中国語単語の覚え方|忘れない暗記のコツと1週間の進め方をプロのコーチが解説

中国語単語の覚え方|忘れない暗記のコツと1週間の進め方

中国語の勉強をするうえで避けて通ることができないのが単語暗記です。

どんなに発音が良くても、どんなに文法の知識があっても、単語を覚えていないと「読む・聴く・話す・書く」全てが出来なくなってしまいます。

伊地知

単語暗記は苦手だと感じる人も多いので、1,000名以上のコーチング実績に基づき、今回は単語の効率的な覚え方や、おすすめの教材などを紹介していきます。読み終わったときには単語暗記の全体像や、今からやってみたいことがハッキリしているはずです!

この記事のポイント
  • 中国語の単語は「漢字(形)・発音(音)・意味(義)」の3つをセットにして、音声を聞きながら声に出して覚えます
  • 覚える量は、1週間あたり200〜300語がひとつの目安。前の日までに覚えた分も毎日くり返し、何度も思い出すことで忘れにくくなります
  • 覚えられない単語は、もとの漢字、使う場面、一緒に使う単語とのセット(コロケーション)を手がかりに印象を強くします
  • 覚えた単語は、自分で例文を作って声に出し、会話で使うことで「使える単語」に変わります

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単語を覚える前に知っておきたいこと

まず、中国語の単語を覚える前に、押さえておきたいポイントを見ていきます。

簡体字とは何かを知る

中国語の漢字には簡体字と繁体字という2種類の漢字があります。

簡体字というのは、日本語で使われている漢字よりも簡略化された漢字で、中国大陸で使われています。そして、繁体字というのは日本語の漢字よりも複雑な漢字で、香港や台湾などで使われています。

簡体字
(中国大陸)
日本の漢字繁体字
(香港・台湾)
传伝傳
价価價
单単單

一般的に「中国語」というと、通常は「普通话(pǔ tōng hùa)」と呼ばれる中国大陸の標準語を指し、使われる漢字は簡体字です。

なので、みなさんがこれから「中国語の単語を覚えるぞ〜」という場合は、基本的には簡体字の単語を覚えることになります。

単語は「形・音・義」の3つをセットで覚える

英語の学習経験がある方は特に意識をしておくと良いのですが、中国語の単語の要素である漢字は「形(漢字)」「義(意味)」「音(発音)」の3つの要素で成り立っているので、それらをセットで覚える必要があります。ここではそれぞれの要素を確認しておきましょう。

形(けい)=漢字

まずは漢字の形を認識する必要があります。今は手書きよりもタイプすることの方が多いので、必ずしも書けるようになる必要はないですが、少なくとも読める必要があります。日本語の「薔薇」などをイメージするとわかりやすいかもしれませんが、書けなくても読める状態にはしましょう。

義(ぎ)=意味

英語の場合は”d”、”o”、”g”それぞれに意味はありませんが、それらが繋がり”dog”になると急に「犬」という意味を持ちます。ところが、漢字はアルファベットとは違い、基本的には1つの文字に意味があります。漢字の持つ意味も理解しつつ、単語を暗記すると暗記がしやすくなります。

音(おん)=発音

ここまでの「形」「義」については普段から漢字を使っている日本人からするとハードルは低いのですが、それに加えて発音も覚えていく必要があります。本来言葉は音ベースで生まれ、その記録用として文字が生まれているので、この音への意識を強く持っておく必要があります。中国語の発音はピンインという発音記号で表記されます。ピンインを含め、発音についてはこちらの記事を参考にしてください。

ピンインには、音の高さの上がり下がりを表す「声調」の記号も付いています。声調が違うと別の単語になるので、ピンインは声調まで含めて覚えましょう。たとえば「买 mǎi」は「買う」、「卖 mài」は「売る」です。

単語は形・音・義をセットで覚える(例:手机 shǒujī=携帯電話。「机」は「機」を簡単にした字)
中国語の発音:難しいと感じる理由と、通じる発音になる練習の手順

