「近視」のように、生活・文化・科学の短い話が題材になっています[4]。第二部分(第9〜28題)と第三部分(第29〜40題)は、音声を聞いて質問に答える問題で、選択肢には「年収が高い/体力をつけたい/父の助言を聞いた/勝ち負けは自分次第」のように、話の要点や人物の考えを問うものが並びます[4]。

HSK2.0の6級の聞き取りは50題・約35分で放送は1回ですが[8]、HSK3.0では40題・約30分になります[4]。

阅读(読解)

第一部分(第41〜50題)は、文章の空欄に、4つの選択肢から合う語を入れる問題です。サンプルでは、京劇の名優・梅蘭芳が朝顔の色から衣装の配色を学んだという文章に、5つの空欄があります[4]。

梅兰芳是著名的京剧表演艺术家,他非常(41),为了提高自己的表演水平,生活中的方方面面都是他观察学习的目标。……
41.A 使劲 B 好学 C 优先 D 发光

出典:中外语言交流合作中心『HSK(六级)样卷』[4]

第二部分(第51〜60題)は、文章の空欄に選択肢から合う文を入れる問題で、選択肢には使わない文(ダミー)が1つ混ざっています。サンプルでは、海のプラスチックごみを回収する「蓝色循环」という取り組みの文章が出ています[4]。第三部分(第61〜80題)は、文章を読んで、内容についての質問に4つの選択肢から答える問題です[4]。

HSK2.0の6級の読解にある「誤りのある文を選ぶ」問題はなくなり、文章の流れをつかむ「空欄に文を入れる」問題が加わります[4][8]。

写作(作文)

第81題は「実用文」で、サンプルでは、ルームメイトを募集するお知らせをネットに出すという設定で、相手への条件や部屋の設備を含めて150字以上で書く問題です。第82題は「テーマ作文」で、与えられたテーマについて自分の意見を300字以上で書きます[4]。

第81題:你租了一套两居室的房子,现在需要在网上发布一则信息,找一名室友跟你合租,发布的内容包括你对室友的要求、房间设施的介绍等。请根据要求,写一则招租信息,字数不少于150字。
(2部屋の家を借りていて、ルームメイトを募集する情報をネットに出す。相手への条件や部屋の設備の紹介を含めて、150字以上で書きなさい)

第82題:科技极大地改变了我们的生活方式,你觉得科学发展是会促进还是抑制人的全面发展?请就这个话题谈谈你的观点,字数不少于300字。
(科学技術は私たちの生活を大きく変えた。科学の発展は人間の全面的な発達を促すか、それとも妨げるか。あなたの考えを300字以上で書きなさい)

出典:中外语言交流合作中心『HSK(六级)样卷』[4]

HSK2.0の6級の作文は「与えられた文章を読んで400字程度に要約する」1題でしたが[8]、HSK3.0では要約がなくなり、「実用文」と「意見文」を自分で書く2題になります。要約は元の文章の表現を使えましたが、HSK3.0では自分の語彙と文法だけで、目的に合った文章を組み立てる力が問われます。

口语(スピーキング)

6級の口語試験は5題・約23分で、形式は5級とほぼ同じです(写真を見て話す問題の写真が、5級より1枚多い4枚)。トライアル試験では、3〜6級は筆記と口語をセットで申し込む案内になっています[6][10]。

部分題数内容時間
第一部分2題聞いた文章を言い直す(听后复述)各1分30秒
第二部分1題番号のついた写真4枚をつなげて話す準備3分・回答2分
第三部分2題質問に答える準備3分30秒・回答2分30秒
合計5題約23分(準備時間10分を含む)

出典:中外语言交流合作中心『HSK(六级)口语样卷』[5]

サンプル問題の第三部分(自分の意見を述べる問題)は、次の2問です[5]。

4.你觉得自己和父母那一代人有什么相同和不同的地方?(あなたと親の世代とでは、どんなところが同じで、どんなところが違うと思いますか)
5.有人说“最好的投资就是投资自己”,你赞成这个观点吗?请说明理由。(「最良の投資は自分への投資だ」という考えに賛成ですか。理由を説明してください)

時間は5級の口語と同じですが、テーマは「世代の比較」「自己投資への賛否」のように、抽象的な話題について自分の意見を筋道立てて話すものになります。

第二部分のサンプルは、①医師が高齢の女性にレントゲン写真を見せて説明する、②手術、③回復した女性を医師と看護師が病室で見舞う、④家族と一緒に歩く、の4枚です[5]。「診察→手術→回復→家族との時間」という流れを読み取り、ひとつの話にまとめて2分間話します。

口語の実施方法は、日本国内の会場で9月のトライアル試験を受けた知人によると、放送で一斉に出される問題に、受験者がそれぞれ録音機に向かって答えるものでした。6級の第一部分では30〜40秒ほどの文章が1回だけ流れ、メモなしで再現することになるそうです。

点数と合格ライン

合格点については、2026年9月時点で公式の発表がありません。HSK2.0の6級は合否の表記がなく、300点満点中180点以上を「6級の能力がある」目安としています[8]。HSK3.0の6級がどう判定されるかは、発表を待つ必要があります。

成績の発表時期は、第2回トライアル試験の案内によると、パソコン試験が15日後、紙の試験が30日後(祝日と重なる場合は1週間延長)で、成績報告の有効期間は2年です[6]。

日本で受けられる?いつから?