簡体字の「もとの字」を知る

単語がどうしても頭に入らないという受講生に、どの単語でつまずいているのかを聞いてみると、意外なほど簡単な単語の名前が返ってきます。原因をたどると、簡体字のもとになった字を知らなかったから、というケースが目立ちます。

たとえば「手机 shǒujī」(携帯電話)の「机」は、日本語で読むと「つくえ」なので、「手のつくえ?」と混乱してしまいます。ところが、この「机」は「機械」の「機」を簡単にした字です。それがわかれば「手に持つ機械だから携帯電話」と、すぐに意味が結びつきます。同じように「飞机 fēijī」(飛行機)も、「飞」が「飛」、「机」が「機」だとわかれば、見た瞬間に意味が浮かびます。

見慣れない簡体字に出会ったら、もとの字が何だったのかを辞書で確かめてみてください。漢字の意味がつながると、単語がぐっと覚えやすくなります。

アンバランスな初級を認識する

中国語の初級を英語の初級と同じように捉えてしまう人がいますが、日本の教育環境から、この2つは全く別物です。

「英語全然わかりません」という人でも、ほとんどの人が「犬」「猫」「りんご」などの基本単語を知っていますが、中国語に関しては全くわからないということがほとんどです。

それにも関わらず漢字の知識があるので、割と難しい単語でも結構「見てわかる」とこがあります。それでも聞いたらチンプンカンプンということが多いので、非常に”アンバランスな初級”であることを認識しておきましょう。

この認識があることで、聞いたり音読したりする「音」を意識したトレーニングに時間を多く使うことができ、効率的になります。

中国語単語の覚え方:基本の3ステップ

ここからは、中国語の初級段階で、具体的にどうやって単語を覚えていけば良いかを、3つのステップで説明します。

ステップ1:音源付きの単語帳で、声に出して覚える

特に初級段階では単語帳を使ってたくさんの単語を一気に覚えていくと良いです。冒頭で書いた通りですが、中国語の初級は本当に初級なので、基本的な単語も知らない状態から始まるため、基本単語のスターターキットを大量にインストールする必要があるからです。

そして、単語帳は音源がついているものを使い、必ず声に出して覚えましょう。最初は発音に自信が無いかもしれませんが、それでも正しい音を聞いて、真似するように声に出して覚えてください。

これをやらずに、見るだけで覚えてしまうと、漢字と発音のギャップについて行けず、早々に挫けることになります。そうならないよう、最初から「形・義・音」を1つのセットとして覚えるようにしましょう。

ステップ2:覚えていない単語に印をつけて絞る

これは中国語に限らず、勉強全般に言えることですが、「覚えた単語」を見ながら「うんうん、知ってるよこの単語、ニヤリ」と思っていてもちょっと勉強効率としては良くないので、「まだ覚えていない単語」に何かしらの印をつけて、その単語を覚えるまで繰り返して行きましょう。

そして、全部覚えたら再度全部復習をする、というように進めてください。満遍なくやるのも無駄ですし、覚えた単語ばかり見てるのも無駄なので、わからない単語をわかるように変えることに多く時間を使うことがポイントです。

ステップ3:時間をあけすぎずに、何度も思い出す

そして、単語暗記の最大の敵が「忘れること」ですが、みんな忘れるものなので、忘れること自体はあまり気にしないようにしてください。どちらかというと、忘れるのは当たり前だけど、すぐに思い出せるようにする、何度も思い出すことで記憶を定着させるんだと考えると良いです。

そして、そのためには時間をあけすぎると、すっかり忘れてしまい、思い出すのも一苦労となってしまうので、時間はあけすぎないようにしましょう。睡眠時間を除き、5時間あけないと決めてみてください。例えば昼ごはんの前後に少し単語暗記をやらないといけないなと考えるなどです。隙間時間の使い方が重要なポイントになってきますね。

「何度も思い出す」ことの効果は、研究でも確かめられています。外国語の単語を覚える実験では、覚えたあとに見直しをくり返しても1週間後の成績は伸びず、思い出すテストをくり返したほうが大きく伸びました[1]。また、学習の間隔について多くの実験をまとめた研究では、一度に詰め込むより時間をあけてくり返すほうが記憶に残りやすく、覚えておきたい期間が長いほど、ちょうどよい間隔も長くなることが示されています[2]。

つまり、覚えたばかりの単語は短い間隔で、慣れてきた単語は少しずつ間隔を広げながら、「眺める」より「思い出す」をくり返すのがコツです。単語帳の中国語を隠して意味を言ってみる、音声だけを聞いて意味を答えてみる、といった形で、自分にテストをしながら進めましょう。

思い出す間隔を少しずつ広げる(覚えた直後→10秒後→30秒後→5分後→30分後→その日のうちに)。眺めるより思い出す
単語の難易度は自分で決められる

「この単語は難易度が高い」なんて言うことがありますし、私もそう思うことがあるのですが、もともと単語に難易度という概念は存在しません。ただ、使用頻度が低い単語は難易度が高いように感じるだけです。なので、触れる頻度を上げることで難易度を下げることができます。苦手だと感じる単語については隙間時間を使い触れる「頻度」を上げましょう。難易度は、自分でコントロールできます。

覚える量や頻度、すきま時間の使い方については、こちらの動画でもお話ししています。

どのくらいの量をどんなペースで進めるのが合っているかは、一人ひとり違います。迷うときは、コーチと一緒に決めると早く進みます。こうした相談も、無料のカウンセリングで受け付けています。

無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。

やってはいけない!単語の覚え方

ここで改めて、やってはいけない単語の覚え方を確認しておきましょう。

やってはいけない覚え方、それは、、、

「音を無視した覚え方」

音源無しの単語帳で、なんとな〜くで音を認識してしまうと、今後聞けない話せない、つまり、全く使えない中国語になってしまうので、絶対にNGです。

ただ例外があり、たまに「中国のアプリを使ってみたいんです」というニーズがあります。この場合はみて分かれば使い方がわかるので、本当にそれだけが目的であれば、音に意識を置くことが遠回りになってしまうので、見てわかるだけでも良いです。ただ、ほとんどの方はそれ”だけ”が目的ではないことが多いので、やはりここは音を意識して音読しながら覚えることを強く強くおすすめします。

効率的な中国語単語の覚え方のポイントは?

ここからは効率的な単語の覚え方について、ポイントをお伝えします。

一つの単語につき一つの意味で良い

1つの中国語単語に対して複数の日本語の意味があることが多いですが、まずは1つの意味を覚えればそれで良いです。

1つで良いとする最大の目的は、暗記効率を上げるために、ゴール(範囲)を明確にすることです。もちろん多くの意味を覚える方が良いのですが、そうなると「どこまで覚えれば良いんだ、、、」となってしまい、モチベーションも徐々に落ちて行きます。なので、まずは1つ確実に覚えましょう。

そのうえで、今後他の意味も少しずつ覚えて行くと良いです。また、2つ目以降の意味というのは、1つ覚えたところに加わる形なので、1つ目よりも印象に残りやすく、覚えやすいです。

1日1単語ではなく、週200〜300語のペースで覚える

これもやってしまいがちなのですが、1日に1単語など、少しずつ覚えていこうというのは良くないです。1日1単語を1年続けても、1年後に365語が頭に残っているかというと、そんなことは決してありません。残っているのは直近に覚えた30語くらいで、最初のほうに覚えた単語はすっかり忘れてしまっているはずです。

量の目安は、1週間に200〜300語です(レベルや単語との相性などで調整してください)。これくらいの量を続けていくと、2ヶ月ほどで読める文章が少しずつ増えていきます。

大切なのは、新しい単語だけを先へ進めるのではなく、前の日までに覚えた単語も毎日くり返すことです。300語を1週間で覚える場合の進め方を比べてみましょう。

日程おすすめしない進め方おすすめの進め方
1日目1〜501〜100
2日目51〜1001〜200
3日目101〜1501〜250
4日目151〜2001〜300
5日目201〜250苦手な単語だけ集中して
6日目251〜3001〜300
7日目総復習総復習