日本:6級は現行のまま、7-9級はHSK3.0で実施中

日本の6級は、2026年9月25日時点で現行のHSK(6級制)です。HSK日本実施委員会の2026年の試験日程(12月13日まで)に、HSK3.0の1〜6級は入っていません[1]。切り替えの時期も未発表です。

一方、6級の上にあたる7-9級は、日本でもHSK3.0の形式で実施されています。2026年は5月9日と11月22日の2回、会場は東京で、パソコンで受けるPC試験です[1][7]。6級のさらに上を目指す方は、こちらの記事も参考にしてください。

HSK3.0 7-9級 試験内容・レベル・合格のための勉強法

世界:2026年に2回のトライアル試験、12月に正式実施と報道

世界では、1〜6級のHSK3.0のトライアル試験が2026年1月31日(第1回)と9月20日(第2回)に行われました[10][6]。第2回は、日本国内でも受験できる会場がありました。2026年12月13日から正式実施され、HSK2.0は終了すると報じられていますが、2026年9月25日時点で公式サイトの発表は確認できていません[11]。試験大綱の表紙には「2025年11月発布・2026年7月実施」とあります[2]。日本の日程が決まり次第、この記事に追記します。

今から6級を目指すなら、どちらに合わせて勉強する?

6級については、どちらに合わせるかで勉強の中身がかなり変わります。理由は単語の範囲です。HSK2.0の6級の単語2,500語のうち、HSK3.0の6級までに入っているのは836語だけで、1,579語は7〜9級の範囲に移りました。逆に、HSK3.0の6級の単語1,800語のうち832語は、HSK2.0の単語表に無かった語です。

したがって、HSK3.0の6級を目標にするなら、「HSK2.0の5級の単語を固め、6級の単語帳のうちHSK3.0の6級に残った語と新しい語を足す」という進め方になります。HSK2.0の6級の単語帳をそのまま全部覚えるのは、HSK3.0の6級だけが目標なら遠回りです(7〜9級まで狙うなら無駄になりません)。

もう1つの違いは、作文2題と口語試験です。HSK2.0の6級の対策は読解と聞き取りに時間の大半を使いますが、HSK3.0の6級では、300字の意見文を書く練習と、2分30秒話す練習を、早い段階から入れておく必要があります。

日本で今すぐ6級が必要なら、HSK2.0の6級を受けてください。その先を見ている方は、すでに日本で受けられる7-9級も視野に入れておくと良いです。

HSK3.0(6級)合格までに必要な勉強時間

HSK2.0の6級は、基本的に毎日3時間の学習時間を確保して、効率的に学習計画を組んで進めた場合、1年弱で合格に手が届きます(合格だけならもう少し早いこともあります)。

HSK3.0の6級は、単語数はHSK2.0の6級とほとんど変わりませんが、300字の意見文と話す試験が加わります。

6級合格までには、作文やスピーキング強化を考えると、1年〜1年半程度は必要になってくると考えると良いです。もしすでにHSK2.0の6級を持っている場合、半年準備して臨めると良さそうです。

HSK3.0(6級)合格のための勉強法

6級の対策は、HSK2.0の6級の対策をそのまま使えるところと、作り直すところがはっきり分かれます。科目ごとに説明します。

単語

範囲は試験大綱の単語リストの3,601〜5,400番で、6級で新しく学ぶ語は1,800語です[2]。累計の5,400語という数だけ見るとHSK2.0の6級(5,000語程度)と同じくらいですが、中身は同じではありません。HSK2.0の6級の単語2,500語のうちHSK3.0の6級までに残ったのは836語で、HSK3.0の6級の単語のうち832語はHSK2.0の単語表に無かった語です。HSK2.0の6級の単語帳を持っている方は、それを全部覚えるのではなく、大綱のリストと照らして「6級までに残った語」から優先して覚えてください。照合の結果と、どんな語が入れ替わったかは、こちらの記事にまとめています。

HSK3.0の単語数 級別の語彙数一覧とHSK2.0との重複率

覚え方は2週間で200〜300語を1セットにして回す方法で変わりませんが、6級の語は日常会話ではあまり使わないものが多いので、意見文で使いそうな語(「投资」「抑制」など)は例文ごと覚え、作文と口語で使える形にしておきましょう。