左の進め方では、1日目に覚えた単語に次に出会うのは7日目の総復習です。右の進め方なら、毎日1語目から見直すので、同じ単語に何度も出会えます。200語で進める週も、同じように前の日の分に積み上げていきましょう。

300語を1週間で覚える進め方の比較。毎日違う50語を進めるより、毎日1語目から積み上げる

アプリの単語帳を使うと効率が良い

私が学生の頃は紙の単語帳を使っていましたが、今はアプリでも良い単語帳がたくさんあります。

Quizletは自分で登録をしていく単語帳ですが、エクセルなどで作った一覧をまとめて取り込めるので、自分単語帳を作ると良いです。また、カードを「覚えた」「まだ」に分けながら進められるので、まだの単語だけをくり返せて、効率も良いですし、アプリなので秒単位の隙間時間の活用もでき、頻度を上げることにも繋がります。

なので、よほどアプリでの学習に抵抗を感じる場合以外はアプリでの学習をおすすめします。

どれくらい覚えればいい?必要な単語数の目安

単語を覚えるときは、ゴールの数を決めておくと進めやすくなります。目安として、中国語の検定試験HSKの級ごとの単語数を紹介します。今の6級制のHSK(以下、HSK2.0)の場合は、次のとおりです[3]。

HSK2.0単語数の目安どんなレベルか
1級150語程度ごく簡単な単語やフレーズがわかり、使うこともできる
2級300語程度簡単な日常会話ができる
3級600語程度暮らしや仕事の場面で、ひととおりの意思疎通ができる
4級1,200語程度さまざまな話題について会話でき、ネイティブとも比較的スムーズに話せる
5級2,500語程度中国語の新聞・雑誌が読め、テレビや映画を見て楽しめる
6級5,000語程度中国語の情報を楽に読み聞きでき、自分の意見を流暢に伝えられる

※公式の表では、6級は「5000語以上」とされています。

はじめて中国語を学ぶ方は、まず2〜3級にあたる300〜600語を目標にしましょう。日常でよく使う基本の単語が中心なので、HSKの級別の単語帳を使うと、覚える範囲がはっきりして進めやすくなります。

新しいHSK3.0では単語数の数え方が変わり、級ごとの単語数も増えています。詳しくはHSK3.0の単語数で紹介しています。

中国語単語のおすすめ単語帳(教材)

ここでは中国語単語おすすめの単語帳(教材)を紹介します。HSK・中検のレベル別に選びたい方は、レベル別・目的別のおすすめ単語帳もご覧ください。

亜鈴式で鍛える中国語コロケーション999

亜鈴式で鍛える 中国語コロケーション999
おすすめするポイント
  1. 基礎単語が多いので初心者向け
  2. よく一緒に使う組み合わせ単位で覚えるので、使える単語になる
  3. クイズ形式なので飽きにくい

例文で覚える単語帳は多いですが、この本は「よく一緒に使う単語どうしのセット、いわゆるコロケーションごと覚える」という、意外と少ない考え方で作られています。「動詞+目的語」のセットのほか、決まった言い回しもまとめて身につけられます。

単語は単体で覚えても、それとどんな単語が組み合わさるのかがわからないと使うことができません。

例えば「举行(jǔ xíng)」=「行う、催す」という単語を覚えても、それがどんな言葉と組み合わさるのかがわからないと、結局使えなくなってしまいますね。

URLAmazonリンク
特徴コロケーションで覚えられる
おすすめの人会話で実際に使える単語力を身に付けたい方

品詞別・例文で覚える HSK基本語彙 1級-4級

品詞別・例文で覚える HSK基本語彙 1級-4級
おすすめするポイント
  1. 単語暗記がHSK対策に直結
  2. 全単語にピンイン付の例文がある
  3. 級別・品詞別なので体系的に覚えられる

こちらはHSKという中国語の試験に出てくる単語の単語帳です。試験の合格を一つの目安にしている方はこうした試験用の単語帳を使うと良いです。試験用と言っても、しっかり例文もついているので、単語の使用シーンもわかりやすくなっています。