単語の覚え方の手順は、こちらの記事に書いています。

聞き取り・読解

6級の聞き取りと読解は、文化・科学・社会など幅広い題材が出ます。教科書的な中国語だけでなく、多くの中国語に触れることが大切です。雑誌『聴く中国語』のように訳と音声がついている教材で、ニュースやインタビューを読み、聞く練習をしましょう。

聞き取りは、今までと同じく「精読→音読→セリフ音読」を丁寧に行い、読解は時間をはかって何度も読み込みましょう。読解の「空欄に文を入れる」問題では、ダミーの選択肢が1つ混ざっているので、前後の文とのつながりを確かめてから選ぶ習慣をつけておきましょう。

精読から音読へつなぐ手順は、こちらの記事で詳しく説明しています。

作文(150字の実用文・300字の意見文)

実用文は、「募集のお知らせ」「案内」「依頼のメール」のように、目的のはっきりした文章です。誰に・何を・どうしてほしいのかを落とさずに、決まった形で書く練習をしましょう。意見文は、結論→理由→具体例→まとめの順で300字にまとめる型を作っておくと、どんなテーマでも書けるようになります。

書いた文は、コーチや先生、あるいはAIに直してもらい、直された文を声に出して言えるようにしておきましょう。意見文の型が口語の「賛否を述べる問題」の型と同じなので、作文の練習がそのまま口語の準備になります。

母語であってもそうだったりしますが、少し長い文になると、ロジックが崩れることがあります。しっかり長い文を作るうえで、接続詞や呼応表現(「不但〜而且…」のように組で使う表現)を使おうとした結果、それが適切でなくなってしまうことがあるので、しっかりと前後関係を意識して文を作りましょう。

口語(話す)

6級の口語は、「聞いた文章を言い直す」「写真4枚をつないで2分間話す」「質問に2分30秒答える」の3つです[5]。

  • 言い直す問題:30〜40秒の文章を1回聞き、メモなしで1分30秒かけて再現します。6級の語彙で話される文章を頭の中にとどめておくには、聞いた内容を短時間保持する練習(通訳訓練の「リテンション」)が効きます。『聴く中国語』の音声を1〜2文ずつ止めて、何も見ずに言い直すところから始めましょう。
  • 写真4枚の問題:場面の説明で終わらせず、「なぜそうなったか」「その人はどう感じているか」まで加えて、4枚を1本の話につなげ、2分間を埋める練習をしましょう。
  • 質問に答える問題:「世代の違い」「自己投資」のように、抽象的なテーマについて自分の意見を述べる問題です。結論→理由→具体例→まとめの順で2分30秒話せるように、社会的なテーマで準備しておきましょう。ネイティブとのオンラインレッスンで、要約や意見を話してフィードバックをもらうのも効果的です。

周りの受験者の声が聞こえる中で、一人で2分以上話し続けるのが6級の口語です。会話の受け答えではなく、スピーチやプレゼンのように自分の考えを発信する練習を積んでおきましょう。

HSKKでいうと高級が2分半のスピーキングでした。それと同等の長さ話すことが求められるので、まず一度、サンプル問題などのお題について話して、それを録音してみてください。おそらく思いの外話せないという人が殆どかと思います。その場合、内容が浮かばないケースと、内容は浮かんでるけど中国語にできていないケースがあります。

内容が浮かばない場合は、過去問やサンプルを使って、ゆっくり考えたら出せるようにしながら、日常的に自分の意見をしっかりまとめる練習をします。中国語が出ないという場合には、語彙の問題なのか、あるいは文法的なことなのか、もっというと、どちらもある程度分かってるけど、いざスピーキングになると、単に慣れていないせいで言えないということもあるので、どこに課題があるかを確認して、そこを潰しこむつもりでトレーニングを行うと効果的です。

HSK3.0(6級)のおすすめ教材

目的教材
単語試験大綱の単語リスト(1〜6級 5,400語)
読解・リスニング雑誌『聴く中国語』
話すための文法『話すための中国語文法体得ドリル【初級編】』
作文・瞬発力『改訂新版 口を鍛える中国語作文【上級編】』
過去問・サンプル公式サンプル問題(筆記・口語)

教材の特徴と使い方は、こちらの記事で紹介しています。

よくある質問

HSK2.0の6級に合格していれば、HSK3.0でも6級になりますか?

級の対応は公式に発表されていません。単語で言えば、HSK2.0の6級の単語のうちHSK3.0の6級までに入っている語は836語で、1,579語は7〜9級の範囲です。そのため、HSK2.0の6級に合格している方は、単語の面ではHSK3.0の6級より7〜9級に近い力を持っていると言えます。ただしHSK3.0の6級には300字の意見文と口語試験があるので、書く・話すトレーニングは別に必要です。

口語を受けずに筆記だけ受けることはできますか?

トライアル試験の案内では、3〜6級は筆記と口語を同時に申し込むことになっています[6][10]。正式実施での扱いは未発表です。

紙の試験とパソコンの試験、どちらで受けますか?

トライアル試験ではどちらの形式もあります[6][10]。日本での形式は決まっていません。

日本でHSK3.0の6級はいつから始まりますか?

日本国内でも9月20日にトライアル試験が行われましたが、正式にいつから始まるかは2026年9月時点で発表されていません[1]。分かり次第、この記事に追記します。

6級の上の7-9級は、日本で受けられますか?

受けられます。7-9級はすでにHSK3.0の形式で、日本でも年2回実施されています[1]。詳しくは7-9級の記事をご覧ください。

1年以上の勉強を続けるために

6級は、初心者からなら1年〜1年半かかる長い道のりです。長期戦で受講生に必ずやってもらっているのは、次の3つです。

  • ゴールを「6級合格」だけにしない。「中国語でニュースを読める」「会議で意見を言える」のように、合格の先の姿を決めておくと、伸び悩む時期にも意味を見失いません
  • 月に1回、公式サンプル問題で力試しをする。点数の推移が見えると、日々の勉強が積み上がっている実感が持てます
  • 学習の記録をつけて、やめない仕組みを作る。やる気に頼らず、「いつ・何を」を固定した習慣として回します

上級を本気で目指す方へ

6級から上は、独学だと作文と口語の精度を上げにくくなります。中国語コーチングスクール「the courage」では、1,000名以上を指導してきたコーチが、7〜9級まで見据えた学習計画を立て、毎日の学習管理と作文の添削、発話のトレーニングを行っています。カウンセリングは無料で、無理な勧誘はありません。まずは現状と目標を一緒に整理するところから始めてみてください。

迷わず、挫折せずに中国語を学びたいという方は、自分にあった学習方法をプロの中国語学習コーチに相談することがとても有効です。無料カウンセリングを実施していますので、ぜひ一度相談してみてください。

無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。


出典・参考

  1. HSK日本実施委員会「試験日程」 https://www.hskj.jp/schedule/ /「HSK7-9級試験(2026年)」 https://www.hskj.jp/7_9/ ― 2026年の1〜6級は現行形式で実施、7-9級はHSK3.0の形式で年2回(5月9日・11月22日、東京、PC試験)
  2. 中外语言交流合作中心『新版HSK考试大纲』(2025年11月発布) https://hsk.cn-bj.ufileos.com/3.0/新版HSK考试大纲1219.pdf ― 6級のタスク24項目、単語(6級1,800語・累計5,400語)、認読字(6級413字・累計1,940字)、書写字(6級150字・累計700字)、文法
  3. 「HSK3.0 考试能力描述」 https://hsk.cn-bj.ufileos.com/3.0/HSK3.0考试能力描述.pdf ― 6級「能用中文就职场、学业、一般专业场景进行丰富、顺畅交流」
  4. 中外语言交流合作中心『HSK(六级)样卷』『HSK(六级)样卷答案』 ― 筆記82題・約125分、各部分の形式・問題例
  5. 中外语言交流合作中心『HSK(六级)口语样卷』 ― 口語5題・約23分、各部分の形式・問題例
  6. 中文考试服务网・通知「HSK 3.0 第二轮考试全球试行启动」 https://www.chinesetest.cn/notice ― 2026年9月20日、1〜6級、紙とパソコンの2形式、3〜6級は口語と同時申込、成績の発表時期、成績報告の有効期間2年
  7. 中華人民共和国教育部『国际中文教育中文水平等级标准』(GF 0025-2021、2021年3月24日発布・7月1日施行) ― 三等九级の体系
  8. HSK日本実施委員会「HSK筆記6級」 https://www.hskj.jp/level/w_6/ ― HSK2.0の6級:5,000語かそれ以上、問題構成と時間、放送回数1回、配点、合否の表記なし・180点以上で6級の能力があると判定
  9. 国家汉办/孔子学院总部『新汉语水平考试 HSK(六级)』サンプル問題 https://www.chinesetest.cn/userfiles/file/HSK/level6/H61001.pdf ― HSK2.0の6級:全体約140分(個人情報の記入5分を含む)
  10. 中国新聞網「中文水平考试HSK3.0来了!全球试行启动 19日起报名」(2025年12月19日) https://www.chinanews.com.cn/edu/2025/12-19/10536380.shtml ― 第1回のトライアル試験:2026年1月31日に世界の一部の会場で実施、1〜6級、紙とパソコンの2形式、3〜6級は口語と同時申込
  11. Hilingo中文网校「HSK 3.0 将于2026年12月正式实施」(2026年7月28日) https://www.hilingo.cn/news/95.html