これが終わったら続きの5級・6級のテキストを使って行くのも良いです。

品詞別・例文で覚えるHSK基本語彙 5級―6級

URLAmazonリンク
特徴HSKを基準に体系的に覚えることができる
おすすめの人単語暗記と試験対策を同時に行って効率よく進めたい人

中国語単語のおすすめのアプリ

ここでは中国語単語のおすすめアプリを紹介します。

HSK公認単語トレーニングアプリ

HSK公認単語トレーニングアプリの画面
おすすめするポイント
  1. レベル別での購入ができる
  2. 音声を「聞いてわかるか」などのモード変更ができる
  3. 全ての単語が例文&音声付

こちらはHSK対策の単語アプリです。各級の単語をそれぞれ購入するので、自分に必要なレベルの単語を無駄なく学べます。また、特に良いのが「音声を聞いて意味がわかるか」などのモード選択ができることです。日本人は漢字を見てわかるけど、聞いたら全くわからないということが多いので、その確認ができるのはアプリならではですね。1〜6級のほかに7〜9級用の別のアプリもあり、どの級も最初の一部は無料で試せます。

URL公式サイト
特徴「聞いてわかるか」などのモード選択が可能
おすすめの人隙間時間を活用して学びたい人

アプリの使い方や、紙の単語帳との使い分けは中国語の単語アプリでも紹介しています。

どうしても覚えられない中国語単語の対処法

ここまで中国語単語の覚え方や、おすすめ教材などを紹介して来ましたが、ここではどうしても覚えられない単語がある場合、どうすれば良いか、ポイントを説明していきます。

復習はすぐに

どうしても覚えにくい単語は、特に忘れやすい単語でもあります。こういう単語は特別対応が必要なので、最初だけで良いので、10秒に1回復習をするようにしてください。

こう言うと「ありえない」と聞こえて来そうですが、最初だけで良いです。最初数回10秒に1回復習をすると、それが30秒に1回で良くなります(少し記憶に残って来ます)。そして、それを続けると5分に1回、30分に1回、というように、覚えていられる時間が長くなっていきます。

いやな奴とは思い切って接触を増やしてみる、そしたら意外と良い奴だと気付けるかも。

例文で「使う場面」ごと覚える

初級段階でとても多いのが「使用イメージが湧かず覚えられない」ということです。例えば「就」であれば「すでに、とっくに」などの意味があったりしますが、この中国語と日本語の組み合わせで覚えようと思っても、呪文のようで苦しくなります。

なので、単語の例文を見るか、あるいは自分で簡単な例文を作って覚えると良いです。こうすることで使用するシーンのイメージが明確になり、印象に残りやすくなります。もっというと、自分のセリフのようにしっかりと音読するともっと良いです。

the courageのセッションでは、受講生に「その単語はどういう時に使いますか?」とよく質問します。たとえば「要 yào」を「〜するつもりだ」と覚えていても、いつ、どんな場面で使うのかが浮かばないまま暗記していることがあるからです。そのままだと記憶に残りにくいうえに、覚えても使えない単語になってしまいます。

日本語でかまわないので、「会社に行くつもり」のように、その単語を使う場面を1つ思い浮かべてから覚えましょう。実際に中国語でも「我要去上班。」と言えます。

簡体字のもとの字や、使う場面を意識した覚え方は、次の動画でも取り上げています。

付箋を使う、ルーティンに組み込む

頻度が上がるのであれば、印象に残るのであれば(法を犯さない範囲で)なんでもやりましょう。仕事の中で電話をかける機会が多い方が、自分の電話の受話器に苦手な単語を付箋で貼り付けて、電話をかける度にそれらの単語を唱えてからかけるというルール作りをして成功していました。

この方はすでに頻度が高い自分のルーティンに紐づけることで、頻度が下がってしまうことをシステマチックに防ぎました。トイレや玄関のドアに付箋を貼るという方もいます。自分の生活の中で頻度が高いことを探してみてください。

似た意味・反対の意味の単語とセットで覚える

少し中国語の勉強に慣れてくると、類義語(似たような単語)・反義語(反対の意味を持つ単語)などを活用することも有効です。

例えば「容易(róng yi)」「简单(jiǎn dān)」どちらも「かんたん」という意味ですが、それぞれの反義語を考えると、

「容易」の反対は「难(nán)」=「難しい」
「简单」の反対は「复杂(fù zá)」=「複雑だ」

となり、「简单(jiǎn dān)」にはシンプルだという意味が含まれてることがわかります。

これだけでも結構印象に残りますよね。こうした工夫もとりいれてみてください。

コロケーションや反義語・同義語を使った覚え方は、こちらの動画で解説しています。

語呂合わせは「とっかかり」として使う

語呂合わせで単語を覚えるのも、きっかけ作りや遊びとしてなら良い方法です。ただし、中国語の発音は日本語の音とは明らかに違うので、そこだけは注意が必要です。

伊地知

語呂合わせ、良いと思います。ただ、発音は明らかに違うんですよね。たとえば「じーちゃんと机场に行く」。たしかに机场(jīchǎng、空港)は「じーちゃん」に似ていますが、似ているだけで絶対に違う発音です。そこを理解したうえで、とっかかりとして利用したり、遊びとしてやったりするのは良いと思います。

語呂合わせで覚えた単語も、必ず音声で正しい発音を聞いて、声に出して確かめておきましょう。

覚えた中国語単語を使える単語にするには?

ここからは覚えた単語を「使える単語」に昇華させていくための方法を紹介します。

オリジナルの例文を作ってみる

本当に簡単な単語で良いので、辞書や単語帳の例文の単語を入れ替えて、オリジナルの例文を作って声に出してみると、単語としてではなく、文として定着するので、使えるものに変わっていきます。

よく一緒に使う組み合わせ(コロケーション)を意識する

やはりコロケーションは大切です。「ヒゲ」だけ覚えてても「剃る」や「蓄える」という動詞を知らなければ「ヒゲを・・・」で止まってしまい使える単語にならないので、この単語って、どういう単語と組み合わせて使うんだろうというのを考えてみてください。

ピンインで打ち込んでみる

スマホやパソコンで中国語を打つときは、ピンインを入力して漢字に変換します。覚えた単語を自分で打ち込んでみると、発音と漢字がきちんと結びついているかを確かめる練習になります。ピンインがあいまいだと目当ての漢字が出てこないので、うろ覚えの単語にも気づけます。

設定のしかたはiPhoneでピンイン入力する方法とmacでピンイン入力する方法で紹介しています。

実際に会話で使ってみる

何より一番効果的なのは実際に使うということです。家で1人で声に出すのもとても効果的ですが、ここでは相手がいる状態で、緊張感を持って取り組める方法を2つ紹介します。

オンライン中国語会話を利用

オンライン英会話では「レアジョブ」「DMM英会話」など大手のサービスがたくさんありますよね。中国語でもオンライン中国語会話のサービスは多数あり、かつ月額1万円以内のものも多いのでとてもおすすめです。しかも、最近ではWeChatというLINEのようなサービスを使って手軽に会話ができたりするのもありがたいです。

オンライン中国語会話を実際に使ってみて比較した記事がありますので、こちらを参考に選んでいただくのも良いかと思います。(直近、私は天天中文を使っています)

中国人の友達

あとは中国人、つまりネイティブの友達を作って交流をすることで使う機会を増やすのも有効です。

その場合、交流会のような場に参加するのも良いです。気の合う友達ができると、会話の内容に困りにくいのでより良いかと思います。

私は学生時代パンクロックが好きだったので、ライブハウスで知り合った同じくパンクロック好きの中国人と友達になったのですが、学生時代から今に到るまでずっと友達で連絡を取り続けています。

よくある質問

中国語の単語は1日に何個覚えればいいですか?

1週間に200〜300語が目安です(レベルや単語との相性などで調整)。1日あたりの新しい単語は30〜40語ほどになりますが、前の日までに覚えた単語も毎日くり返すのがポイントです。

語呂合わせで覚えてもいいですか?

きっかけ作りや遊びとして使うのは良いと思います。ただし、語呂合わせの音と中国語の発音は別物です。覚えたあとは、必ず音声で正しい発音を確かめてください。

単語はノートに書いて覚えたほうがいいですか?

書けるようになることは、必ずしも必要ありません。今は手で書くより、スマホやパソコンで打つことのほうが多いからです。まずは、見て読めて、聞いてわかるところまでを目標にしてください。苦手な単語だけを付箋やメモに書き出して、目につく場所に貼っておく使い方はおすすめです。

何語くらい覚えれば会話ができますか?

HSK2.0の公式の説明では、2級(300語程度)で簡単な日常会話ができるとされています[3]。ただ、言いたいことをある程度自由に話せるまでには、1,200語くらい(HSK2.0でいえば4級)を見ておくとよいでしょう。また、単語を知っていても、声に出して使う練習をしていないと口からは出てきません。覚えた単語で例文を作って話す練習もセットで進めましょう。

繁体字も覚えたほうがいいですか?

中国大陸で使われている中国語を学ぶなら、簡体字だけで大丈夫です。台湾の中国語を学びたい場合は繁体字が必要になります。台湾の中国語との違いは台湾華語ってどんな言葉?で解説しています。

アプリと紙の単語帳はどちらがいいですか?

どちらでも覚えられますが、秒単位のすきま時間にも開けるアプリのほうが、くり返す回数を増やしやすく、特に忙しい方に向いています。紙の単語帳を使う場合も、音声を聞けるものを選びましょう。

中国語単語の覚え方に加え、覚えたかどうかの確認も大切

単語の覚え方についてはここまで説明してきた通りです。あとはこれらをしっかりと実行・継続していきましょう。また、覚えたつもりにならないように、定期的にテストをしてみることも大切です。

覚えた単語の数や勉強した時間を記録しておくと、進み具合が目に見えて、続けやすくなります。記録にはthe courage アプリが使えます。中国語の勉強全体の進め方は、中国語の勉強法で、何から始めるかと1年のロードマップを紹介しています。

中国語コーチングのthe courage(カレッジ)では、単語の覚え方をお伝えするだけでなく、毎日続けるための仕組みづくりや、本当に身についたかを確かめる客観的なテストまで、コーチが一緒に取り組みます。

本気で中国語を身につけたい方と、無料カウンセリングで一度お話しできればうれしいです。今まで経験したことのないくらい、中国語と真剣に向き合う時間になるはずです。

無理な勧誘など一切ございませんので、是非一度コーチとお話しください。

出典

  1. Karpicke, J. D., & Roediger, H. L. (2008). The critical importance of retrieval for learning. Science, 319(5865), 966–968. https://doi.org/10.1126/science.1152408 ― 外国語の単語の学習で、覚えたあとに思い出すテストをくり返すと1週間後の成績が大きく伸び、見直しをくり返しても伸びなかった
  2. Cepeda, N. J., Pashler, H., Vul, E., Wixted, J. T., & Rohrer, D. (2006). Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis. Psychological Bulletin, 132(3), 354–380. https://doi.org/10.1037/0033-2909.132.3.354 ― 184本の論文・317の実験をまとめた研究。学習の間隔と覚えておく期間の関係
  3. HSK日本実施委員会「各級の紹介」 https://www.hskj.jp/level/ ― 各級の試験の程度と語彙量の目安
ABOUT US
伊地知太郎中国語コーチングスクールthe courage代表コーチ
大学在学中、中国の北京師範大学に留学し、1年で中国語力をビジネスレベルにまで高める。帰国後、三菱重工業株式会社にて海外人事・資材調達業務を経験。その後、語学コーチングスクールPRESENCEにて700名以上の受講生の語学学習をサポート、コーチの育成や中国語コースの立ち上げを経て、語学コーチングスクールthe courage(カレッジ)を設立。